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住まいサーフィン編集部

[第32号]住宅ローンの借り入れ先はどう選べばいいの:FPによる住宅ローンの基礎知識

2017年02月21日

どの銀行にも住宅ローンのポスターが貼ってあるし、金利が低いネット銀行の広告もよく見かけるし、他にも借り入れるところはあるようだけど、どう選べばいいのかしら?

どこから借り入れるにしても、販売業者の担当者さんとは常にコミュニケーションを

自分に合ったものを選び、ひとつひとつ確認しながら手続きしましょう。

はじめに

気に入ったおうちが見つかり買おうと決めたら次はどこから借り入れるのかと言う問題が待っています。今はいろいろな金融機関が個人向けの住宅ローンを扱っているので、それぞれの特徴を知り、どう選んだら良いのか考えてみましょう。

質問1 みんなはどうやって金融機関を決めているのかしら?

民間金融機関と提携し「超長期固定金利 フラット35」を提供している住宅金融支援機構が2016年6月に発表した「2015年度 民間住宅ローン利用者の実態調査」は興味深く、上位3つで全回答の半数を越えています。

Q:『利用した住宅ローン決定に際して影響が大きかった媒体等』
A1位:住宅・販売業者(営業マン、店頭、営業所など) 23.4%
A2位:インターネット 14.0%
A3位:金融機関(店頭、相談コーナーなど) 12.7%
住宅金融支援機構「民間住宅ローン利用者の実態調査」

質問2 これってどういうこと?

1位の住宅・販売業者と回答された方は、マイホーム販売担当者(社)のアドバイスが決め手になったのでしょう。これには『提携ローン』が影響しているのかもしれません(後述)。
ちなみに『利用した住宅ローンを知るきっかけとして影響が大きかった媒体』という設問の回答も同じ傾向です。マイホーム選びと住宅ローン選びは同時進行なので、資金計画の入り口も販売業者、そこからご自身で調べて借り入れ先を決めるという方が多いと思われます。

質問3 提携ローンって何ですか?

マイホームの販売・仲介業者があらかじめ金融機関と提携した専用の住宅ローンです。
あらかじめ金利や貸し出し上限額が決まっているので、あらためて銀行さんと相談しなくとも購入者が条件をクリアできれば通常は借り入れられます。なお提携先は銀行とは限らず、いろいろなところがあります。

なにより融資に関係するほとんどの手間を業者さんが代行してくれるので助かります。その分コストがかかることもありますが、婚活で言えば「仲人さん」がいるようなものなので、特にはじめての借り入れでは心強いでしょう。

質問4 自分が直接銀行から借り入れるとどうなりますか?

預金を集めて貸し出す『銀行系金融機関』はそのほとんどが店舗を持っていて窓口で相談できます。貸し出しを前提にした具体的な相談が対面でできる安心感は大きいです。

しかしネット専業銀行はインターネットが基本です。営業時間や場所に制約が少ない一方、申込者にもそれなりの知識と責任が求められるので、どちらかというと借り換えなどの経験者向きかもしれません

なお給与振込や公共料金の引き落とし口座があれば、借り入れ審査が有利になり金利が優遇される場合もあります。また「イオン銀行」のように、住宅ローンを借り入れるとイオン系列店舗の買い物が毎日5%OFFになるなど、特性を活かしたサービスを提供しているところもあります。
イオン銀行HP

質問5 モーゲージバンクって言う言葉を最近よく聞きますが?

銀行のように預金口座(機能)が無く、ローン貸し出し専門の金融機関が『モーゲージバンク』です。超長期固定金利が魅力のフラット35は、母体である住宅金融支援機構が直接貸し出すのではなく、主にモーゲージバンクが取り扱っています。(最近は銀行系も増えています)

モーゲージバンクは無店舗がほとんどで、フラット35の貸し出し件数が6年連続1位の「ARUHI(アルヒ)」はリアル店舗で対面相談ができるほか、いろんな企業と提携して各種優待サービスが受けられるなどの利用者メリットを出しています。
アルヒHP

おわりに

もし勤務先独自の融資や利子補給などが使えれば、担当者が金融機関との間を取り持ってくれるのでより安心です。所属先の福利厚生にはどんなものがあるのか確認しておきましょう。

そしてどこから借り入れるにしても、販売業者の担当者さんとは常にコミュニケーションを取り、ひとつひとつの手続きを確認しながら進めてくださいね。

最後に、住宅ローンの資料に大きく出ている金利はほぼ変動型です。
変動金利は最終的な返済総額がいくらになるか分からない特徴がありましたよね?
その点は忘れずに、あなたに合う住宅ローンと借り入れ先を選んでください。

第30号 変動金利と固定金利の違いってなぁに

(本記事は記事執筆時点の2017年1月の情報に基づいて執筆されています。)
 
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Author:原 浩也(はらひろや) 先生

(CFP®(ファイナンシャル・プランナー)、基本情報技術者、宅地建物取引士,くらしとお金とパソコンのヘルプデスク『スラウギ』代表)

28年間の総合出版社勤務で情報システム、広告・販売営業、物流開発と、様々な職務を経験し5年前に早期退職。 FP資格を取得後、某大学にて中島智美さんの「マネープランニング講座」講師を務める。 また技術者として高齢者向けのスマホ、タブレット、PC講座講師をするほか、不調PC修復などの出張サポートも行っている。

同い年で共に地方出身の妻、今年社会人になった長男、大学2年の長女の4人暮らし。 結婚を機に26歳でマンション購入。長男が生まれ住み替えて現在居住中。 当コラムは、読者のみなさんがこれから経験するであろうことを、ちょっと先にやってきた私がお伝えします