2018年夏から秋 櫻井幸雄が探した狙い目マンション 2018年夏から秋 櫻井幸雄が探した狙い目マンション

2018年の夏から秋にかけて購入可能なマンションのなかから、狙い目と評価される物件を私の視点からピックアップした。

ブリリア向ヶ丘遊園

東京建物、ワールドレジデンシャル、三信住建

総戸数82戸で、決して目立つマンションではない。地元の人たちは注目しているが、他エリアでは、その存在を知らない人も多い。しかし、スルーしてしまうのは惜しい、と思われるマンションが「ブリリア向ヶ丘遊園」だ。

その建設地は、小田急線の急行停車駅「向ヶ丘遊園」駅から徒歩5分。電車に乗れば、「新宿」駅まで17分、「渋谷」駅まで13分の所要時間なので、通勤にも便利なマンションである。駅周辺には大型スーパーマーケットなど商業施設が集積しているので、生活利便性も高い。そして、建設地は広大な生田緑地に近接するため、豊かな緑・自然が身近な生活が実現する。

同マンションの特徴をさらりと説明すると、以上のようになる。

しかし、実際に取材をすると、その裏に隠れた長所がみつかった。

まず、最寄り駅の「向ヶ丘遊園」駅から「新宿」駅に向かうと……。

朝の通勤時間帯も混雑度が緩やか。今年3月に複々線化が完了してから、小田急線はラッシュが緩和されている。ガラガラというわけではないが、急行電車でも新聞が読めるくらいの余裕がある。並行する東急田園都市線や京王線と比べると、明らかにストレスが少ない。「新宿」駅が近づくと、電車が頻繁に停車する朝の“電車渋滞”も今は起きない。

その「向ヶ丘遊園」駅まで、ほぼフラットな道で徒歩5分なので、朝の通勤負担を軽減させたい、という人は要注目の立地条件である。

建物の魅力も大きい。

まず、外観デザインがよい、シャープな直線を活かしたフォルムで、バルコニーのガラス手すりに一部色つきガラスを用いるなど、お洒落である。聞けば、入江三宅設計事務所のデザイン監修とのこと。都心高級マンションを手がける設計事務所のデザインだった。

お洒落であるだけでなく、バルコニーのパーティション(隣戸との境に設置されるパネル)を床から軒下までのフルサイズにしたり、引き戸を多くするなど、細やかな工夫が多い。

圧巻はスカイガーデンと名付けられる屋上テラス。住人が自由に出入りできる(時間制限あり)屋上の庭は、多摩川の花火見物もできるのだが、主に生田緑地の緑や鳥の声、樹木を渡る風などを満喫するための空間だ。

駅から徒歩5分と便利なのに、緑を身近に感じることができる————それが、「ブリリア向ヶ丘遊園」の真の魅力といえる。

ちなみに、スカイガーデンのある屋上には、エレベーターで上がることができる。じつはこの「屋上着床エレベーター」は、都心の超高層・超高級マンションでも滅多にお目にかかれない。屋上に上がることのできるマンションのほとんどが「最上階から屋上へは階段を歩く」方式になっているからだ。

さらに、各住戸には先進の設備が備えられている。

各住戸の玄関そばにトランクルームが備えられているのだが、そのトランクルーム下部が宅配ボックスになっている。これにインターホンIoTシステムを組み合わせると、次のような使い方ができる。

1、留守中に宅配業者が荷物を運び、インターホンを押すと、外出先のスマホで応えることができる。
2、宅配業者の顔や姿を確認して、外出先のスマホでマンションのオートロックを解除
3、宅配業者は玄関横にある宅配ボックスに荷物を収める。

これで、留守中でも安全に宅配を受け取ることができ、不在配達を軽減させる効用が生まれる。

このシステムなどが評価され、「ブリリア向ヶ丘遊園」は、平成29年度サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)採択プロジェクトに、マンションとして唯一選定されている。

そのような特徴を備えることも含め、「ブリリア向ヶ丘遊園」は、玄人好みのマンションといえる。隠れた銘品マンションだろう。

その住戸は、3LDKタイプと4LDKで構成され、取材時点で購入可能だった住戸は、約61㎡から81㎡(トランクルーム含む)が3959万円から5999万円となっていた。

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住まいサーフィンレポートとは?

実際に販売センターを見て回り、マンションの「今」情報を提供
年間200件以上のマンション、建売住宅を見て回る住宅ジャーナリスト櫻井幸雄。実際に歩き、目で見て、耳で聞き集めた情報には、数字の解析だけでは分からない「生々しさ」があふれている。
この新鮮情報を「住まいサーフィン・レポート」としてまとめて主要マスコミに配布。あわせて、住まいサーフィン上でも公開する。住まいサーフィン上ではレポートとともに、旬の狙い目物件も紹介。マンション購入のアドバイスとする。

櫻井幸雄

住宅ジャーナリスト櫻井幸雄の経歴

1954年生まれ。1984年から週刊住宅情報の記者となり、99年に「誠実な家を買え」を大村書店から出版。
以後、「マンション管理基本の基本」(宝島社新書)、「妻と夫のマンション学」(週刊住宅新聞社)、「儲かるリフォーム」(小学館)などを出版。
最新刊は「知らなきゃ損する!21世紀マンションの新常識」(講談社刊)。
テレビ朝日「スーパーモーニング」の人気コーナー「不公平公務員宿舎シリーズ」で住宅鑑定人としてレギュラー出演するほか、「毎日新聞」で、住宅コラムを連載中。「週刊ダイヤモンド」「週刊文春」でも定期的に住宅記事を執筆している。
◇オフィシャルサイト: http://www.sakurai-yukio.com