細野透の「赤信号・黄信号・青信号」 不定期
細野 透

[第56号]大和ハウス工業が販売する「抗ウイルス・抗菌マンション」の内容

2021年10月01日

2020年12月から「抗ウイルス・抗菌マンション」を展開

 大和ハウス工業は、「抗菌製品技術協議会(SIAA)」の認証を受けた建材、および「非接触キー」などを採用した、「抗ウイルス・抗菌マンション」を、2020年12月から展開しています。

 この「抗菌製品技術協議会(SIAA)」は、適正で安心できる「抗菌・防カビ加工製品」の普及を目的として、抗菌剤メーカーや抗菌試験機関などで構成された団体で、大和ハウス工業も加入しています。

 

社員の声を受けて「マンションのコロナ対策」を強化

 昨今、新型コロナウイルス感染症の影響で、身の回りや住まいにおける衛生意識が高まっています。

 大和ハウス工業は、 社員を対象に新型コロナウイルス感染症の影響による意識・行動の変化についてアンケートを実施 (回答者5568人。期間2020年7月31日--8月7日)。

 その結果「新型コロナウイルス対策として、積極的に試みたい行動」として、「家の中の抗ウイルス・除菌が42%」と高いことが分かりました。

 そこで、同社は「抗ウイルス・抗菌加工を施した建材」を採用するとともに、「非接触キー」や「人感センサー付きスイッチ」など、感染リスクを低減できるアイテムを導入した「抗ウイルス・抗菌マンション」を順次、全国展開することとしました。

 そして、大阪府茨木市で開発中の分譲マンション、「プレミスト茨木双葉町」を「抗ウイルス・抗菌マンション」の第1号にすることを決定。2021年4月に販売を開始しました。

 

全国第1号「プレミスト茨木双葉町」のコロナ対策

 「プレミスト茨木双葉町」は、「抗ウイルス・抗菌マンション」として、各戸に「無機の銀系抗ウイルス・抗菌剤」を含んだ「特殊コーティング(凸版印刷が開発)」を施した床材や建具を採用しています。

 凸版印刷によると、その効果は「特定ウイルス」が24時間で99.9%以上減少。また抗菌の効果で「大腸菌、黄色ブドウ球菌が24時間で99.9%以上減少」することを確認。「抗菌製品技術協議会(SIAA)」の認証を受けています。

 また、共用部には「テレワークや子どもの宿題・勉強スペース」として利用できるよう、「Wifiの利用が可能な個室ブース」を6カ所設置しました。ただし、「壁材や天井材、扉のレバーハンドル」などには抗ウイルス・抗菌加工を施していません。

 

「プレミスト茨木双葉町」の物件概要

物件名称:「プレミスト茨木双葉町
所在地:大阪府茨木市双葉町364番2 
交通:阪急京都線「茨木市駅」より徒歩5分
敷地面積:1895.61m²
延床面積:6550.25m² 
構造・規模:鉄筋コンクリート造、地上10階建て
売主:大和ハウス工業
施工:大豊建設
販売開始:2021年4月下旬
竣工予定:2022年3月上旬
入居予定:2022年3月下旬
総戸数:74戸

「抗ウイルス・抗菌マンション」の首都圏第1号は「プレミスト和光丸山台」

 大和ハウス工業は、「プレミスト茨木双葉町」に続いて、首都圏では「抗ウイルス・抗菌マンション」として「プレミスト和光丸山台」(地上5階建て、総戸数36戸)」を建設しています。

 その物件概要をまとめておきましょう。

物件名称:「プレミスト和光丸山台
所在地:埼玉県和光市丸山台ニ丁目8-1
交通:東京メトロ有楽町線「和光市」駅から徒歩10分
   東京メトロ副都心線「和光市」駅から徒歩10分
   東武東上線「和光市」駅から徒歩10分
敷地面積:1193.12m²
構造・階数:鉄筋コンクリート造・地上5階建て
売主:大和ハウス工業、三信住建
設計・監理:フィルツ都市建築設計
施工:新日本建設
着工:2021年2月5日
販売開始:2021年9月11日
竣工:2022年2月(予定)
入居開始:2022年3月(予定)
総戸数:36戸(別途管理事務室1戸)
専有面積:55.22m²~72.33m²
間取り:2LDK・3LDK
販売価格:4960万円~7290万円

 

細野 透(ほその・とおる)
建築&住宅ジャ─ナリスト。

建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。