沖有人のコラム 不定期
沖 有人

[第622号]住宅ローン控除縮小は軽微、それよりも大事なキャッシュの生み出し方

2021年12月16日

不動産業界のロビー活動はいつも凄いなと思う。
会計検査院が指摘するまでマイナス金利を見て見ぬふりをさせ、
減税枠を1%の7掛けにしたら、期間を1.3倍にさせて相殺し、
こっそりローン残高も4000万円から5000万円に増額して、
結果として縮小どころか、中古は増額していたりする。

どれだけのお金が税調関係者に支払われているか分からないが、
かなり集金力のある役回りであることは間違いないだろう。
その恩恵は不動産業界だけではなく、持ち家購入者に直接的に流れるのだから、
文句が言えた義理ではないが、私が何か釈然としないのは
既得権益を守る意識が強過ぎるからだと思う。

今回の制度改正は4年間に及ぶ。
今年よりも来年の売れ行きが悪くなるので、4年にすると来年の出し手が無くて困りそうだが、
来年は来年で別の陳情をするのだろう。

最後に、「この制度が無くなるのか?」という質問をよく受けるので、言っておこう。
このローン控除の制度はもう無くなることは99%ない、と言うことだ。