細野透の「赤信号・黄信号・青信号」不定期

[第19号]野村不動産「プラウドタワー名古屋丸の内」の好調な申込率

2018年09月14日

細野 透 ( ほその とおる )

三大都市圏における8月の分譲マンション申込率

 今年の夏は暑かったですね。暑い夏には、エアコンはよく売れますが、分譲マンションはあまり売れません。

 まず、2017年の三大都市(東京都区部、名古屋市、大阪市)のデータを抑えておきましょう。気象庁が調べた最高気温と、不動産情報サービスのマーキュリー社がまとめた分譲マンション申込率を紹介します。

【2017年の東京都区部】
  最高気温は37.1度(8月9日)
  8月の分譲マンション申込率(首都圏)──69%(年間でワースト第3位)

【2017年の名古屋市】
  最高気温は35.3度(8月24日)
  8月の分譲マンション申込率(中京圏)──54%(年間でワースト第3位)

【2017年の大阪市】
  最高気温は37.4度(8月6日)
  8月の分譲マンション申込率(近畿圏)──57%(年間でワースト第3位)

 三大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)とも、8月の分譲マンション申込率は年間でワースト第3位になっています。

 

三大都市で2018年夏に最も暑かったのは名古屋市

 次に、2018年のデータです。こちらは最高気温は分かりますが、分譲マンション申込率はまだ不明です。

 【2018年夏の最高気温】
 東京都区部──39.0度(7月23日)
 名古屋市──40.3度(8月3日)
 大阪市──38.0度(7月19日)

 三大都市の中で、2018年夏に最も暑かったのは名古屋市でした。

 私は8月20日、野村不動産が販売中の分譲マンション「プラウドタワー名古屋丸の内」(22階建て、142戸)を取材するため、名古屋市に出張しました。

 訪ねた先は、名古屋市中区栄4丁目の「中日ビル」にある、総合型マンションギャラリー「プラウドラウンジ名古屋」です。

 マンションのモデルルームは通常、分譲マンションの建設地の近くに、個々につくられます。しかし、「プラウドラウンジ名古屋」の場合には、複数のマンションのモデルルームが1個所に集まっているので便利です。

「プラウドラウンジ名古屋」の入口
「プラウドラウンジ名古屋」の入口(画像はすべて野村不動産の提供)

 

「プラウドラウンジ名古屋」の特徴

「プラウドラウンジ名古屋」には大きく2つの特徴があります。

 第1に、「ペーパーレス接客」を目指して、デジタルな手法を採用したことです。

 「プロジェクションマッピングシステム」── シアター内で、動画および模型を利用した映像を用いて、プレゼンテーションを行います(下に写真)。 

プロジェクションマッピングシステム

 「大型タッチパネル」──タッチパネルを利用して、周辺ロケーションや建物のCG画像を説明し、また眺望シミュレーションを行います。

「experia touch」──デジタルコンテンツを投影し、客に触れてもらいながら、物件のプレゼンテーションを行います。

「タブレット(iPadPro)」──パンフレット、図面集、営業説明資料等をデジタル化しています。

 第2の特徴は、既存プラウド物件のオーナーが、訪れやすい環境を整えたことです。

 「オーナーズカフェ」──買い物時の休憩場所や待ち合わせ場所として開放し、コーヒー等を無料で提供します(下に写真)。

オーナーズカフェ

 「体感型イベント」──ワインセミナー、ワークショップなどを定期開催します。

 「セミナー」──収納セミナー、お掃除セミナー、住替えセミナー、税務セミナーなどを定期開催します。

 「相談1次窓口」──オーナーの相談ごとや困りごとの1次窓口となります。

 

「プラウドタワー名古屋丸の内」の第1期申込率は90%

 受付で名前をいうと、「プラウドタワー名古屋丸の内」の販売担当者、企画担当者、広報担当者の3人が現れて、取材に対応してくれました。

 私は真っ先に「名古屋はずいぶん暑いですね。マンションの売れ行きに、悪い影響は出ていますか?」と質問しました。

 すると、意外な返事が返ってきました。「暑さの影響は出ていません」。

 「プラウドタワー名古屋丸の内」(142戸)の第1期販売(70戸)は、7月下旬に締め切られました。その結果、申込率は90%に達したそうです。これなら確かに、暑さとは無縁の売れ行きです。

 そしてその勢いを大事にするために、10日間の夏季休業をはさんだ後に販売活動を再開し、9月中旬には第1期2次販売を開始する予定です。

 

写真で見る「プラウドタワー名古屋丸の内」

「プラウドタワー名古屋丸の内」の南側外観
「プラウドタワー名古屋丸の内」の南側外観

アプローチ空間
アプローチ空間

左がコンシェルジュデスク、右奥がエントランスウランジ
左がコンシェルジュデスク、右奥がエントランスウランジ

夜景。左遠方に見えるのは、名古屋駅周辺に立つ超高層ビル
夜景。左遠方に見えるのは、名古屋駅周辺に立つ超高層ビル

 

【「プラウドタワー名古屋丸の内」概要】
 所在地─愛知県名古屋市中区錦1丁目411番(地番)
 交通─名古屋市営地下鉄桜通線・鶴舞線「丸の内」駅徒歩3分
 総戸数─142戸
 構造・規模─鉄筋コンクリート造、免震構造、地上22階建
 敷地面積─1400.9平方メートル
 用途地域─商業地域
 竣工時期─2020年2月(予定)
 入居時期─2020年3月(予定)
 売主─野村不動産
 管理会社─野村不動産パートナーズ
 設計・監理─野口建築事務所、九尺設計 
 施工会社─清水建設
 駐車場─60台
 自転車置場─142台

 

中日ビルは2019年3月末に閉館

 「プラウドタワー名古屋丸の内」の売れ行きが好調なのは、物件自体に魅力があるためなのですが、もう1つの要因は総合型マンションギャラリーの「プラウドラウンジ名古屋」にあるようです。

 野村不動産は現在、名古屋市で7棟のマンションを販売中ですが、このラウンジに来るとそのモデルルームがそろっているため、いわば「涼しい状態」で一覧できるのです。

 ただし、「プラウドラウンジ名古屋」が入居している中日ビルは、建物が老朽化したため、2019年3月末に閉館し解体されることになっています。

 跡地には新しいビルが建設される予定ですが、テナントに関してはまだ決まっていないようです。

 

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細野 透(ほその・とおる)
建築&住宅ジャ─ナリスト。

 建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

 著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。