田中和彦が斬る!関西マンション事情 不定期
田中 和彦

[第29号]住みたい街ランキング(関西)~「住みたい街」は資産価値が高いのか?

2016年07月13日

【阪急神戸線特急停車駅、強し!】
恒例の「住みたい街ランキング2016」がリクルート住まいカンパニーから発表された。住みたい街といえば関東では吉祥寺が有名だが、関西でそのポジションを取るのは西宮北口、阪急神戸線の特急停車駅だ。
関西のベストスリーは1位から順に西宮北口(阪急神戸線他)、2位梅田(地下鉄御堂筋線他)、3位神戸三宮(阪急神戸線他)。共通点はすべて阪急神戸線の特急停車駅ということだ。続く4位岡本(阪急神戸線)、5位夙川(阪急神戸線他)も同様で、上位5駅のうち4駅は阪急神戸線特急停車駅となった。圧倒的な人気の高さだ。

【関西の人気エリアは「市内、北摂、阪神間」】
沿線では阪急神戸線の人気が高いが、エリアとしてはどこの人気が高いか?
まずは阪急神戸線が通る阪神間。5位千里中央(北大阪急行他)、9位江坂(地下鉄御堂筋線他)がランクインする北摂。そして2位梅田(地下鉄御堂筋線他)、7位なんば(地下鉄御堂筋線他)、10位天王寺(地下鉄御堂筋線他)の大阪市内。いわゆる「市内、北摂、阪神間」がベスト10を占めている。
この「市内、北摂、阪神間」以外に属する街は20位以内までみても17位京都(JR東海道線他、滋賀エリア)、18位樟葉(京阪本線、京阪エリア)、19位草津(JR東海道線、京滋エリア)の3駅のみ。奈良エリア、南大阪エリアは一切入っていない。

ちなみに新築マンションの価格が高騰している京都エリアは、25位烏丸(阪急京都線他)が最高で、27位河原町(阪急京都線)、29位北山(京都市営地下鉄烏丸線)の3駅のみで、順位も高くない。価格が高騰したことにより手が出なくなったことと合わせ「住みたい街」というよりも「観光の街」だと捉える向きが多いのであろう。

【住みたい街=資産価値の高い街】
「住みたい街」は多くの人が本当に「住みたい」と思ってはいない。どちらかといえば「憧れの街」、「人気の高い街」である。
「住みたい街」があったとしても、自由に引越しできるかというとそうもいかない。会社への通勤、子供の保育所や学校の問題、親の介護、近所付き合い等々、地元へのしがらみあるため地縁の全くない場所へ引っ越す踏ん切りがつかない人は多い。よって「住みたい街」は「憧れの街」にとどまり「人気の高い街」となる。
とはいえ一定数の人は実際に「人気の高くない街」から「住みたい街」へと引っ越していく。需要が高いため、賃貸相場はもちろん、新築相場や中古相場は底堅いものとなる。なので「住みたい街」は「本当に住みたい街」でないとしても、資産価値が高い街であることには違いない。これは関西に限った話ではない。

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田中和彦 
株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。