田中和彦が斬る!関西マンション事情 不定期
田中 和彦

[第22号]シティタワー大阪

2016年03月23日

【梅田、心斎橋まで2km圏の都心マンション】
大阪市営地下鉄「堺筋本町」駅徒歩4分。淀屋橋、本町、北浜へも徒歩圏となる「シティタワー大阪」。旧トーメン本社跡に建設された、2003年12月竣工の地上50階建てのタワーマンションだ。建設当時は、タワーマンションが大変珍しかっただけではなく、「堺筋本町のファミリーマンション」という位置付けが新鮮であった。分譲当時は、淀屋橋や北浜からも距離がある少し外れた立地であり、また、日常生活のための買い物施設等も周囲にはあまりないために、「西日本一の高さ」という「売り文句」があったにも関わらずそれほどエンドユーザーに注目されたわけでもなく、竣工完売はしたものの1年以上販売期間を要するような状況であった。

【10年経っても変わらぬ資産価値】
それから10年以上経った今、周辺の様子はずいぶん変わった。タワーマンションという選択肢自体は珍しくなくなり「シティタワー大阪」以上の高さの高層マンションもずいぶんと建設された。しかし、「シティタワー大阪」の評価が下がったわけではない。高層タワーマンションの認知度UP、「住む場所」としての都心の再評価、スーパー等の出店による生活利便性のUPなどから、むしろその評価は上がっており、分譲当時(平均税込み坪単価2069千円)を上回る価格で取引されている(住まいサーフィンの中古騰落率では2016.3時点で分譲時+13.5%)。

【特徴的な外観にも活かされた建築技術】
「シティタワー大阪」の外観は大変特徴的だ。見る角度によってそのフォルムが異なる。東西に長い形状で、敷地配置図を見ると、北側南側のラインは曲線、東側西側のラインは直線であり、建物の北と南が線対称の形になっている。上部の丸い部分を薄く切り落とした板付のカマボコを垂直に立てたような形だ。外観の色調は白。バルコニーの立ち上がりが薄いブルー基調の透過性の素材であり、とても爽やかに見える。東側の道路面からはガラス越しに天井高約7mのエントランスホールが見える。数m間隔で見える青い斜めに伸びている柱状のものはオブジェではなくスーパートラス架構と呼ばれる構造体。建物の構造強度を高めるためのもので施工会社である淺沼組のサイトには「建物基部における転倒抵抗の増大」と説明がある。建築技術的にも見どころのある「シティタワー大阪」、その技術がフォルムやデザインにもうまく活かされているのは資産価値の高さとは無関係ではないであろう。

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田中和彦 
株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。