田中和彦が斬る!関西マンション事情 不定期
田中 和彦

[第46号]ハイセンスな街「堀江」

2017年03月22日

【大阪市内屈指の人気住所地「堀江」】

「今、旬な物件」、大阪市内の100戸未満の1位がプラウド南堀江、2位がブランズ北堀江。メジャーブランドの分譲マンションが1位2位で場所はどちらも「堀江」。同率5位の「リーガル南堀江」を含め10物件中3物件が「堀江」だ。(※2017/03/17時点)さて、この「堀江」とは一体どんなエリアなのだろうか?

堀江とは、南は道頓堀川、西は木津川、北を長堀通、東を阪神高速1号環状線に囲まれたエリア。長堀通、阪神高速1号環状線はもともとは長堀川、西横堀川があった場所であり、堀江とは四方を川に囲まれてエリアであった。その真ん中にかつて流れていたのが堀江川で、その北と南で現在の北堀江、南堀江に別れている。

 

【「家具の町」としての隆盛、そして凋落】

川に囲まれて湿地帯であったため開発をされたのが江戸時代以降と比較的歴史の浅い町だが、開発が進むと商業や町民文化の栄える活気ある街へと変貌を遂げた。1945年(昭和20年)の大空襲では焼け野原となったものの、その後疎開先から帰ってきた人々により復興がなされ、家具の町として知られるようになった。

高度成長期には、南堀江を東西に通る立花通りを中心に家具問屋街として活況を呈したが、郊外の大型家具店の登場などで廃れ始め、1990年代には人通りがほとんどない閑散としたエリアとなった。

現在のような「おしゃれな街」に変化してきたのは1990年台後半。堀江エリアに大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線「西大橋」駅が開業した頃(1997年)だ。

 

【「高級」というよりも「センスのいい」が似合う街】

当時、南堀江を中心とした商業エリアは閑散としており空き店舗も多くあった。しかしそれは大阪進出を考えている店舗にとってはプラスであった。南堀江界隈は、隣接する心斎橋エリア等と比べると賃料が安かったため、大規模なショップが開業しやすい状況にあったのだ。

セレクトショップや若者向けのインテリア店などが増え始めるに連れ、地元の人が経営するカフェやギャラリーなども次々と開業。なんばや心斎橋の喧騒、若者にあふれるアメリカ村の雑踏を嫌った人々が、新しくできた堀江のスポットに集まるようになった。

その後、堀江界隈は雑誌などにも取り上げられる人気エリアとしての地位を確立。それに伴いSOHOや小規模事務所なども増えた。買い物や交通の利便性が高いのはもちろん、上述のように心斎橋や難波といった繁華街から少し離れたエリアであり、靭公園等の都市公園も近いため居住エリアとしても人気が高い。決して「高級な住宅街」ではないが「センスのいい街」としては評判が高い。そのあたりはランキングにも結果が出ている。

大規模なショッピングセンターや複合商業施設がある街も楽しくて便利だが、その施設が撤退してしまうと一気に不便になってしまう。それに比べ、堀江のように小規模で個人経営ような店舗が数多く、また物販店や飲食店などそのラインナップがバラエティーに富んだ街は廃れにくい。エリア色豊かな店舗に足を運び地域での暮らしを楽しみたい、そんなニーズを満たしてくれる街、堀江。その街の魅力を絶やさないためにも、「利便第一」ではなく「地元を楽しむ」、そんな志向の人にこそ堀江の分譲マンションを選んでほしい。

 

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最新の今、旬なマンションは以下ページから確認できる。
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田中和彦 
株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。