田中和彦が斬る!関西マンション事情不定期

[第55号]「人気の阪神間」、さてその人気の理由は?

2017年08月09日

田中 和彦 ( たなか かずひこ )

定点観測をしている「今、旬なマンション」。兵庫県の「マイページ登録数」(100戸未満)を見て驚いた。22物件も登録されていた。ほとんどの登録数が1とはいえ、他のエリアと比べると物件数がかなり多い(※)。

「住みやすい街ランキング」的な記事の関西版を見ると、「阪神間」というエリアの人気が高いことがわかる。「西宮北口」「岡本」といった駅のあるエリアだ。この22物件、明石、姫路、神戸市中央区の7物件を除く15物件がいわゆる「阪神間」のマンションだ。関西の住宅市場においてなぜ阪神間の人気が高いのか、簡単におさらいしたい。

と、その前に「阪神間」とはどこか?ざっくりと言えば「大阪市(阪)と神戸市(神)の間」。どの行政が含まれるは文脈によって変わる。大阪市と神戸市については、大阪市は含まれないことが殆どであるが、神戸市は東灘区、灘区の2区が含まれる場合が多い。狭義では西宮市、芦屋市、東灘区、灘区。広義ではさらに尼崎市と伊丹市を含めたエリア。このあたりを阪神間と呼ぶことが多い。

その阪神間、人気の理由はいくつも考えられるが、地理的に見ると以下の3つの要素が大きい。以下は西宮市から灘区にかけての狭義の阪神間について人気の理由を挙げてみる。

1)海と山に挟まれていて自然が豊か
阪神間は、東に大阪(梅田)、西に神戸(三宮)という利便性の高い立地にもかかわらず、住む場所次第では海辺やハイキングコースまで徒歩で行けるほどに自然が豊かだ。また、住宅地を流れる夙川、芦屋川、住吉川などの河川は、コンクリートで護岸されていない部分が残り、堤防を降りた高水敷や水面まで降りることができる。

2)エリア全体が南向きの緩斜面
北を六甲山、南を大阪湾に挟まれたエリアであるため、エリア全体が南に向いた緩斜面となっている。そのため陽当たりの良い住宅地が多い。ただし、最近では高低差の少ない「フラットアクセス」が好まれる傾向があるため、「住みたい街ランキング」などでは、バブル時代には大変人気の高かった「苦楽園」「甲陽園」などよりも、周辺にほとんど高低差がない「西宮北口」の方が人気が高い。

3)阪急・JR・阪神の3路線が並行して走っており便利
阪神間の市街地エリアは東西に長く、南北に狭い。その狭い間に来たから順に阪急、JR、阪神と3本の鉄道が並走するため、大阪/神戸方面への移動が便利だ。複数路線を使える便利さに加え、それぞれの鉄道、特に阪急とJRが同じ顧客を取り合うためのサービス競争を行うことによるダイヤ改正等の恩恵も受けている。


他にも「おしゃれで気の利いたお店が多い」「良質な住宅ストックがある」といった理由もあるが、これらは上記の要素が揃うエリアであることの結果とも言える。「フラットアクセス」「都心居住」の大阪市内の人気の高さが目立つ昨今であるが、阪神間の人気もまだまだ根強い。

 

※2017/08/07 01:15 更新、兵庫県、30日間、マイページ登録数22物件

 

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田中和彦 
株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。

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