櫻井幸雄が見たマンション市況&狙い目物件 狙い目マンションはこれだ!
都心新築マンションは、水面下で「高止まり」に

都心マンション、それも一等地とよばれる場所に建つマンションの高額化が止まらない。坪単価(3.3m2あたり)1000万円のラインを越えるマンションが登場したのが、今年の初め。その後、坪単価で1000万円を大きく超えるマンションが売り出されている。が、表に出ることは希。多くの「1000万円超マンション」は、表に出されず、アンダー(水面下)で限られた人だけを対象に販売されている。

これには、2つの理由がある。

まず、「現在、都心物件が減り、坪単価が1000万円を超えるマンションの多くは小規模であること」。大々的に広告を打つ費用がないわけだ。1戸あたりの分譲価格は3億円以上でも、総戸数は20戸とか、30戸という規模。これでは、広告宣伝費も限られる。

一方で、「3億円以上のお金を出せる人は限られる」という実状があり、それが二つ目の理由となる。結果、限られた人を対象に、従来とは異なる売り方をしようとする。

以上の理由から、「アンダー」という売り方が広まったわけだ。

一般のマンションのように、新聞にチラシを入れたり、インターネットに物件のホームページを立ち上げることはない。そのような広告活動を行わず、「この人だったら、買ってくれるかもしれない」という人だけに的を絞り、個別販売方式がとられるわけだ。

「この人だったら」とターゲットになるのは、これまで複数の高額新築マンションを購入している人や検討したことがある人など。いわゆる富裕層である。

富裕層は、銀行にお金を預けるより都心マンションを買ったほうが有利と考える。もともとお金に困っていないので、短期間で売却する気はなく、値上がりするまで待つ。もし、値下がりすれば、再び値上がりするまで待ち続ける。場合によっては20年でも30年でもセカンドハウスとして待ち続ける体力があるので、損をする可能性が少ない。銀行に預けているよりお金が増えるわけだ。

事実、都心の小規模高額マンションは、中古の売り物が出ることは希。滅多に売り物が出ないので、値下がりしにくいマンションとの評価が生まれている。

ここまでの動きをチャート化すると、「都心高額・小規模マンションが希少化し、一部の限られた富裕層が買う」→「購入者は中古で手放す気はなく、特に値下がりする時には絶対売らない」→「資産価値が高まる」→「富裕層は別の都心高額・小規模マンションを買い足す」となり、アンダーで一部の富裕層にだけ販売を行う手法が定着しているのだ。

都心一等地は高止まりだが、準都心と郊外は異なる動き

従来のマンション市況は値上がり時期と値下がり時期を繰り返してきた。ある程度まで値段が上がると、購入できる人が減り、売れ残り物件から値下がりが始まる。そこからしばらくは値下がり局面が続くわけだ。

ところが、都心一等地で新規分譲物件が減り、「アンダー」の売り方が広まると、値下がりが生じにくくなる。売れ行きがわるくなれば、しばらく寝かせておけばよいと不動産会社は考える。慌てて値下げする必要がなくなるので、値下がりの動きが出てこないわけだ。

私は、1年ほど前から、都心マンションは値上がりの後、高止まりする、と予測している。その動きが現実的になってきた、とみるべきだろう。

しかし、高止まりするのは、都心の一部高額物件の話。多くの購入者を対象にする準都心・近郊外のマンションは、際限なく上がるわけではなく、ある程度のところで価格上昇は頭打ちとなる。

準都心・近郊外物件では、一部地域でのみ分譲価格が大きく上昇している。この一部地域では、「頭打ち」水域に近づいていると私はみている。これ以上分譲価格が上がれば、購入者が離れる。そのギリギリのところに達しているので、様子見が始まっているようだ。

こうなると、気になるのは、準都心・近郊外で、まだ値段が上がっていない場所の動き。準都心であれば、新築3LDKが5000万円台で購入できる場所、近郊外であれば新築3LDKが3000万円台とか4000万円前後からの設定になっている場所だ。

それらもやがては上がり始める。そうなる前が、購入のチャンス。この「購入のチャンス」は、そろそろ終わりに近づいている。私にはそう思えてならない。

→ 2017年冬〜春のレポート    → 2016年秋〜2017年冬のレポート    → 2016年夏〜秋のレポート
住まいサーフィンレポートとは?
実際に販売センターを見て回り、マンションの「今」情報を提供
年間200件以上のマンション、建売住宅を見て回る住宅ジャーナリスト櫻井幸雄。実際に歩き、目で見て、耳で聞き集めた情報には、数字の解析だけでは分からない「生々しさ」があふれている。
 この新鮮情報を「住まいサーフィン・レポート」としてまとめて主要マスコミに配布。あわせて、住まいサーフィン上でも公開する。住まいサーフィン上ではレポートとともに、旬の狙い目物件も紹介。マンション購入のアドバイスとする。

住宅ジャーナリスト櫻井幸雄の経歴
1954年生まれ。1984年から週刊住宅情報の記者となり、99年に「誠実な家を買え」を大村書店から出版。
以後、「マンション管理基本の基本」(宝島社新書)、「妻と夫のマンション学」(週刊住宅新聞社)、「儲かるリフォーム」(小学館)などを出版。
最新刊は「知らなきゃ損する!21世紀マンションの新常識」(講談社刊)。
テレビ朝日「スーパーモーニング」の人気コーナー「不公平公務員宿舎シリーズ」で住宅鑑定人としてレギュラー出演するほか、「毎日新聞」で、住宅コラムを連載中。「週刊ダイヤモンド」「週刊文春」でも定期的に住宅記事を執筆している。
◇ オフィシャルサイト:http://www.sakurai-yukio.com

PAGETOP

新築・中古の価格相場を知るには

無料会員登録