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住まいサーフィン編集部

[第80号]「良い住まい」に必要なもの~人:よい住まい特集(第4回)

2015年12月25日

こんにちは、にこです。
前回は、「良い住まい」に必要な「空気」についてお話しいたしました。
最終回であるその4では、「人」の大切さについて解説いたします。

「良い住まい」に暮らすために考えること

家ってなんでしょう。

■家とは何かを考えたことはありますか?

あなたは、「家とは何ですか?」と聞かれたとき、すぐに答えられるでしょうか?当たり前すぎてそんなことは考えたことがないという方がほとんどだと思います。家とは、人が住むための場所です。そして、生活の基盤となり、心の拠り所となる場所でもあります。家の中は自分たち家族だけのパーソナルスペースです。

良い家を建てたい、と思う方はたくさんいます。立地や間取り、インテリアにこだわる方は非常に多いのですが、「人」との関わり方について考える方はあまりいないかもしれません。家を造ると、そこには必ず「人」が介在します。この場合の「人」には2つの意味があります。家の外側にいる「人」=他人と、内側にいる「人」=家族です。

■快適な他者との距離感を考えてみよう

まずパーソナルスペースを快適にするためには、外側にいる「人」との関わり方を決めなくてはいけません。例えば、家に人を招くのが好きではない方、家の中は人に見せたくないといった他人との関わりをできるだけ少なくしたいという方が、外から丸見えのオープンな家で暮らしたとします。家の前の道路を歩く人や隣の家からの視線を常に感じながら暮らすことは、そのような性格の方々にとっては耐え難いことでしょう。逆に淋しがりやで常に人と囲まれていたい、他人との関わりをできるだけ濃く持ちたいという方にとっては、敷地の外の気配を全く感じることができない住まいは牢獄のように感じるかもしれません。いずれの場合も、自分の家なのに全くくつろぐことができません。
他人との関わり方に求める距離感は全く異なりますので、正解はありません。ご自身がどのようなスタンスをお持ちなのか、家を建てる前に一度よく考えてみることをお勧めします。

■あなたはどんな暮らしをしたいのかを考えてみよう

あとは、一番大切な「人」=自分を含めた家族です。例えどんなに素敵で高価なモデルハウスを手に入れたとしても、自分たちのライフスタイルに合わなければ、どこかで不満を感じながら長い期間を生活することになります。他人から見たら綺麗で大きな家に住んでうらやましい、と思われるかもしれませんが、住んでいる人が満足できなければ、それは「良い住まい」とはいえないはずです。建売住宅やマンションのようにあらかじめ間取りや立地が決まっているものを購入するケースも多いかもしれません。それでも、家を購入する前には自分たち家族がそこでどのような暮らしをしたいのか、そしてどんなことに幸せを感じるのかについて、しっかり話し合って頂きたいな、と思います。

皆さんが「良い住まい」に暮らすことで、幸せな毎日を送ることができるよう願っています。そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。

Author:にこ 先生 (医学博士)

  • 1999年 某大学医学部卒業、医師免許取得 大学病院勤務
  • 2000年 某大学大学院医学研究科入学、同年長男を出産
  • 2004年 大学院修了、医学博士号取得
  • その後、民間病院勤務を経て
  • 2013年より某地方都市の市立病院内科に勤務、地域医療に携わる。
  • 「健康寿命を延ばすこと」をテーマに診療および執筆活動を行う。
  • ※ご提供いただいている記事は あくまでもにこ先生個人による見解です。