「沖レク」マンション購入一問一答

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6. 住宅ローンの選び方

この章では、住宅ローンの選び方と借り方の原則についてご説明する。住宅ローンを上手に選ぶことは、物件を選ぶことと同じくらい重要である。契約前に知っておくべき重要なポイントと契約後の注意点を押さえておこう。

Q1.
「住宅ローンは
どのくらい借りられるか」

A. 年収の8倍程度がベター

まずはじめに知っておきたい、適切な住宅ローン借入額と住宅ローンを選ぶ際の金利の重要さについて。

マンションを買うべきか迷ったら

そもそも、自分がどのくらいの金額の物件を買うべきか。その答えは、住宅ローンが引けるかどうか、というところで決まる。いくら借りられるかを決めるのは自分ではなく、金融機関であり、様々な住宅ローン商品も用意されているため、金融機関との対話を通して決まっていく。
そういった意味ではまず初めに住宅ローン仮審査を実施しておくと、自分の借りられる金額を事前に把握した上での物件探しができる。
そして、自分の欲しいマンションが見つかり、住宅ローンが組めるのであれば、ぜひ購入することをおすすめする。
簡単に借入額の目安をお伝えしておくと、年収の25%以内の返済比率であれば返済に無理がないと言われている。年収が例えば、キリの良い数字で1,000万円として、年間250万円を返済するという話であれば、延滞する人の率も非常に低くなっている。

自分はいくら借りられるのか

自分はいくら借りられるのか

では実際、自分がどれだけ借りられるか。その答えは年収の8倍程度となっている。
上の図のように、年収の10倍以上借りることも可能であるが、多く借りればその分、返済リスクが上がっていくことから8倍程度が適切である。
そして、その年収の8倍のローンと頭金、家族からの贈与等を組み合わせて、適正な購入金額を決めるという話になっていく。

低金利のメリット

金利の過去10年分の推移

金利は2008年をピークにずっと下がってきており、一旦は0%を超えてマイナス金利になったが、現在は0%付近を保っている。今後もほぼ0に近いところで推移していくだろう。
そこで、住宅ローン金利の選択は、物件を選ぶのと同じくらい重要になってくる。

返済額の減少幅

金利が2%から1%へ下がることにより、どのくらい物件の価格が上がると同じ返済額になるかというと、17%である。金利が1%下がれば同じ返済額で済む。
金利が下がると物件価格が上がっても返済額は同じとなる。
金利の0.1%の違いを知っておくと、自分にとって大きなベネフィットがあると押さえておこう。
例えばの話、消費税率が2%上がると、物件価格の1%が上がることになる。しかし、金利が0.1%下がってしまえば、それ以上の効果が出るのである。

住宅ローンの元本の減り方

物件価格と元本の下落率

低金利のさらなるメリットとして、物件の価格の下落率よりも、元本の減少の方がスピードが速くなるいうことが挙げられる。低金利だからこそ、元本の減り方が早く、資産もどんどん増えていくのだ。

住宅ローン控除の実態

住宅ローン控除の実態

現在、金利は1%を切っている場合がほとんどで、例えば金利が0.6%だとすると、4,000万円借りていたとしても実際の金利の年間支払い額は大体24万円くらいである。
これに対して、住宅ローン控除が還付されて40万円が返ってくるので、差し引きして年間16万円分がもらえるような仕組みとなっている。
金利が1%を下回る現在、住宅ローンを借りると反対にお金がもらえてしまうというお得な話になっているのである。

フラット35のスピード仮審査

最後に、住宅ローンの事前仮審査をご紹介する。
住宅ローンをどのくらい引けるのかを知るために、ARUHIという住宅ローン専門の金融機関でクリック事前審査を行っている。
ARUHIは主に住宅金融支援機構のフラット35を扱っている。フラット35は、比較的審査のハードルが低く、ローンが引きやすい。
実際には、フラット35よりも変動金利の方が金利が低くなる場合もあるが、どのくらい借りられるのかを事前に把握しておくことは皆さんが購入するときの一番の試金石となる。家探しの前にクイック事前審査を一度試してみてはいかがだろうか。

Q2.
「住宅ローンの借り方の鉄則は」

A. 金額を多く 期間を長く 金利を低く!

個人で多額のローンが組めるのは不動産だけ!住宅ローンの借り方の鉄則を知り、賢い選択にお役立てください。

住宅ローンと「身の丈」の関係

前提として、今の年収が自分の身の丈という話をすると、その「身の丈」に応じて住宅ローンの借入額が決まる。 そして、個人で多額のローンが組め、さらに低利で借りられる商品は、不動産だけである。それ以外でお金を借りる場合は、金利も非常に高くなる。
この前提を踏まえたうえで、それぞれの将来の選択をしていかなければならないが、皆さんには10年後の年収を上げていくということにコミットしてほしい。
住宅は今の身の丈に合わせて購入するわけであるが、10年後はもっと自分の年収が上がっていると考えれば、身の丈はどんどん変化していくことになる。現状を最低線として、どんどん身の丈が上がっていくという考え方を持っておいてほしい。それが自宅を購入して成功していくために欠かせない一番の要素なのである。
そして、10年後に自分の年収が上がったという方には、身の丈が成長したから引っ越しましょうという考え方に立っていただきたい。勿論、その一方で、いざというときには自宅を売却して含み益を出すことも可能である。
そもそも、資産性の高い自宅を購入することをおすすめしている一番の理由には、「自宅が自分の人生の足枷にならないようにする」ということがある。
自宅購入をひとつのきっかけとして、更なる上昇志向を持っていただきたいというのが私の切なる願いである。

住宅ローンの借り方の原則

住宅ローン借り方の3原則

一つ目は、金額を多く借りる。高いものを買わせようと言っているわけではない。資産性が高い物件は、比較的高額になってしまう場合が多い。具体的には、都心寄り・駅近・大規模・タワーマンション・ファミリータイプといったような条件になる。高額の方が資産性が担保出来やすいので、なるべく多く借りて良い物件を買った方が良いといった話だ。なので、借りられる限度額まで一旦検討することはやっていただきたいところである。
ちなみに、住まいサーフィンでは各物件ごとに「儲かる確率」を表示しているが、実際に儲かる金額というのは、この物件の購入価格に比例する。例えば、5,000万円の物件を買うか1億円の物件を買うか。のちに10%値上がりした場合に、実際の利益は500万円と1,000万円の違いとなる。そのため、儲かる確率が高い物件の場合は、それに対して大きく価格を張っていった方が、その分値上がり幅も大きくなると考えておいていただきたい。

二つ目は、返済期間は長く取ろう。住宅ローンは借りた後に期間を延ばしてもらうことが難しい。最初に25年ローンで借りておいて、返済が苦しくなったから35年にしてくださいと言っても、金融機関は返済期間を延ばすことを許容していない。35年のローンを25年に変更することは可能であるが、後から長くすることは出来ないため、一旦は長めに借りておくべきである。長めに借りて、自分の返済する金額が無理のない範囲にしておくのが大事になってくる。

三つ目は、金利を低く。最後は非常に当たり前の話であるが、今は史上最低金利であり、この金利はこれ以上下がらないと決まっているので、その中でも良い条件の住宅ローンを探すことが非常に重要になっている。

Q3.
「変動金利・固定金利どちらを
選ぶべきか」

A. 変動金利を選ぶべし

住宅ローンは短いスパンで比較して、コスト重視で選択すべき!この項では、住宅ローンの借り方についてご説明する。

住宅ローンは変動か、固定か

先ほどまでで、金利が低い方が良いというお話しをしてきた通り、大前提として金利が低いに越したことはない。しかし最優先としては、実際にローンが借りられるのかがどうしても大事になってくる。金利の低い住宅ローンは審査基準が厳しい可能性があり、なかには断られる場合も勿論あるが、めげてはいけない。

金利が低い住宅ローンを借りたいという中で、当然のことではあるが、変動金利の方が固定金利よりも当初の金利が低く設定されている。そして、そして、それが0.1%の金利差であっても、総返済額は1~2%変わってくる。 2019年10月に消費税が10%に改定された。2%の増税となったわけであるが、これは建物に対してのみ2%の増税となり、土地代にはかかっていない。消費増税分はそれなりに大きな金額にはなるが、それよりも金利が0.1%変わってしまえば、増税分を相殺するだけの価値がある。物件の価格や税制だけに注目するのではなく、金利についても同じくらい重要視しておいていただきたい。
また、35年ローンというと、35年のスパンで考えがちであるが、実は、35年ローンを購入当時の返済額で律儀に返し続ける人は少ない。後に金利が大きく上がりそうといった場合は、ローンの借り換えも出来るので安心してほしい。
当面のスパンでいうと、5年10年先くらいまでを想定して、返済に無理のない金利の低い住宅ローンを選ぶべきである。
その意味で、固定金利よりも金利の低い変動金利を選ぶことをおすすめする。

住宅ローンはコストで選ぶ

住宅ローンの選定にあたっては、金利だけで判断するのではなく、保証料や繰り上げ返済の手数料、団信がついているかいないか、といった諸費用も全て含めた上で損得計算してほしい。そして、トータルの費用が一番安いものを選ぶべきである。
正直、住宅ローンを借りる金融機関というのは、その時だけの関係である。私自身も、住宅ローンを現在借りているところは、その支店に一度しか行ったことがない。今後も何かお付き合いがあるというわけでもないので、金融機関との付き合いを律儀に考えるのではなくて、あくまでもコスト重視で考えていただいた方が良い。

そして、その意味で今一番安いのはネット銀行である。諸費用込みの金額だけでなく、金利も一番安く設定されていることが多い。次に都市銀行、地方銀行、フラット35と続く。

Q4.
「ローン契約者が亡くなった場合、
どうなるか」

A. 債務免除され、その後のローンを支払う必要は無い

最後に、これまで説明してきた団信や保証料等、住宅ローン契約の前に必ず覚えておくべき7つの知識をご紹介。

団信1.団信(団体信用生命保険)
住宅ローンを借りる際に加入する生命保険で、ローン契約者が亡くなった場合に一切の債務が免除される。
万が一、不慮の事故等で契約者が亡くなってしまった場合にも、残された家族はその後、ローンを1円も払わずに自宅に住み続けることが出来る。
自宅購入の際に、団信に加入するかしないかを検討し、同時に現在加入している生命保険の契約内容や本当に必要か?等を改めて見直す機会としてもよいだろう。
保証料2.保証料
史上最低金利と言われている現在、住宅ローンの金利は非常に安く感じられるが、同時に「保証料」が付く。そして、実は保証料がけっこう高額であるという話もよくある。
保証料というと自分(契約者)のリスクヘッジのための料金と考えてしまうが、実をいうと、銀行側の都合で支払うものであり、これによる借入側のメリットは特にない。
ネット銀行の場合は保証料がゼロ円という場合もあるので、金利と合わせて保証料の金額もチェックしておくとよいだろう。
返済額の変動について3.返済額の変動について
変動金利の場合、金利が変動するため、それにより返済額も合わせて変わる。具体的な変動の仕組みはこうだ。
まず、金利は半年ごとに変わる。それに応じて自分の返済額は変動していくこととなる。返済額は5年おきに最大1.25倍までというルールがあり、急激に返済額が上がりすぎることのないようになっている。
しかし、返済中に金利がどんどん高くなっていく場合、元本を一切返せずに、金利だけ払っているといった事態にもなりかねない。その場合は、早い段階で固定金利に組み替えるなどのローンの見直しをおすすめする。
繰り上げ返済4.繰り上げ返済
住宅ローンの繰り上げ返済は、金利1%以上の人はやってもよいだろう。
以前は、金利が2%以上の人には積極的に繰り上げ返済を進めていた。理由としては、例えば100万円を繰り上げ返済した場合に、2%の金利がつく運用商品を購入したのと同じ効果があるためだ。
しかし現在、金利がものすごく低くなっているため、金利2%以上の人は繰り上げ返済をするよりも、単純に借り換えをした方が良い。
また、1%未満の人に関してはローン控除で戻ってくるお金もあるため、繰り上げ返済はしない方がお得になる場合が多い。ローンの残債額が4,000万円以上あれば、その1%分の40万円がローン控除で帰ってくるためだ。
住宅ローン控除5.住宅ローン控除
上で述べた通り、住宅ローン控除は非常に重要である。
年収が3,000万円を超えない限り、住宅ローン控除の対象者となる。購入した最初の年に忘れずに還付を受けること。
残債額が4,000万円以上ある場合、年40万円が返ってくる。夫婦で借り入れしていて、残債がそれぞれ4,000万円以上あるという場合には、二人合わせて80万円が還付される。
住宅ローン控除で受け取れる金額は10年間で最大800万円。
ちなみに、10年目も4,000万円の残債額が残るローン借入額の目安は6,400万円となる。
1%の還付を受け、実際に借りている住宅ローンが0.5%という場合、これは0.5%の逆ザヤとなる。逆ザヤということはローンを借りているのに、お金がもらえてしまうというお得な仕組みとなっている。
共有名義6.共有名義
購入する自宅を共有名義にするかしないかという話と、住宅ローンの間には関連性がある。
一般的には頭金とローンを出した金額がそれぞれ半々であれば、半分半分で共有名義にする(按分する)というのが基本税制上の考え方で、税制上も共有名義にした方が有利となる。
万が一、離婚した場合の心配など、色々と深く考えてしまう人もいるかもしれないが、あくまでもお金を出した割合で按分するというように考えておく方がよい。
連帯保証7.連帯保証
例えば、夫が住宅ローンを借りて返済をしていたとする。その自宅に夫婦で入居していたが、事情により離婚するとなった場合。
もし、夫が住宅ローンの返済を滞った場合に、元妻が連帯保証人になったままであると、たとえ離婚をしていても返済の義務が発生してしまう。
そうした事態を避けるためにも、離婚の際には自宅は必ず売却しておくべきである。全ての債権債務を無くしておかないと、後々になって連帯保証の通知が来る場合もあるのでくれぐれもご注意を。
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