田中和彦が斬る!関西マンション事情不定期

[第45号]「甲子園」の持つ値打ち

2017年03月08日

田中 和彦 ( たなか かずひこ )

「今、旬な物件」の兵庫県/100戸未満。9位が12物件あり「ベスト10」が20物件並んでいるが、そのうち5物件は最寄駅が同じマンションであった。駅の名前はJR「甲子園口」駅。JR東海道線の普通のみ停車する駅だ。

「甲子園」でまず思い出されるのは阪神タイガースの本拠地である甲子園球場だ。これが完成したのは1924年。「甲子園口」駅が開業するのはそれから遅れること10年の1934年。「甲子園」という名称は、駅名も周辺の住居表示も、甲子園球場に由来するものである。

球場が近所にあるとは、さぞ賑やかな場所だろう。と考える人もいるかもしれないが、JR「甲子園口」駅から甲子園球場は約2.5kmほど離れており、かなり距離がある。球場の最寄駅は阪神「甲子園」駅であり、JR「甲子園口」駅周辺には甲子園球場の賑わいはない。むしろ閑静な住宅地と呼べるエリアだ。

駅の南側には昔ながらの商店街があるが、大規模な駅前商業ビルやショッピングセンターはない。駅前ロータリーは北と南に2箇所。規模は小さく、どちらも幹線道路からははなれているため車両の数はそれほど多くはない。このような昔ながらの落ち着いた街並みが「甲子園口」駅界隈の特徴だ。

駅の東側に10分弱歩くと、武庫川が流れている。この「武庫川河川敷緑地」、散歩やウォーキング、ピクニックをしたくなる憩いの場。これからの季節は桜の花見で賑わうにちがいない。

ベスト10に入っている「甲子園口」駅最寄りのマンションは、北から順に「ジークレフ西宮北口」(松山町)、「ワコーレ甲子園口北町ザ・プレミアム」「ジークレフ甲子園北口町」(以上、甲子園口北町)、「ジェイグラン甲子園口レジデンス」(甲子園口3丁目)、「レジデンスコート西宮若草町」(若草町)。マンション名、住所、戸数などを見比べると面白いことが見えてきた。5物件のうち、「ワコーレ甲子園口北町ザ・プレミアム」「ジークレフ甲子園北口町」「ジェイグラン甲子園口レジデンス」の3つのマンションは共通点があった。

それは「戸数が少ない」ということだ。上記の3物件、それぞれ18戸、18戸、15戸と極端に戸数が少ない。「今、旬な物件」で関西エリアを調べても20戸未満のマンションは神戸市東灘区に1物件と京都市内に2物件あるのみ。同一駅で20戸未満のマンションが3物件もあることがいかに珍しいことであるかが理解いただけると思う。

一般的に分譲マンションは戸数が多いほど割安に建築できる。当然、建築費は割高になる。そんな小規模マンションが同一エリアで複数棟供給されているのはなぜか?

それは、この5物件中、この3物件にしかない別の共通点に答えがある。それは「マンション名に『甲子園』が含まれている」と「駅から徒歩10分以内」の2点。すなわち、割高であっても「甲子園を含む住所地」で「駅徒歩10分未満」(それぞれ駅徒歩分数は4分、4分、7分)の立地ならば需要が見込める、ということなのだ。

ただし気をつけたい点が一点。小規模マンションは管理にかかるコストが割高になる場合が多い。大規模マンションにはないよさもあるのだが、どうしても1戸あたりの負担が大きくなる。検討の場合は注意されたい。

■近畿圏の「今、旬なマンション」はここから

最新の今、旬なマンションは以下ページから確認できる。

https://www.sumai-surfin.com/product/ranking/re_rank_season.php?m=1&t=1&utm_source=ss&utm_medium=column&utm_campaign=columnTanaka

※気になる「エリア」を選んでご覧ください。

 

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田中和彦 
株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。

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