2019年春から夏 櫻井幸雄が探した狙い目マンション 2019年春から夏 櫻井幸雄が探した狙い目マンション

2019年の春から夏にかけて購入可能なマンションのなかから、狙い目と評価される物件を私の視点からピックアップした。

パークコート渋谷 ザ タワー

三井不動産レジデンシャル

 「パークコート渋谷 ザ タワー」は都心一等地に立地し、今最も注目すべきマンションである。

 建設地は、渋谷区宇田川町……というより、渋谷公会堂があった場所といったほうが分かりやすいだろう。

 その地にあった渋谷公会堂と渋谷区役所が建て替えられ、開いた土地に建設されるのが、「パークコート渋谷 ザ タワー」だ。

 広大な国立代々木競技場や代々木公園を北側に望む、地上39階建て・全505戸の超高層タワーマンションは粛々と販売が進み、先着順で購入できる住戸は、約40m2の1LDKが8290万円、約74m2の2LDKが1億2540万円など。現在の都心マンション相場からすると、高額すぎることはない。むしろ、割安である。立地のよさ、後述する建物の高品位ぶりからすると、積極的に安いといえる。

 その理由は、定期借地権方式という独特の権利形態にあるのではないだろうか。

 通常の分譲マンションは、区分所有で、土地も建物も区分所有、つまり購入者のものとなる。これに対し、定期借地権では、土地は定期借地権の賃借権という権利になり、建物のみ区分所有権となる。土地を期限付きで借りるため、いずれは返還しなければならない。その点に不安や疑問を感じる人が多いのだろう。

 しかし、「パークコート渋谷 ザ タワー」の定期借地権は、これまでと異なる部分がいくつもあり、所有権分譲に近い形態といえる。

 従来と最も大きく異なる点は、「地代」。定期借地権では毎月、地代を払うことになるのだが、それを一括前払いとした。先の先着順販売・分譲価格には、この前払い地代が含まれており、その額は約1200万円から2200万円。それを差し引くと、分譲価格は約7000万円から1億円ということになり、さらに割安感が増す。そして、地代を含めた分譲価格を住宅ローンで組むことができる。だいぶハードルが低くなった印象を受ける。

 ちなみに、地主は渋谷区となる。

 定期借地権の存続期間は、2093年までの約70年という長期設定。これには最終的な解体期間が含まれている(最後は解体して更地に戻す)ので、実質約70年となる。70年あれば、たいていの人は死ぬまで暮らすことができる。

 しかし、実際に定期借地権付きマンションを買った人の多くは最後まで住み続ける気はなく、次のように考えている。

 「都心の一等地なので、会社勤めしている間は住み続け、リタイアしたら、賃貸に出す。その賃貸収入を年金に加えると、心強い」と。

 この方法をとると、後半の30年から35年くらいは賃貸収入が見込める。今から30年後、渋谷区宇田川でひときわ目立つ超高層マンションはどれくらいの賃料になるのだろうか。

 誰もが憧れる場所なので、高額家賃でも賃借人は入りやすいはずだ。賃貸に出した後、定借マンションの持ち主は地方にある親の実家に戻る、というような住まい方をする。リタイア後の住まいとなるので、便利な場所でなくてもよいわけだ。

 この方法をとれば、都心一等地の定期借地権マンションは、豊かな老後を約束してくれるだろう。家賃収入のなかから貯金っを行えば、財産を残すことだってできそうだ。実際、これまで分譲された都心部の定期借地権付きマンションは、賃貸に出して高い家賃収入を得ているケースが多い。ましてや、渋谷区宇田川で代々木公園の緑が身近な一等地の目立つマンションである、将来の不安はない。

 「パークコート渋谷 ザ タワー」は、割安で分譲できる定期借地権のメリットを活かし、建物にお金をかけている。ガラス面の多い外観は、超高層マンションが多い都心部でもひときわ個性的。1、2階にリッチなラウンジ(共用空間)をつくり、20階21階にはアルコールも提供されるパークビューラウンジを設置。フィットネスやゴルフシミュレーションを楽しむスペースもある。利用価値も高いわけだ。

 住戸は眺望重視で、大きな窓も特徴。人がうらやむ都心暮らしが手に入る。「パークコート渋谷 ザ タワー」は、本気で住む人がうらやましくなったマンションである。

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住まいサーフィンレポートとは?

実際に販売センターを見て回り、マンションの「今」情報を提供
年間200件以上のマンション、建売住宅を見て回る住宅ジャーナリスト櫻井幸雄。実際に歩き、目で見て、耳で聞き集めた情報には、数字の解析だけでは分からない「生々しさ」があふれている。
この新鮮情報を「住まいサーフィン・レポート」としてまとめて主要マスコミに配布。あわせて、住まいサーフィン上でも公開する。住まいサーフィン上ではレポートとともに、旬の狙い目物件も紹介。マンション購入のアドバイスとする。

櫻井幸雄

住宅ジャーナリスト櫻井幸雄の経歴

1954年生まれ。1984年から週刊住宅情報の記者となり、99年に「誠実な家を買え」を大村書店から出版。
以後、「マンション管理基本の基本」(宝島社新書)、「妻と夫のマンション学」(週刊住宅新聞社)、「儲かるリフォーム」(小学館)などを出版。
最新刊は「知らなきゃ損する!21世紀マンションの新常識」(講談社刊)。
テレビ朝日「スーパーモーニング」の人気コーナー「不公平公務員宿舎シリーズ」で住宅鑑定人としてレギュラー出演するほか、「毎日新聞」で、住宅コラムを連載中。「週刊ダイヤモンド」「週刊文春」でも定期的に住宅記事を執筆している。
◇オフィシャルサイト: http://www.sakurai-yukio.com