●●●「ＣＯＶＩＤ－１９関連活動情報リンク集」に掲載された貴重な情報
(このイラストは、２１項目のＱ＆Ａのうち、「Ｑ.１に掲載されたもの」)
私は日本建築学会の会員なので、時々､ウェブサイトをチェックしています。令和４年（２０２２年）の正月が過ぎたある1日、建築学会に初詣するような気分で、ウェブサイトを覗いてみました。
すると、トップページの右側に、「ＣＯＶＩＤ－１９関連活動情報リンク集」という赤い文字が眼に入ってきました。私は建築＆住宅ジャーナリストという仕事柄、「ＣＯＶＩＤ－１９」、すなわち新型コロナウイルス感染症に関する情報には敏感です。
早速、「ＣＯＶＩＤ－１９」という赤い文字をクリックしました。すると、「ＣＯＶＩＤ－１９に関連した日本建築学会の活動情報（リンク集）」が眼に入ってきました。
このリンク集には、以下に示すような、①〜⑫の項目が掲載されています。
① 住宅内にビニールカーテンによる仮設の陰圧室を作り出す方法
② レジリエント建築タスクフォース資料
③ 学校における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気について
④ 夏季対策の提案
⑤ 住宅における換気によるウイルス感染対策について
⑥ 密閉を避ける－避難所での換気の５つのポイント
⑦ 建築設備の適切な運用方法について
⑧ パーティションによるエアロゾル遮蔽効果について
⑨ 第３０回空気シンポジウム『ウイルスと換気対策』資料
⑩ 「おうちの換気」ポイントまとめ！換気の専門家にインタビュー（１）
⑪ オフィス・通勤時の感染予防！換気の専門家にインタビュー（２）
⑫ 新型コロナ対策に関する分かりやすいＱ＆Ａ
●●●新型コロナ対策に関する分かりやすいＱ＆Ａ
上記の①〜⑫のうち、「これは役に立ちそう」と感じたのは、「⑫ 新型コロナ対策に関する分かりやすいＱ＆Ａ」でした。
このＱ＆Ａは、「日本建築学会・空気環境運営委員会・感染伝播と空気質ワーキング・グループ」が、２０２１年１２月５日にアップしたものです。
【Ｑ＆Ａ】は以下の２１項目から構成されています。
Ｑ.１ 感染経路にはどんなものが？
Ｑ.２ 防止対策はどうすればいい？
Ｑ.３ 感染リスクとは？
Ｑ.４ マスクは効果あるの？
Ｑ.５ 換気は何をどうすればいい？
Ｑ.６ 住宅の換気量は多いほどいい？
Ｑ.７ ＣＯ２濃度を測る意味は？
Ｑ.８ エアコンは換気できるの？
Ｑ.９ 空調にはどんなものがあるの？
Ｑ.１０ 空調はどうすればいいの？
Ｑ.１１ 扇風機は換気になるの？
Ｑ.１２ パーティションの効果は？
Ｑ.１３ 清掃・消毒はどうすればいいの？
Ｑ.１４ 空間噴霧は効果あるの？
Ｑ.１５ 空間噴霧は安全なの？
Ｑ.１６ 空気清浄機の選び方は？
Ｑ.１７ 空気清浄機はどう使う？
Ｑ.１８ 紫外線は室内で使えるの？
Ｑ.１９ 空調機内の紫外線は？
Ｑ.２０ 既存病室を陰圧化するには？
Ｑ.２１ 既存診察室はどうするの？
●●●特に気になる項目をピックアップ
２１項目の【Ｑ＆Ａ】には、それぞれイラストが描かれていますので､とても分かりやすい感じです。その中から、特に気になる項目をピックアップしてみました。
Ｑ.１ 感染経路にはどんなものが？
◆エアロゾル・マイクロ飛沫(空気)
咳、会話・発声、呼吸によって発生した細かい粒子で、比較的長い時間を空気中で漂う。
◆飛沫(唾液)
咳、会話・発声によって口から飛んでくる。
◆接触
飛沫が付いた表面を手で触って、顔や粘膜に伝わる。
(このイラストは再掲載)
Ｑ.２ 防止対策はどうすればいい？
◆エアロゾル、マイクロ飛沫:マスク、換気、会話に注意、歌唱や激し い運動時の呼気にも注意。
◆飛沫:マスク、ソーシャルディスタンス、パーティション、咳エチ ケット、飲食時に注意。
◆接触:手洗いと消毒、顔を触らない、表面消毒(清拭)。
Ｑ.４ マスクは効果あるの？
◆ 効果あります。
ただし、口と鼻をしっかり覆って隙間のないように正しくマスクを装着することが重要で、マスクの種類によっても効果は異なります。
Ｑ.５ 換気は何をどうすればいい？
◆自然換気と機械換気があります。
自然換気は窓やドアなどを開けて換気します。
片方の窓を開けたら、対面の窓やドアも開けると、効率よく換気できます。
機械換気はファンを使って換気します。
24時間換気装置の住宅は常時稼働させます。
Ｑ.６ 住宅の換気量は多いほどいい？
◆温湿度との両立が重要です。
新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる者がいない場合でも、住宅内の汚染物質除去のため、 24時間換気設備等を稼働させましょう。
Ｑ.８ 家庭用エアコンは換気できる？
◆換気できません。家庭用エアコンは基本的に、ほとんど換気機能はありません。
Ｑ.１１扇風機は換気になるの？
◆使い方によります。でも、換気を助けることができます。
Ｑ.１２ パーティションの効果は？
◆直接的な曝露を減らせます。ただし、効果は限定的であるため設置には注意が必要です。
大きな飛沫は遮断できますが、小さな飛沫やエアロゾル粒子は空気とともに動くため、パーティションの反対側まで届くことがあります。
Ｑ.１３ 清掃・消毒はどうすればいいの？
◆接触感染リスクを下げるためには、手指衛生の徹底が重要です。
細野 透（ほその・とおる）
建築＆住宅ジャ─ナリスト。
建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、２００６年からフリ─ランスで活動。東京大学大学院博士課程（建築学専攻）修了、工学博士、一級建築士。
著書に、『建築批評講座』（共著、日経ＢＰ社）、『ありえない家』（日本経済新聞社）、『耐震偽装』（日本経済新聞社）、『風水の真実』（日本経済新聞出版社）、『東京スカイツリーと東京タワー』（建築資料研究社）、『巨大地震権威１６人の警告』（共著、文春新書）、『謎深き庭 龍安寺石庭』（淡交社）など。