田中和彦が斬る!関西マンション事情 不定期
田中 和彦

[第50号]大規模分譲が続く「天神橋筋六丁目」駅ってどんな街?

2017年05月24日

「今、旬なマンション」の大阪市内200戸以上に同じ駅のマンションが2件(「ブランズシティ天神橋筋六丁目」、「ジオ天六ツインタワーズ」)ランクインしている(2017/5/21 時点)。駅名は「天神橋筋六丁目」駅。2つのマンションを合わせて800戸超の供給があるこの駅、一体どのようなエリアなのだろうか?

この「天神橋筋六丁目」駅は大阪市営地下鉄と阪急電鉄が共同使用している駅で、大阪市営地下鉄堺筋線と谷町線、そして阪急千里線の3路線が乗り入れている。堺筋線と千里線は相互直通運転しているため、利用者の感覚としては「阪急(もしくは堺筋線)と谷町線の駅」だ。

この「天神橋筋六丁目」駅、大変長い。ここを知る人で駅名をフルでいう人は(おそらく)皆無。駅名、交差点、周辺エリアともに「天六(てんろく)」とよばれている。

場所は、谷町線「東梅田」駅から北東へ2駅。梅田界隈から歩いても約20分程の距離だ。周囲は「日本一長い商店街」とされる天神橋筋商店街や天五中崎通商店街などを中心に、数多くの物販店や飲食店が立ち並ぶ。その多くは商業テナントビルではなく一戸建てや雑居ビルなどの路面店。たかが2駅しか離れていない梅田界隈の高層オフィスビルやグランフロントなどのある風景と比べると、対照的だ。

この商店街を中心に広がる街並み。とても庶民的かつ大阪的である。これは、梅田周辺と比べ街の歴史が古く、日本三大祭の一つである天神祭で有名な大阪天満宮の門前町として栄えたことに起因する。

この「天六」界隈に400戸前後のマンションが2物件、合わせて800戸超の住戸が供給されるわけだが、今回の供給に先立って2013年に大規模タワーマンションが供給されている。「ジオタワー天六」だ。このマンションは地上44階建総戸数400戸。いまでも「庶民的な街の代表格」として大阪ローカルのバラエティ番組などのロケが頻繁に行われる「天六」に高層タワーマンションができた時のインパクトは大きかった。今回の大規模分譲は、この「ジオタワー天六」が売れたことを受け、「天六にも新築分譲としてのマーケットがある」と判断してデベロッパーが大規模分譲用地を仕込んだというわけである。

天六から10分ほど東へ歩くと「大川」という川がある。春には桜の名所として、夏には天神祭の船渡御や奉納花火で多くの人が訪れる。梅田や難波も大阪らしい街だが、この天六は、それらの都心部とは違い、昔から住む人の体温を感じることができる街といえる。

 

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田中和彦 
株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。