あなたの借入可能額 支払い可能額で住宅ローンの借入額が早わかり

はじめに

独立行政法人 住宅金融支援機構(以下、機構)の資料を基に、民間住宅ローン利用者の実態から借り入れ額について考えます。
(調査は年度によって調査会社とモニター回答者が異なります)

1.住宅ローン借り手の実態

2017年2月公表の最新「民間住宅ローン利用者 2016年度 第1回」の結果をまとめました。

A.金利タイプと変動型の固定期間内訳

金利タイプと変動型の固定期間内訳

全期間固定型は前6回調査平均の31.2%から17.3ポイントと大きく下がり13.9%、変動型は合計86.1%に伸びました。 そして変動型の固定期間内訳は10年が50.3%で、10年超も含めれば66.6%と高い占有率になっています。

B.世帯年収の分布

世帯年収の分布

トップは400万円超600万円未満で34.6%、次いで600万円超800万円未満が21.8%と、この2つで全体の半数以上を占めています。

2.住宅ローン借り入れ額の上限目安

このデータから借り手の年収、金利、年間返済負担率を下記のように設定し、元利均等返済で住宅ローン借り入れ可能額の上限をシミュレートしました。

  1. 1.借り手の年収:400万超800万円未満
  2. 2.金利1:フラット35の金利1.1%(融資率9割以下、返済期間:21年以上35年以下)※2
  3. 3.金利2:メガバンクの金利3.00%(店頭金利、変動型10年固定)
  4. 4.年間返済負担率(年間返済額の年収割合):35%(フラット35の上限)
年収別 借り入れ可能額(単位:万円)
年収 1.10% 3.00%
25年 30年 35年 25年 30年 35年
400 3,058 3,575 4,065 2,460 2,767 3,031
500 3,823 4,469 5,081 3,075 3,459 3,789
600 4,588 5,363 6,098 3,690 4,150 4,547
700 5,352 6,257 7,114 4,305 4,842 5,305
800 6,117 7,151 8,000 4,920 5,534 6,062

3.住宅ローン借り入れ額の目安

さらに金利タイプ別返済負担率の分布を見ると、年間返済負担率は変動型では「年収の15%超20%以内」、全期間固定型では「年収の10%超15%以内」を選んだ人が最も多いです。

そこで年間返済負担率を年収の20%と仮定し、返済月額から再シミュレートしました。
例)年収400万円の返済月額:400万円÷12月×0.2≒6.6万円/月(小数点2位以下切捨)

年収別 年間返済負担率20%の借り入れ可能額(単位:万円)
年収 月額 1.10% 3.00%
25年 30年 35年 25年 30年 35年
400 6.6 1,730 2,022 2,299 1,391 1,565 1,714
500 8.3 2,176 2,544 2,892 1,750 1,968 2,156
600 10.0 2,621 3,065 3,484 2,108 2,371 2,598
700 11.6 3,041 3,555 4,042 2,446 2,751 3,014
800 13.3 3,487 4,076 4,634 2,804 3,154 3,455

この調査結果から読み取れる住宅ローン利用者の実態は、貸し出し上限額のおよそ6割を実際に借りているようです。

年収が多ければもう少し負担率を上げて良いかもしれません。その一例です。

年収別 年間返済負担率25%の借り入れ可能額(単位:万円)
年収 月額 1.10% 3.00%
25年 30年 35年 25年 30年 35年
1000 20.8 5,453 6,375 7,248 4,386 4,933 5,404

4.ボーナス月返済は使わずに繰り上げ返済に充てる

ボーナス月返済を組み合わせると毎月返済額は減らせます。
しかし、ひとまずボーナス月返済は置いておき、その分を繰り上げ返済用の余裕資金として貯めてはいかがでしょうか?

この「超」低金利(と社会情勢)がどうなるか分からないということもありますが、毎年2回の固定月返済より、こちらのほうが柔軟に対応できるからです。

なお「毎月の返済額が多いから」という理由でボーナス返済を考えるのは、できれば避けた方が無難と思われます。その場合は資金計画の見直しをお勧めします。

5.変動型は金利上昇に注意!

変動型は固定期間終了とともに優遇金利が終わり、金利が上がることがあります。
参考までに10年固定期間終了後の残高はこうなります。(千円以下四捨五入)

金利 3.00% 10年後の元金残高と元金返済額(単位:万円)
年収 月額 当初借入額 元金残高 これまでの元金返済額
25年 30年 35年 25年 30年 35年 25年 30年 35年
400 6.6 1,391 1,565 1,714 955 1,190 1,391 436 375 323
500 8.3 1,750 1,968 2,156 1,202 1,496 1,750 548 472 406
600 10.0 2,108 2,371 2,598 1,448 1,802 2,108 660 569 490
700 11.6 2,446 2,751 3,014 1,680 2,091 2,446 766 660 568
800 13.3 2,804 3,154 3,455 1,925 2,398 2,804 879 756 651
金利 1.10% 10年後の元金残高と元金返済額(単位:万円)
年収 月額 当初借入額 元金残高 これまでの元金返済額
25年 30年 35年 25年 30年 35年 25年 30年 35年
400 6.6 1,730 2,022 2,299 1,095 1,421 1,730 635 601 569
500 8.3 2,176 2,544 2,892 1,377 1,787 2,176 799 757 716
600 10.0 2,621 3,065 3,484 1,658 2,153 2,621 963 912 863
700 11.6 3,041 3,555 4,042 1,924 2,498 3,041 1,117 1,057 1,001
800 13.3 3,487 4,076 4,634 2,206 2,864 3,487 1,281 1,212 1,147

10年経過しても元金は半分以上残っており、借り入れ期間が長いほど多くなります。
このとき金利が上がっていれば、元利均等返済なら、最悪、利息が払いきれずに先送りされ、元金は減らずに返済額が上がる場合があります。元金均等返済なら早ければ次回から返済額が急増します。

このように変動型には潜在リスクがあるので、固定期間終了時の元金残高と金利動向には十分に注意しつつ、繰り上げ返済のタイミングを考えましょう。

6.全期間固定型は金利下降時に借り換えも

低金利の全期間固定型ならライフプランを考えて繰り上げ返済すれば良いでしょう。
金利の上昇具合によっては繰り上げ返済せず、その分を資金運用に回す選択もあります。逆に金利下降時には借り換えも選択肢に入れてください。

7.住宅購入後に増加する出費にも注意!

家を購入すると賃貸には無かった固定資産税(と都市計画税)が発生します。
また管理費や修繕費は増えるのが普通ですし、フラット35の団信保険料の年払い分など、新規出費分も確認しておきましょう。

もし、団信の他に各種の医療保険オプションなどの加入を考えているのであれば、ご契約中の保険契約との重複は避け余計な出費にならぬよう見直しましょう。住宅ローンを借り入れた後も、定期的に返済計画の見直しをお忘れなく。

※当記事のシミュレーションは実際の確定数字ではありません。正確な数字は借り入れ先でご確認ください。

(本記事は記事執筆時点の2017年2月の情報に基づいて執筆されています。)

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