田中和彦が斬る!関西マンション事情不定期

[第47号]桃山台の凋落!?〜街選びのトレンドは買い物利便重視へ

2017年04月12日

田中 和彦 ( たなか かずひこ )

「今、旬なマンション」。北摂エリアで一番多くランクインしている駅は北大阪急行電鉄「桃山台」駅。100〜199戸の3物件中2物件、200戸以上の8物件中2物件の合計4物件の最寄り駅が「桃山台」駅となっている(2017/4/10 時点)。さて、その「桃山台」駅、いったいどのような場所なのだろうか?

桃山台とは吹田市内にある住所名だ。1960年台に整備された豊中市と吹田市にまたがる千里ニュータウンの一角をしめるエリアである。「桃山台」駅はその南西の端にある駅。吹田市桃山台、竹見台、豊中市新千里南町の中間に位置する。

千里ニュータウンから大阪市内中心部への鉄道での移動は便利だ。西部が北大阪急行電鉄、東部が阪急千里線の利用となり、北大阪急行電鉄は大阪市営地下鉄御堂筋線、阪急千里線は阪急京都線並びに大阪市営地下鉄堺筋線と相互乗り入れをしているため、乗換なしで大阪市内中心部に移動できる。が、どちらがより便利かといえば、実質的には御堂筋線と「同じ路線」である北大阪急行電鉄沿線の方が利便性に優れている。

北大阪急行電鉄は千里ニュータウン内に「千里中央」駅と「桃山台」駅の2つの駅がある。かつては両駅とも分譲住宅、賃貸住宅問わず人気が高かった。しかし、ここ10年ほどで様子は少し変わってきた。この両駅の人気に差がついてしまった。「桃山台」駅の人気は「千里中央」駅には及ばない。

今回の「今、旬なマンション」にあがっているマンションも4物件3物件が竣工済みの完成在庫となっている。売れ行きが芳しくないのだ。

「千里中央」駅は千里ニュータウンの中心的な位置づけ。複合商業施設「セルシー」や「千里阪急」などのショッピング施設や「千里阪急ホテル」などが有り生活利便施設が揃い、大阪モノレール「千里中央」駅の乗換駅でもあり、駅周辺は大変賑わいがある。その周りには千里西町公園、千里東町公園といった大規模公園や一戸建て、団地、分譲マンションなどの住宅が囲む2層構造となっている。

一方、「桃山台」駅はといえば典型的なニュータウンの住宅地。駅徒歩5分にスーパー「阪急オアシス」をキーテナントとした商業施設「アザール桃山台」がある以外は商業施設は殆ど無い。駅に近接して南側には桃山公園があり、駅直近に一戸建てや集合住宅が居並ぶ。隣同士で距離が近い両駅だがニュータウンらしく機能分化されている。「利便性の千里中央」「住環境の桃山台」と行った具合だ。

かつては北大阪急行電鉄沿線、すなわち「梅田まで一本」ということで「桃山台」駅は「千里中央」駅同様に人気が高かったが、「買い物利便」が劣るため最近ではその人気は「千里中央」駅に水をあけられている。実際にファミリー物件の相場では阪急千里線「南千里」駅と逆転し、「南千里」駅界隈の方が「桃山台」駅周辺よりも賃料が高い。阪急千里線は支線とは言え、電車を選べば「梅田」駅へも乗換なしで行け、大阪市営地下鉄堺筋線への乗り入れもしている。また駅前にはショッピングモール「ガーデンモール南千里」があり買い物利便では「桃山台」駅に勝る。

ニュータウンの住民の高齢化や共働き世代の増加などで、今後はますます「買い物利便重視」の世帯がふえてくる。「桃山台」駅のような駅周辺に買い物施設が少ない駅よりも「南千里」駅のような買い物施設が充実した駅のほうが注目されるトレンドは今後も続くであろう。これは千里ニュータウン内に限った話ではないのだが……。

とはいえ「桃山台」駅周辺は住環境もよく交通利便性も高い。それぞれのマンションが「買いか否か」は、個々の住戸価格による。しかし、今後のトレンドを考えるとあまり強含みのエリアだとは言い難い。購入を検討する場合でも「高値つかみ」しないように注意したい。

 

■近畿圏の「今、旬なマンション」はここから

最新の今、旬なマンションは以下ページから確認できる。
https://www.sumai-surfin.com/product/ranking/re_rank_season.php?m=1&t=1&utm_source=ss&utm_medium=column&utm_campaign=columnTanaka
※気になる「エリア」を選んでご覧ください。

 

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田中和彦 
株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。

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