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住まいサーフィン編集部

[第38号]地方公共団体の補助金に加え、「フラット35」の借入金利が一定期間下がります!:FPによる優遇措置の基礎知識

2017年09月19日

ずっと金利が変わらない超長期固定金利の「フラット35」がさらにパワーアップ!
「フラット35」を提供している住宅金融支援機構が地方公共団体と連携し、借入金利を当初数年間引き下げる制度が2018年3月31日までの申し込み分に適用されます。

「フラット35 子育て支援型・地域活性化型」では借入金利の一定期間引下げ適応が受けられます

一部の地方自治体限定で2018年3月31日までの申し込み分なのでご注意を。

はじめに

ずっと金利が変わらない超長期固定金利の「フラット35」がさらにパワーアップ!
「フラット35」を提供している住宅金融支援機構(以下、機構)が地方公共団体と連携し、借入金利を当初数年間引き下げる制度が始まりました。
2018年3月31日までの申し込み分に適用されるので、住宅購入をお考えの方はこの制度が使えるか確認しましょう。

質問1 全国どこでも使えるの?

残念ながらどこでもではなく、子育て支援や地域活性化について積極的な取組を行う全国61の地方公共団体が対象です。なお借り換えには使えません。

機構のホームページに連携する地方公共団体一覧 がありますので、住宅購入を考えている地域が該当するかどうかご確認ください。

質問2 制度の概要を教えて?

地方公共団体による補助金等の交付などに加え、「フラット35(S)」の借入金利が一定期間下がります。なお制度は2つで、どちらかひとつが利用できます。

「フラット35 子育て支援型」
若い子育て世帯が住宅を取得する、あるいは親世帯と同居または近居するために住宅を取得する場合。

「フラット35 地域活性化型」
U・I・Jターンして住宅を取得したり、地方自治体が居住を誘導している区域に移住する場合。

質問3 申し込みはどうすればいいの?

金融機関へはフラット35(S)の申し込み時に「【フラット35】子育て支援型・地域活性化型利用希望の申出書(買取型)」を提出します。
申出書は「利用要件と手続きの流れ」 ページでダウンロードできます。

地方自治体の該当事業部署には「フラット35 子育て支援型・地域活性化型利用対象証明書」を申請し、借入れの契約時までに金融機関へ提出します。

質問4 金利はいつまでどれくらい下がるの?

「フラット35 子育て支援型・地域活性化型」とも当初5年間、年0.25%金利が下がります。
ケーススタディ 金利引下げ後シミュレーション(機構HPより)

※借入額3,000万円(融資率9割以下)、借入期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし、借入金利年1.12%、2017年9月30日以前申込受付の場合
毎月の返済額・総返済額の試算(比較)
※上記総返済額には、融資手数料、物件検査手数料、機構団体信用生命保険の特約料、火災保険料等は含まれません。

※省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅へ融資する「フラット35S」はさらなる優遇制度があります。
詳しくは機構HPをご覧ください。
【フラット35】子育て支援型・地域活性化型

質問4 地方公共団体の支援制度にはどんなのがあるの?

住宅の購入補助だけでなく、空き家対策としてのリノベーション、省エネ対策のリフォームなどで税制、利子補給などの支援制度があります。

例えば栃木市では「空き家バンクリフォーム補助事業」の一環で、空き家の売買・賃貸対策でリフォームすると工事費の1/2が補助され、横浜市では「エコリノベーション」の省エネ改修補助制度により最高80万円が補助されます。

また長野県下伊那郡高森町は固定資産税が免除や軽減されるほか、町内事業者等が施工すると最大7年間適用される場合があります。
このほか山形県では地元の県産木材で住宅を新築すると利子補給されるなど、各地でユニークな仕組みが用意されています。

質問5 利用上の注意はありますか?

地方公共団体、機構ともども予算枠があり、その範囲内での適用となります。
そして2018年3月31日までの申し込み受け付け分までと、締切日が設定されている点にもご注意ください。
また制度の適用には地方公共団体による様々な条件があるので、詳しくは機構HPをご覧のうえ、各地方公共団体にお問い合わせください。

おわりに

全国的に問題が表面化しつつある空き家対策などで頭を痛めている地方公共団体は少なくありません。各地方公共団体が単独でできる対策は限られるので、「超長期固定+低金利のフラット35」を提供している住宅金融支援機構とジョイントするのは素晴らしいことだと思います。

でも全国的にみればこの制度が使えるのはまだひと握りの地方なので、期間延長とともにどんどん拡大していって欲しいものです。
それにしても今年度中で終わってしまうのはとても残念です。
いわば行政の異業種支援とも言えるこういった協業は、いろんなジャンルにもっと広がるといいですね!

(本記事は記事執筆時点の2017年7月の最新情報に基づいて執筆されています。)

Author:原 浩也(はらひろや) 先生

(CFP®(ファイナンシャル・プランナー)、基本情報技術者、宅地建物取引士,くらしとお金とパソコンのヘルプデスク『スラウギ』代表)

28年間の総合出版社勤務で情報システム、広告・販売営業、物流開発と、様々な職務を経験し5年前に早期退職。 FP資格を取得後、某大学にて中島智美さんの「マネープランニング講座」講師を務める。 また技術者として高齢者向けのスマホ、タブレット、PC講座講師をするほか、不調PC修復などの出張サポートも行っている。

同い年で共に地方出身の妻、今年社会人になった長男、大学2年の長女の4人暮らし。 結婚を機に26歳でマンション購入。長男が生まれ住み替えて現在居住中。 当コラムは、読者のみなさんがこれから経験するであろうことを、ちょっと先にやってきた私がお伝えします

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