編集部厳選!マンション知識最前線!? 不定期
住まいサーフィン編集部

[第62号]あると便利な住宅設備!!:建築士が語る住まいづくり特集

2017年03月09日

世の中には便利な設備の宣伝であふれています。どれも魅力的で、宣伝文句を聞けば欲しくなります。しかし片っ端から購入していたのでは、お金もかかりますし、収納の場所もとります。何よりもすこしずつ優れた点や機能の違いのある似たような設備を片端から購入するわけにはゆきません。本当に便利な設備とはどのようなものでしょうか。

設備はシンプルが一番

その設備が本当に便利か快適なのか、他のもので代用できないかを見極めましょう。

「こんな設備が欲しい!」の真意はなに?

本当に必要な設備を知るために、「欲しい」の内訳を少し掘り下げてみましょう。なぜ欲しい?なぜ必要?と考えていくと、本当に欲しいもの、本当に必要なものが見えてきます。途中で行き詰まったら、それはあまり必要でないということです。
  • 健康に配慮…床暖房・24時間空調・換気システム
  • 時短に配慮…食洗い機・ディスポーザー
  • 便利に配慮…太陽光発電・浴室乾燥機・たっぷり収納・追い炊き
  • 快適に配慮…多機能バス
※気になる設備があれば、項目と設備を追加してみてください

設備はどれもあれば便利です。しかし、多くは場所も取りますし、その分電気代等もかかります。本当に便利か快適なのか、堀り下げて書き出してみるといろいろ発見があります。

シンプルが一番・一つ何役もが一番

昔、クラス会で女性たちと豪華なシステムキッチンの話になったことがあります。その時の話題は、「本当に機能的なキッチンがない」というものでした。「毎日使うのに豪華な扉がついた収納はいらない」、「シンク下などはオープンでよい」…などシンプルで機能的なものがないというものでした。住宅展示場で接客しているとやはり女性はキッチンに目が行きます。設備メーカーは目を引くものを作りがちですが、冷静に使い勝手を見極めましょう。

個人的に考える「あれば便利な設備」

便利な設備は人それぞれでしょうが、個人的に便利と考える住宅設備を挙げてみます。
  • 床暖房
    東京のマンションを例にすると、南に面した室内はほぼ暖房の必要はありません。我が家では今年一度も暖房を使いませんでした。しかし北側の部屋はそれなりに寒く、暖房なしでは過ごせません。床暖房は室内の空気の上下の温度差が少なく風力も必要としないので快適な室内環境となります。
  • セントラルクリーナー
    マンションでは難しいですが、最近の住まいは高気密・高断熱で計画換気システムが導入されています。そうした中で、室内に排気しないセントラルクリーナーをセットされれば万全です。私は3年前に喘息を罹患したので、高性能の掃除機は必須になりました。普通の掃除機を空気清浄機の近くで稼働させると、空気清浄機のランプが黄色信号となりますが、高性能の掃除機であれば、緑の安全ランプのままです。
  • 食洗機
    食後はゆっくりしたいところですが、テーブルが散らかっているのも落ち着きません。食洗機はやはり働く主婦にはありがたい設備です。
  • 多機能バス
    日本人にとってお風呂は特別です。我が家は普通の小さなユニットバスですが、たまに湯船に照明を浮かべて、室内にプラネタリュウムを映し出して楽しんでいます。ミストサウナなどがあるとリラックスできそうに思います。
  • 空気清浄機
    喘息患者には必需です。

永遠のテーマ!!使いやすい収納

収納は設備とは言えないかもしれせんが、住まい中で極めて重要な要素で、リフォームする最大の理由は収納への不満だというデータがあります。設備も快適ですが、収納の快適さには及びません。

「ウォークインクローゼット」って、あこがれる人多いですね。でも最近のマンションの多くは、「狭い部屋に無理やり収納スペースを取るために、ウォークインクローゼットにならざるを得ないケースが大半です。本来はウォークインというからには、一つの部屋程度のスペースがあるべきですが、畳半分に近いスペースでもウォークインと称しているケースが多いのです。下図を見てください。納戸やウォークインクローゼットの収納力は極めて非効率なのです。死蔵スペースが多く使いにくいものです。
ウォークインクローゼット
©佐藤章子

気を付けなければならない大切なこと!!

設備は便利である一方、機械であり、危険もいっぱいあります。そのためにチャイルドロックの機能がついている機器も多くあります。事故の可能性がある設備を入れる場合は、設備の配置や間取り等への配慮が必要です。特にキッチンは危険なものがいっぱいです。独立型であればドアを付けてチャイルドロックを設置すればよいですが、対面式やアイランド式の場合は対処が難しくなります。対面式やアイランド式は小さな子供がいる家庭では人気ですが、安全面も十分に考えて導入ください。

設備はどれもあれば便利です。しかし何かで代用できたり、ほかに対処できたりできないかを考えてみましょう。便利な反面手入れの労力もかかります。プロに依頼しても機器類を隅々まできれいにすることはなかなか難しいのです。

Author:佐藤 章子 先生 (一級建築士・CFP・一級FP技能士)


写真提供:佐藤章子

一級建築士として、大手ゼネコンや住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事し、2001年に独立。2002年に『住まいと暮らしのコンサルタント事務所』ハウステージを設立。
「健全な住まいづくりは、健全な生涯設計に宿る…」をモットーに、ファイナンシャルプランニングと建築のハード面の双方から、住まい作りや暮らしを総合的にアドバイスしています。