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住まいサーフィン編集部

【2023年最新】住宅ローン減税制度を徹底解説!改正による変更点や適用条件は?

2022年10月31日

更新日最終更新日:

住宅購入を検討している人が事前に知っておきたいのが、「住宅ローン減税制度」。

住宅ローンの借り入れは高額なので、少しでも返済額を減らしたいところです。
住宅ローン減税制度をうまく利用すれば税金の一部を控除でき、実質的に返済額を減らすことができます。

この記事では、2022年に行われた改正による変更点を踏まえて、住宅ローン減税制度について解説します。
住宅ローン減税の条件や申請方法もご紹介しますので、借り入れを検討している方はチェックしてみてくださいね。

この記事を書いた人

住まいサーフィン編集部

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1.住宅ローン減税制度とは?

住宅ローン減税とは、住宅取得者がローンの金利を支払う代わりに、国が所得税や住民税の一部を控除してくれる制度です。
正式には、『住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除』と言われます。

住宅ローン控除や減税という名前が使われていますが、この記事では、以下「住宅ローン減税」と統一して表記いたします。

2022年現在、住宅ローン減税制度は確定申告した年から13年間適用されます。

住宅ローンの控除額は、住宅性能等によりますが、最大455万円です。
ただし、以下の条件が考慮されるため、満額控除される方は多くありません。

  • ● 住宅ローンの年末残高
  • ● 取得する住宅の種類(性能)
  • ● 取得した住宅の価格
  • ● 支払っている所得税・住民税額

詳しくは後ほどご説明します。
住宅ローンを利用するなら間違いなく活用した方が良い制度です。

2.2022年法改正された住宅ローン減税制度改正の変更点

2022年に改正された住宅ローン減税の変更点を解説します。

減税制度の延長

これまで住宅ローン減税は制度自体が2021年までと発表されていましたが、4年間延長することになりました。

改正前 改正後
住宅ローン減税制度は2021年まで 住宅ローン減税制度は2025年まで

改正された現在は、2025年12月末までに入居した方が対象です。
2025年中に入居し、翌年の2026年の確定申告を行えば適用になります。

控除率の引き下げ

2022年の改正で、控除率の引き下げが行われました。

改正前 改正後
控除率は1% 控除率は0.7%

今までは住宅ローン金利よりも高い1%の控除率が適用されていたため、妥当な変更点と言えるでしょう。
例えば0.5%の金利で住宅ローンを借り入れしていた方は、0.5%分の得をしていたことになります。
そこで、国が「現在の住宅ローン金利は平均して0.7%くらい」と判断し、控除率が改正されました。

もちろん現在のネット銀行の変動金利はもっと低金利ですので、控除率の方が金利より大きくなる事例は今後もあると思われます。
いずれにしても、減税されることには代わりありませんので、住宅ローン減税を活用するメリットは大きいと言えます。

控除期間が13年間に延長

税金の控除期間は、新築住宅であれば、13年間になりました。

改正前 改正後
控除期間は10年間 控除期間は13年間
(新築住宅の場合)

住宅性能が要件に満たない「その他の住宅」の場合、2024~2025年に入居すると、控除期間は10年間です。
また、控除を受けるには2023年までに建築確認を受ける必要があります。
中古住宅は住宅性能や入居時期に関わらず、以前と同じ10年間控除なので注意しましょう。

借り入れ上限額の変更

借り入れ上限額の改正も行われました。
主な変更は次の2点です。

  • ● 一般住宅の借り入れ限度額が下方修正された
  • ● 建てる住宅によって借り入れ限度額が細分化された

具体的な金額を見てみましょう。

住宅の種類(性能) 改正前 改正後
(2022~2023)
改正後
(2024~2025)
長期優良住宅・低炭素住宅 5,000万円 5,000万円 4,500万円
ZEH水準省エネ住宅 4,000万円 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 4,000万円 3,000万円
その他の住宅 4,000万円 3,000万円 0円
(2023年中の建築確認で2,000万円)

省エネに関する住宅の限度額が新設され、2022~2023年に適用する住宅なら、改正前よりも好条件で住宅ローン減税制度を利用できます。

対して、その他の一般住宅や2024~2025年に該当する住宅は上限額が少なくなるという内容でした。
2024~2025年に入居する一般住宅は、ローン控除が適用にされません。
ただし、2023年中に新築の建築確認を取った物件は、2,000万円の限度額で控除を受けることができます。

2024年以降に入居予定なら性能の高い建物を建てるか、2023年中に打合せを進めて建築確認を取得しておくと良いでしょう。
マンションについては、事前に営業の人に確認することをおすすめします。

中古住宅の場合は制度改正前と変わらず、その他の一般住宅は2,000万円の限度額が定められています。
中古の長期優良住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅は3,000万円の限度額です。

なお、限度額とは住宅ローンを借りた額だと思われがちですが、正しくは年末時点の住宅ローン残高です。

所得税や住民税の額によっては控除額がさらに下がることも。
詳しい計算方法は後ほど解説します。

参考:国土交通省・令和4年度住宅税制改正概要

その他の変更点

その他にも以下のような変更点がありました。

  改正前 改正後
所得要件 3,000万円以下 2,000万円以下
住民税の控除上限額 13.65万円 9.75万円
中古住宅の築年数制限 木造は築20年以内、
鉄骨・鉄筋などは築25年以内
登記簿上の建築日付が
1982年以降(昭和57年以降)の住宅

所得要件は2,000万円になったため、高所得者は注意が必要です。

住民税の控除上限額は3.9万円も下方修正されました。
住民税を多く払っている方は、控除される税額が少なくなります。

中古住宅に関しては、築年数が緩和されて控除が受けやすくなりました。
国が空き家になっている中古住宅市場を活性化させようとしている狙いが分かります。

3.住宅ローン減税で還付される税金

住宅ローン減税で還付される税金は、所得税と住民税の一部です。

最初の10年間の控除額

最初の10年間の控除額は、次の2つを比較して低い金額が適用額です。

  • ① 年末残高×0.7%
  • ② 所得税+住民税(住民税の上限9.75万円)

通常は①の計算によって控除額を算出して所得税から控除しますが、所得税が少なくて控除しきれない場合は②になります。

仮に、①年末残高×0.7%が20万円のケースで考えてみましょう。

②所得税+住民税(9.75万円上限)が25万円なら、20万円の方が低い金額なので「①年末残高×0.7%」の額が控除されます。
②所得税と住民税(9.75万円上限)を足しても20万円に満たない場合は、②所得税と住民税の合算額が控除の対象です。
滞りなく住宅ローンを返済していれば年末残高は毎年減っていきますので、控除される金額も少なくなります。

11~13年目までの控除額

最後の3年間は最大の控除額が80万円で、年間の控除額は次の2つの額の少ない方が適用されます。

  • ① 年末残高×0.7%
  • ② 建物の取得額×2%÷3

年末残高が3,000万円なら①は21万円、建物取得額が2,000万円なら②は33万円です。
つまり、この場合は①年末残高の0.7%が適用になります。
年末残高は年々下がるため、①が適用されるケースが多いでしょう。

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