建築家 碓井民朗の良識あるマンション指南毎月第二第四水曜日

[第119号]フローリングに注意

2007年04月03日

碓井 民朗 ( うすい たみお )

今回は住戸内のフローリングの貼り方に依ってそのマンションの設計者の力量が判断できる事を具体的に御説明致します。

マンションの床材と言えば今やフローリングが当然となっていますが,このフローリングの貼り方にはルールが有ります。

その,ルールというのは部屋の長辺方向にフローリングを流して貼るという事で,これは「設計のイロハ」です。

通常のマンションの「田の字型」住戸プランは大きく分けて「縦長リビング」タイプと「横長リビング」タイプの2タイプです。

「縦長リビング」タイプの住戸の場合は玄関から廊下,リビング内までフローリングの流れを通して貼るのが良いのです。

その理由は廊下の流れがリビングの長辺方向と一致しているからです。

しかし「横長リビング」タイプの住戸の場合は玄関から廊下の流れに沿ってフローリングを貼りリビングの出入口で見切り,そこから先の「横長リビング」の長辺方向に流して貼るのが常道です。

通常,「横長リビング」タイプの住戸はリビングの長辺が,廊下に直角にぶつかりますのでリビングの出入口扉の下でフローリングの流れを直角に変更すれば良いのです。

私は「横長リビング」の場合のフローリングの見切り方はリビングの出入口扉下に幅約1センチ~2センチ程度のフローリングと同色の木材を沓摺(くつずり・扉枠の下枠)状にして設置して見切っています。

この様にすれば大抵の方がリビングにいる時は出入口の扉は閉めていますので,フローリングの流れがリビングの出入口の所で変わっても違和感は生じません。

それよりも「横長リビング」で短辺方向にフローリングを流している方がとても違和感を
感じます。

よくモデルルームが「横長リビング」タイプ住戸で,玄関,廊下から「横長リビング」の短辺方向に通してフローリングを流しているのを見かけます。その設計者に理由をたずねると「廊下からのフローリングを連続させたかったからです。」との回答が返ってきますので,私はその設計者にリビングへ同行して頂き「フローリングを短辺方向に流して貼っている事に違和感を感じませんか?」と再度質問致しますと無言です。

住戸の床の仕上げであるフローリングの貼り方(流し方)の常識も知らない設計者の設計したマンションは,他の部分の設計でも「設計のイロハ」の教育を受けていない場合が有りますので注意が必要です。

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