田中和彦が斬る!関西マンション事情 不定期
田中 和彦

[第156号]2線2駅利用可能なローカルで人気の街~堺「三国ヶ丘」

2021年11月24日

定期的にウォッチしている「今、旬なマンションランキング」。ここに出ている駅名を見ていると大まかな分譲マンションのトレンドがよくわかる。最近はランキング上位に「下落合」「根津」「矢口渡」といった都心エリアを少し外したエリアのランクインが目立つ。そんな目で筆者は、自身が拠点を置く関西を大阪市内から滋賀、和歌山まで順に見るのだがこれがなかなか楽しい。

今回、目についたのは南大阪。同エリアで「100戸未満のマンション」の上位3棟(「シャルマンフジ三国ケ丘けやき通り」「(仮称)三国ヶ丘駅前プロジェクト」「ヴェリテ三国ヶ丘」)の最寄り駅がいずれも「三国ヶ丘」駅であった。「三国ヶ丘」駅周辺は利便性が高く住みやすいエリアだが、関東の人には馴染みのない、関西の人にとってもご近所様でなければ正確な位置までは知らない方が多い、そんなイメージ。今回は簡単に「三国ヶ丘」駅周辺を紹介したい。

「三国ヶ丘」駅は、南海高野線とJR阪和線が直行する2路線利用可能な駅。「三国ヶ丘」駅と書いているがこちらは南海線の表記で、JR線は「三国ケ丘」駅と「ヶ」が大文字となる。気付いた方もいらっしゃるであろうが「シャルマンフジ~」はJR線の駅名称を利用している。住居表示でも存在するが、こちらは「三国ヶ丘」で北三国ヶ丘町・中三国ヶ丘町・南三国ヶ丘町の三つの町名があり、「三国ヶ丘」駅の北西に位置する。

「三国ヶ丘」駅周辺のランドマークは大仙古墳。南西エリアは、ほぼ古墳と言っても過言ではない。「大仙古墳??」となった方も多いかもしれないので解説しておくと、この大仙古墳、以前は仁徳天皇陵などと呼ばれていた。1990年代あたりを境に呼び名が変更されたので40代以上の世代にはピンとこない名前かもしれない。

その大仙古墳の南側にあるのが大仙公園。都市部では珍しい自然豊かな公園で、敷地内には博物館や日本庭園があり、週末ともなれば多くの家族連れなどで賑わう。また、徒歩圏ではないが東方向へ自転車で15 ~ 20分ほどの場所には大泉(おおいずみ)緑地があり、こちらはなんと100ヘクタール超。市外から訪れる人も多い。幼い頃は大仙公園、自転車に乗れるようになれば大泉緑地、そんな人も多いだろう。

「三国ヶ丘」「三国ケ丘」以外に「三国丘」という表記もある。大阪府立三国丘高校がそうだ。同校は甲子園出場経験もあり、国立大学に100名以上合格する府下有数の進学校。2020年入試でも京都大学・大阪大学・神戸大学に現役で50名以上を輩出している。進学校が近くにある影響もあり、教育環境を求めて「三国ヶ丘」駅周辺で住まい探しをする家庭も多い。

世界一のことを「三国一」などということがあるが、「三国ヶ丘」の由来はそちらの「三国」ではなく、かつての三国、摂津・河内・和泉の国境であったことが由来とされている。近くにある方違(ほうちがい)神社は、平清盛や徳川家康も祈願したと伝わる。交通利便性が高く、子育て環境・教育環境でも評価される「三国ヶ丘」駅周辺エリアだが、今も昔も注目エリアと言える。

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この記事の編集者

田中 和彦

株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。

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