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住まいサーフィン編集部

マンションを相続するときには何をする?手続き方法や相続後の選択肢を詳しく解説!

2022年08月04日

更新日最終更新日:

分譲マンションの所有者が死亡すると、マンションを相続することになります。
そのためには様々な手続きがありますが、そのうちの一つである「相続登記」は2024年4月から申請が義務化されます。
司法書士には依頼せずに、自分たちで登記申請することを考えている人もいるでしょう。

また、マンションを相続したとしても既に自分の家が別にある場合には、今後どうすれば良いのか悩ましいところです。

今回の記事では、相続手続きの方法やかかる税金、マンション相続後の選択肢について解説します。

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1. 手続きは司法書士に依頼?自分でやる?

家族が亡くなると、相続手続きをする必要があります。
相続財産は分譲マンションなどの不動産だけでなく、預貯金や自動車、有価証券など経済的に価値があるすべてのものです。
これらを相続するためには、相続人同士の話し合いや各種書類の作成などをしなければなりません。

手続きの全てまたは一部を司法書士に依頼する人もいれば、すべて自分たちでやる人もいます。
司法書士に依頼すると、手数料(依頼料)がかかります。
費用がかかるなら自分たちで手続きをしたいけど、そもそもどういうことをするのか分からないという方も多いと思います。

まずは、相続の手続きにはどういうものがあるのか見ていきましょう。

大まかな流れ

一般的な相続手続きの大まかな流れは以下のとおりです。
それぞれの内容については、後ほど解説します。

  • 1.相続人や相続財産の調査・確定(遺言書があれば、そちらを確認)
  • 2.相続の方法を決める(法定相続・遺産分割協議)
  • 3.相続の登記申請書を作成
  • 4.相続税の申告と納付

司法書士に依頼するべきなのはどういう人か

司法書士とは、行政機関に提出する書類の作成や審査請求などをする法律の専門家のことです。
弁護士よりもできること(権限)の範囲は狭いですが、登記などの行政機関への書類作成に長けています。

司法書士に依頼すると、登記申請書の提出だけでなく、相続人や相続財産の調査、遺産分割協議のサポートなどもしてもらえます。
先ほどご紹介した相続手続きの大半が、司法書士に依頼することでスムーズに行うことができます。

そのため、仕事などで忙しくて時間がない方や、相続人や相続財産が多くて手続きが複雑な方は司法書士に依頼する方が良いでしょう。

しかし、司法書士にお願いする場合は依頼料を支払う必要があります。
金額は依頼する仕事内容や司法書士によっても様々ですが、5万円~10万円はかかると考えた方が良いでしょう。
相続内容が複雑だとさらに高額になることも。

マンションなどの不動産を相続すると、相続税だけでなく登録免許税という税金も発生します。
あまりお金に余裕がない場合は、どこまで依頼するのかも含めて、一度司法書士に相談することをおすすめします。

2. マンション相続手続きと、よくある疑問

次に、マンション相続をするための各手続きとよくある疑問について、簡単にご説明します。

各手続きについて

相続人や相続財産の調査・確定(遺言書があれば、そちらを確認)

まずは、相続人が誰で何人いるのか、また相続財産は何かを確認します。
相続人は配偶者や子供、兄弟姉妹などで、誰が相続人になるのかは民法で決まっています。
相続財産は経済的に価値があるもので、プラスの財産もあれば借金やローンなどのマイナスの財産もあります。

生前に遺言書が作成されていれば、その内容が優先されます。

遺言書は形式によっては、家庭裁判所の検認が必要になります。
検認の申し出には相続人と被相続人全員の戸籍謄本が必要で、申立人は必ず検認に立ち会います。
このように、遺言書によってはすぐにその内容を確認できるわけではないので、遺言書があるかどうかは早めに確認をしましょう。

相続の方法を決める(法定相続・遺産分割協議)

遺言書がある場合はその内容に従いますが、そうでない場合はどのように相続をするのか決めなければいけません。
一般的には、「法定相続」「遺産分割協議」の2つの方法があります。

最も多いのは「遺産分割協議」で、相続人全員で話し合って決める方法です。
相続人全員の合意が必要で、分割協議書も作成するため、司法書士にサポートしてもらった方がスムーズに進められます。
自分たちだけでも協議書は作成できますが、相続人全員の実印を押印する書類で、間違えがあると作成し直すことになるので慎重に作成しましょう。

「法定相続」は民法に決められていることに従って相続財産を分割をします。
一見この方法が簡単に思えますが、相続財産が預貯金だけでなく不動産などがある場合は煩雑になります。

法定相続でマンションを相続する場合、マンションは相続人共有の持分になります。
共有持分だと、将来売却する際に全員で話し合いや手続きをする必要が出てきます。
また、所有者の1人が亡くなるとその持分だけ相続され、どんどん複雑になることも。

そのため、マンションなどの不動産を相続する場合は、遺産分割協議が多くの方にとってやりやすい方法です。

相続の登記申請書を作成

マンションなどの不動産を相続する場合は、法務局に登記の申請をする必要があります。
被相続人の名義になっている土地や建物を、相続することになった人へ名義変更します。

法改正により、2024年4月から相続登記は義務化されます。
相続を知ってから3年以内に登記をしないと、正当な理由がなければ10万円以下の過料が科されることがあります。

相続登記には戸籍謄本や印鑑証明書、遺産分割協議書など様々な書類を添付します。
相続登記の申請方法については、後ほど解説します。

相続税の申告と納付

相続税は、相続の開始があることを知った日の翌日から10か月以内に申告しなければいけません。
登記申請よりも必要書類が多いので、早めに準備をしましょう。

相続税の申告を専門家にお願いする場合は、司法書士ではなく税理士になります。

なお、相続税は基礎控除額の範囲内であれば、支払う必要はありません。
具体的な計算方法については、後ほど解説します。

以上の手続きの流れは、マンション以外の不動産を相続した場合も同様です。
また、マンションの場合は管理組合に「区分所有者変更届」を提出する必要もあります。
マンションごとに様式などは異なるので、管理組合や管理会社に相談しましょう。

マンション相続に関するよくある疑問

住宅ローンが残っている場合は?

相続するマンションについて、住宅ローンが完済されていない場合はどうなるのでしょうか。

被相続人が団信に加入していれば、手続きを行うことで保険会社が代わりに残りの住宅ローンを返済します。
なお、保険請求には期限がありますので注意してください。

団信に加入していない場合は、相続人に住宅ローン残債の支払い義務があります。
住宅ローンの支払いが難しい場合、「相続放棄」をするという方法があります。
ただし、相続放棄をすると、預貯金など他の相続財産もすべて受け取ることはできなくなります。

相続放棄はしたくないけれど住宅ローン返済が難しい場合は、マンションの売却を検討しましょう。
マンションの売却については、こちらでも解説しています。

夫婦でローンを組んでいる場合はどうなるの?

夫婦や親子で「ペアローン」「連帯債務」「連帯保証」のいずれかによる住宅ローン契約をしていて、どちらか一方が死亡した場合はどうなるのでしょうか。

まず「ペアローン」であれば、亡くなった人の契約については団信により返済されますが、もう1人の契約はそのまま続きます。
例えば夫が3,000万円、妻が2,000万円でペアローンを組んでいて夫が死亡した場合、夫の3,000万円のうちの残債は団信で返済されますが、妻の2,000万円のうちの残債は今後も返済しなければいけません。

「連帯債務」では、団信に加入していた主たる債務者が死亡した場合は、残債は団信により返済されます。
しかし、連帯債務者は団信に加入できません。
そのため死亡したのが連帯債務者である場合、住宅ローンはそのまま残ることになります。
例外的に、フラット35では夫婦両方が団信に加入できる「夫婦連生団体信用保険」制度があります。

「連帯保証」についても、団信に加入できるのは主たる債務者のみです。
主たる債務者が死亡した場合は団信により残債が返済され、連帯保証人が死亡した場合は住宅ローンがそのまま残ります。

連帯債務者や連帯保証人が死亡した場合、それぞれの地位も相続の対象になります。
何も手続きせずに放っておくと住宅ローンの契約違反になることがあるので、必ず金融機関に相談しましょう。

3.マンション相続登記を申請する

それでは、マンションなど不動産の相続登記を申請する方法を見ていきましょう。

必要書類

一般的な相続登記で必要な書類は以下のとおりです。
今回は、遺産分割協議で分譲マンションを相続したケースを想定しています。

  • ● 登記申請書
  • ● 被相続人の出生から死亡するの連続した戸籍謄本
  • ● 被相続人の住民票除票(本籍地の記載があるもの)
  • ● 相続人全員の戸籍謄抄本(被相続人の死亡後に取得したもの)
  • ● 遺産分割協議書
  • ● 相続人全員の印鑑証明書
  • ● 相続関係説明図
  • ● マンションを取得する人の住民票
  • ● 他の相続人からの登記申請に関する委任状
  • ● 最新の固定資産評価証明書

なお、登記申請書には相続する不動産の所在や地目などを正確に記入する必要があります。
そのため、事前に相続する不動産の「登記事項証明書」を取得しましょう。

登記事項証明書には不動産番号が記載されています。
申請書にこの番号を記入すれば、所在等の記載は省略することができます。

登記申請書の書き方

登記申請書や遺産分割協議書などの記入方法は、法務局のHPに記載されています。

参考:不動産登記の申請書様式について

しかし、登記申請に慣れていない人は、記載例だけで完璧な登記申請書類を作成するのは難しいです。
また、登記されている被相続人の住所が古いケースや、ローンを支払い終わっているにも関わらず抵当権の抹消登記を申請していないケースもあります。
そのような場合は、相続による所有権移転登記以外に、別の種類の登記申請も同時にする必要があります。

そのため、事前に法務局の登記相談コーナーに行くことをおすすめします。
相談は完全予約制になっている法務局が多いので、まずは最寄りの法務局に電話をしましょう。

登記申請は、不動産の所在を管轄する法務局に対して行います。
申請する法務局が遠方の場合は、最寄りの法務局に相談してから郵送するという方法もあります。

注意点としては、申請内容に不備があると法務局に行って補正しなければ登記は完了できません。
申請内容を審査するのは登記官になるので、相談コーナーでは問題ないと言われても、後日補正や追加書類が必要なことがあります。

また、登記が完了したら「登記識別情報」という昔で言う権利証を取りに行きます。
法務局は平日の昼間しか開庁していないため、自分で登記する場合は平日に各手続きをしなければいけません。
ただし、登記識別情報や原本還付の書類を郵送(本人限定受取)してもらう方法もあります。
郵送してもらうには、登記申請書に郵送の旨を記載して、申請時に切手付きの返信用封筒を提出することが必要です。

4.マンション相続時の税金

次に、マンション相続時の税金について詳しく見ていきましょう。
マンションを相続する場合に支払う必要がある税金は、以下の2つです。

  • ● 登録免許税
  • ● 相続税

登録免許税

登記申請時には、登録免許税を印紙で納付します。
印紙は原則、現金で支払います。

免許税額は、登記申請時の固定資産税評価額を元に算出します。
被相続人の死亡時ではなく、登記申請時の最新の評価額なので、年度が異なる場合は注意してください。

固定資産税評価額は、毎年4~6月に自治体から送付される納税通知書で確認できます。
通知書が見当たらない場合は、固定資産評価証明書を発行しましょう。
ただし、この証明書を発行してもらうためには、相続関係を証明する書類が必要となります。

固定資産税評価額が分かったら、以下の計算式で登録免許税を算出できます。

土地の登録免許税
マンション敷地の固定資産税評価額×持分割合×0.4%

建物の登録免許税
マンション一戸の固定資産税評価額×0.4%

※100円未満は切り捨て

相続税

不動産のみならず、すべての相続財産に相続税が課されます。
また、死亡日から3年以内の生前贈与についても、相続税の対象となります。

しかし控除があるので、その範囲を超えなければ相続税はかからないです。

基礎控除額の計算式はこちらです。

基礎控除額計算
3,000万円+法定相続人の数×600万円

その他にも、「配偶者税額軽減」や「小規模宅地等の特例」による控除もあります。
これらの控除を受けるためには、申告書の提出が必須になります。

参考:相続税のあらまし

マンションの相続税評価額

相続税は登録免許税と異なり、土地については「相続税評価額」を使用します。
建物は登録免許税と同じで、固定資産税の評価額です。

土地の相続税評価額とは、「路線価方式」または「倍率方式」で算出します。

路線価が定められているマンションであれば、「路線価×奥行価格補正率×マンション敷地面積×持分割合」で計算します。

路線価が定められていないマンションは、倍率方式になります。
倍率方式は「マンション敷地の固定資産税評価額×評価倍率×持分割合」で計算できます。

路線価や評価倍率については、国税庁が作成したサイトから確認できます。

なお、相続税の計算方法は複雑になっていて、相続人が誰かによっても大きく異なります。
どれくらいかかるのか気になる方は、シミュレーションサイトを利用してみましょう。

相続税の申請方法や算出については税務署で一般的な相談をすることもできますが、不安な方は税理士に相談することをおすすめします。

5.相続したマンションはどうする?

ここまで、相続の手続きの流れや相続時の税金について解説してきました。
しかし、マンションは相続して終わりではありません。
マンションを相続した人は、今後どうするのか決める必要があります。

最後に、相続したマンションの今後についての選択肢を見ていきましょう。

自分が住む

被相続人と一緒に住んでいた場合は、そのまま住み続けるという選択肢が自然でしょう。

また、一緒に住んでいなくても被相続人が住んでいたマンションであれば、思い出がある人も多いと思います。
今まで別のところに住んでいても、相続したことをきっかけに住み替えるという選択肢があります。
相続登記により所有者名義は変更済なので、現在住んでいる家の売却さえ済めば相続したマンションに住み始めることは可能です。

賃貸にする

相続したマンションに住む予定がない場合は、賃貸にするという選択肢があります。

賃貸にすることで、相続人は家賃収入を得ることができます。
マンションは所有しているだけで管理費や固定資産税などを支払わなければならないので、家賃収入があるかどうかは大きいです。

また、人が住み続けることで劣化のスピードが遅くなります。

メリットしかないように思えますが、デメリットもあります。
入居する人がなかなか見つからない場合は、管理費などの維持費をすべて相続人が負担し続けることになります。
立地や築年数によっては難しいことがあるので、賃貸にするか検討するようなら早めに不動産会社に相談しましょう。

マンションを売却する

相続したマンションに住む予定がない場合、賃貸にせず売却してしまうという選択肢もあります。
賃貸の場合は空室のリスクがありますが、売却してしまえばその心配をする必要はなくなります。

思い出が残る実家であれば、売るのが惜しいと考える人もいるでしょう。
しかし、長期間空室だとマンションの劣化は進みやすく、何より維持費がかかります。
なかなか売る決断ができないからと放置すると、資産価値が下がり、いざ売りたいときに売れないということも。

そのため、マンションを相続したらそのまま放置せずに、今後どうするのか早めに決断しましょう。

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6.まとめ

今回の記事では、相続の手続きやマンション相続後の選択肢について解説しました。
マンションの相続や相続後にどうするのかは、後になって問題が起きないように早めに家族で話し合っていると安心です。

また、家族が将来相続したときに、資産価値が高いマンションであれば選択肢が広がります。

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