マンション購入時、手付金の支払いが必要となります。
言葉は知っているものの、支払意図を理解していない方もいるのではないのでしょうか。
本記事では、手付金の役割と相場、マンション購入のどのタイミングで支払うのかをご説明します。
目次
1.マンション購入の手付金とは?
手付金とは、マンション・一戸建てなど不動産の売買契約時に買主から売主へ支払うお金です。
手付金の支払いには主に2つの役割があります。
- ● 売買契約の証明として
- ● 万が一の契約破棄に備えて
売買契約の証明として
役割の一つ目として、手付金は売買契約の証明となっています。
買主が手付金を支払い、売主が受け取ることで、売買契約の成立を明確に示す役割があります。
万が一の契約破棄に備えて
もう一つの役割として、手付金は万が一の契約破棄に備えた担保(キャンセル料)となっています。
支払った手付金を破棄することにより、契約締結後の一方的な契約破棄が認められています。
現金での支払いが必要
手付金の支払いに関する注意点として、手付金は現金一括での支払いが必要です。
また、振込ではなく、契約当日に手渡しするのが一般的となっています。
諸費用を住宅ローンに組み込むフルローンを利用する場合も、手付金は現金で用意する必要があります。
住宅ローンの融資実行は引渡しと同時のため、手付金の支払いに間に合わないためです。
手付金はあくまで預け金であるため、引渡しの際に全額戻ってくることになります。
2.手付金の相場はいくらか?
現金での支払いが必要となる手付金ですが、一般的な相場はいくらなのでしょうか。
手付金の相場は5~10%
マンションの手付金は新築・中古問わず、購入代金の5%程度を提示されるのが一般的です。
ただし人気物件の場合は、手付金が10%の場合もあります。
特に、抽選倍率が高い新築マンションの場合は、手付金10%を求められるケースが多いです。
マンション価格別の手付金
物件価格 | 手付金 | |
---|---|---|
5% | 10% | |
3,000万円 | 150万円 | 300万円 |
4,000万円 | 200万円 | 400万円 |
5,000万円 | 250万円 | 500万円 |
6,000万円 | 300万円 | 600万円 |
7,000万円 | 350万円 | 700万円 |
8,000万円 | 400万円 | 800万円 |
9,000万円 | 450万円 | 900万円 |
1億円 | 500万円 | 1,000万円 |
このように5%の手付金であっても、かなりの高額になります。
ローン返済には無理のない価格のマンションでも、現金を払えない方もいるのではないでしょうか。
手付金を値引き交渉することは出来ないのでしょうか。
手付金の値引き交渉は可能?
結論から言えば、担当者に交渉し手付金を値引きしてもらうことは可能です。
極端に言えば、手付金はゼロでも問題はありません。
残り戸数の少ない場合やそれほど人気の高くないマンションでは、手付金の減額に応じてくれる場合も多いです。
数十万円から100万円程度の手付金で済む場合もあります。
しかし、手付金の値引き交渉には注意点もありますので知っておきましょう。
注意点として、中古マンション購入時に交渉順位を下げられてしまう場合があります。
売主は、買主が本当に買ってくれるのかという部分を何よりも気にしています。
手付金があまりに少ないと、契約後に解除されるのではと懸念される可能性があります。
絶対に手に入れたい物件の場合は、購入意思を明確に示すために指定された額の手付金を支払いましょう。
また逆に言うと、手付金が少ない場合は売り主側からの契約解除もしやすい状況です。
後から条件の良い購入者が現れた場合、キャンセルされてしまう恐れがあります。
このように、手付金が少額な場合にはデメリットもあります。
人気物件を購入したいのであれば、手付金の大幅な値引き交渉は避けた方が無難です。
3.手付金はキャンセルしたらどうなる?
金額が大きい手付金。契約解除時の扱いを確認しておきましょう。
買主のキャンセルでは戻らない
売買契約後に、買主の一方的な都合でキャンセルを希望した場合、支払った手付金は返金されません。
ただし、"契約の履行に着手する前"のキャンセルでは、手付放棄のみで損害賠償金を別途請求されることはありません。
手付金放棄によるキャンセルが出来るのはいつまでなのか、契約時に確認しておきましょう。
売主のキャンセルでは倍額が戻る
反対に、売主の都合によるキャンセルの場合は、手付金の倍額が返ってきます。
住宅ローン特約がつけられる
住宅ローンの本審査は、マンションの売買契約を締結した後に行われます。
そのため、契約後の本審査で否決されマンションが購入できない場合があります。
その際に、手付金放棄をせずに済むように「住宅ローン特約」が用意されています。
住宅ローン特約をつけておけば、手付金放棄なしで売買契約を解除することができます。
不動産会社に紹介された金融機関で提携住宅ローンを借りる場合、通常は住宅ローン特約がつくようになっています。
自分で決めた住宅ローンを利用したい場合は、契約前に特約について相談しておきましょう。
4.手付金と申込金、頭金の違いとは
最後に、手付金と並べて触れられることの多い「申込金」と「頭金」についてもご説明します。
申込金は全額戻ってくる
手付金が契約時に支払うのに対し、申込金はその名の通り「申込み時」に支払うお金です。
申込金は申込証拠金とも呼ばれており、マンション申込みの意思を明確に示すためのものです。
一般的に10万円程度を支払うことが多いですが、法的な決まりはありません。
申込金は一時的な預かり金ですが、契約時には手付金に順当されるケースが多いです。
また、申込金には法的な拘束力はありません。キャンセルの場合も申込金は全額返却されます。
トラブルを避けるため、支払い時には忘れずに預かり証をもらっておきましょう。
ただし、申し込み後のキャンセルは出来るだけ避けましょう。
物件を仮押さえしてもらっているため、売主へ迷惑をかけることになります。
頭金は契約後に支払うお金
頭金とは物件価格から住宅ローン借入額を引いた部分の金額を指します。
頭金を支払うことで、月々のローン返済負担を減らせるなどのメリットがあります。
ただし低金利である現在は、頭金ゼロでマンション購入する方も増えています。
頭金は契約から引渡しまでの間に支払います。タイミングは担当者と相談しましょう。
また、手付金は後で頭金に順当されるケースが一般的です。
マンション購入の頭金については、下記の記事でさらに詳しくご説明しています。
5.まとめ
本記事では、手付金の役割と相場についてご紹介してきました。
マンション購入では手付金の他にも様々な諸費用がかかります。
事前に把握して準備しておきましょう。
下記の記事で、マンション購入の初期費用についてご紹介しています。
気になる方はご参考になさってください。
また、手付金は物件価格により支払い額が決まります。
マンション購入で損をしないためには、何よりもまずは物件価格が適正かの判断が必要です。
物件の値付け根拠は様々のため、周辺相場と比較し割高に購入してしまう可能性もあります。
マンション探しではどのようなポイントに注目すべきかを事前に知っておきましょう。
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