編集部厳選!マンション知識最前線!? 不定期
住まいサーフィン編集部

[第46号]安心して暮らすための災害知識を学ぼう!:住まいと暮らしの防災・安全知識

2017年06月07日

「住まいは、生命と財産を守る器である」、「住まいは財産である」、この二つをしっかり理解しないで住まいを取得することはリスクを伴います。何もなければよいのですが、地震国である日本で、地震の被害をまったく意識しない日本人はいないでしょう。地震だけではありません。様々な災害や犯罪から、少しでも逃れられる住まいを考えることが大切なのです。住まいの取得は大金を必要としますので、住み替えるのは簡単ではありません。マンションや土地、戸建て住宅の購入などを考えるとき、最初に「安全」について考えてみましょう。

「住まいは、生命と財産を守る器である」

住み替えるのは簡単ではありません。マンションや土地、戸建て住宅の購入などを考えるとき、最初に「安全」について考えてみましょう。

災害ってどんなものがあるの?

災害とはどんなものがあるのかを表にしてみました。びっくりするくらいの数があると思いませんか? 日本は世界有数の地震国であり、島国で周囲を海に囲まれています。陸地は中心部に高い山が連なり、山と海に挟まれた少ない平野部に多くの人口がひしめいています。地震だけでなく、がけ崩れや洪水、津波などの被害にも遭いやすい地形なのです。
災害の種類
©佐藤章子
これらの災害をすべて完全に防ぐことはできません。それでも、 子供が交通事故にあわないようにと親が毎日「車に気を付けてね」と、学校へ送り出すのと同じように、少しでも災害の可能性を低くすることが大切なのです。住まいに関してはやはり自然災害への対策が重要でしょう。

時代と共に、新しい災害が生まれていく

しかも時代が変わるたびに新しい災害や犯罪がどんどん増えています。昔はネット関連の犯罪など存在しませんでした。過去の災害を知って、それに備えるだけでなく、新しい災害が生まれつつあるということも考えなくてはならないのです。同時に、地域が違えば別の災害があるということに注意しましょう。東日本大震災でもわかるように、災害は一瞬にして全財産を奪いかねません。そればかりが多くの人命も失われてしまうのです。住まいを購入する前に、是非その地域の災害の状況を把握してください。どの地域でも災害から完全に逃れることはできないかもしれませんが、できるだけ災害の少ない地域、災害にある程度対抗できる構造の建物を選ぶなど、リスクを少なくすることが大切なのです。

引っ越したらまずは周辺をチェック

引っ越す前のチェックがなによりも大切ですが、引っ越してみないとわからないこともあります。特に地方への転勤、都会への転勤などで、住む環境が大きく変わる場合は要注意です。都会には都会の、田舎には田舎特有の危険が存在します。特に子供に対しては、引っ越したら周辺を一緒に歩いて、注意しなければならない点を教えておきましょう。地震等が起きたらどこに避難すべきかを一緒に考えてみましょう。

東日本大震災の時の際に沖縄へ子供を連れて避難した俵万智さんの詠んだ歌に『子を連れて西へ西へと逃げてゆく愚かな母と言うならば言え』があります。「自分だけよければいいのか」…等、いろいろ批判もあったようですが、自分や家族の身を守るのは、他でもない自分自身です。今どれほどの危険が迫っているのかわからなくても、「リスクを少しでも少なくする」、「わからないなら、まずは避ける」、「素早く行動する」は災害に関しては大切なことです。
 
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Author:佐藤 章子 先生 (一級建築士・CFP・一級FP技能士)

一級建築士として、大手ゼネコンや住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事し、2001年に独立。2002年に『住まいと暮らしのコンサルタント事務所』ハウステージを設立。
「健全な住まいづくりは、健全な生涯設計に宿る…」をモットーに、ファイナンシャルプランニングと建築のハード面の双方から、住まい作りや暮らしを総合的にアドバイスしています。