建築家 碓井民朗の良識あるマンション指南毎月第二第四水曜日

[第91号]「二重床」「二重天井」は必要最低条件-5

2006年09月12日

碓井 民朗 ( うすい たみお )

前回までは「二重床」「二重天井」は「必要最低条件」という事柄の内の「二重床」の重要性と「二重天井」の重要性の一部についてお話致しました。

今回も「二重天井」が何故「必要最低条件」で「直天井」(じかてんじょう)よりも優れているかを詳しくお話をいたしましましょう。

「直天井」とは前回もご説明致しましたが,「直天井」は上階住戸の床スラブ下面が住戸の天井ですので,上階住戸床スラブの中に下階住戸の電気設備用(照明回路等)の配管(電線を通す鋼管やポリエステル管)がコンクリートスラブ内に埋め込まれているのです。

また再度申し上げますが,照明器具取り付けに必要な「引っ掛けシーリング」用の下地ボックスがコンクリート内に埋め込まれているので照明器具の移動も不可能です。

「直天井」は上記で御説明しました様に上階のコンクリートスラブの中に電気関係の配管(鋼管やポリエステル管等),配線を結線(つなぐ)するジョイントボックスや照明器具設置の為の「引っ掛けシーリング」用の下地ボックスが数多く埋め込まれていますのでそこ部分の床コンクリートスラブの強度が弱くなるのです。

特に上階のコンクリートスラブ内にジョイントボックス,「引っ掛けシーリング」用の下地ボックスや配線を通す配管が重なってクロスしている所が問題箇所です。

例え,コンクリートスラブの厚さが20センチでもそれらの部分はコンクリートが約5センチ強欠きこまれていまして,コンクリートの厚さが15センチ弱になってしまっているのです。

もうお分かりになったと思いますが,それらの部分は上階の床衝撃音遮音性能が落ち強度も落ちるのです。

いつも私が申し上げています様に遮音性能は重量に比例して高くなります。

コンクリートスラブの厚さや戸境壁のコンクリート壁の厚さが厚ければ重量が重くなりますので遮音性能は高くなるのです。(但しボイドスラブは除きます。)

「二重天井」ですと上階床のコンクリートスラブ内はコンクリートと鉄筋だけで空洞が有りませんので丈夫ですので床スラブの遮音性能は良いのですが,「直天井」ですと上階床のコンクリートスラブ内に電気設備配管やボックスが埋め込まれていますので,スラブにクラック(ひび)が入り易く遮音性能も落ち上階での生活音が響いて伝わって聞えてしまう可能性が高いのです。

これらの事や前回の給水給湯配管方式を考えれば,私が「二重床」は必要最低条件と言っている理由がお分かりになると思います。

次回も「二重天井」「二重床」が何故「必要最低条件」かの理由をお話致します。

PAGETOP