2024年冬から春 櫻井幸雄が探した新築狙い目マンション

2024年の冬から春にかけて購入可能なマンションのなかから、不動産会社からの依頼で取材を行った物件を紹介したい。

住友不動産様に依頼頂き取材しました。

シティハウス平井(東京都江戸川区)

住友不動産
物件の写真

 「シティハウス平井」は、東京駅から直線距離で約6.6㎞に建設される「意外なほど、都心に近い」と驚くマンションだ。
 加えて、最寄り駅がJR総武線平井駅であることにも、注目すべきだろう。
 JR総武線では、再開発で生まれ変わった駅、生まれ変わりつつある駅が目白押しだ。沿線の活気が増しているため、沿線人気も上昇。新築マンション価格が大きく上がってしまった場所も多い。
 そのなか、平井駅には、「再開発によって便利になった駅に行きやすく、一方で足元の住環境がよく、マンション価格が抑えられた場所」という独自の長所が生まれている。 なかなかに興味深い立地なのだ。

 建設地の住所は、東京都江戸川区平井で、平井駅から歩いて8分から10分だ。旧中川沿いの緑地が身近で、ロピア平井と島忠ホームズ平井がある大型商業施設まで徒歩1分……実際には公道を挟んで隣接している。その総戸数は319戸で、テレワークスペースなど共用施設が充実しているのも特徴となる。

 コロナ禍で緊急事態宣言が最初に出たとき、まず郊外立地のマンションが注目された。が、すぐに都心に近く、通勤時間が短くて済む場所のマンションも脚光を浴びるようになった。
 いずれ電車の混雑度が戻る可能性がある。それならば、せめて乗車時間が短くて住む場所のマンションを買おうという動きが出たわけだ。
 といっても、山手線の内側はマンション価格が恐ろしく高いため、山手線外側で23区内立地のマンションが人気を高めている。
 都心への通勤が便利な場所で、多くの家族で家時間が増えたために、身近な緑や水辺の憩いを大事にするようにもなった。家で食事を取る機会も増えたので、買い物施設が近いことを重視する傾向も出ている。
 緑や水辺、買い物施設が近いことを重視するのは、子育てファミリーほど顕著だ。
 コロナ禍で求められるマンションの条件は結構多いのである。
 この数多い条件を「シティハウス平井」に当てはめてみると、歯車がかみ合うようにぴったりマッチしていることに驚かされる。
 前述したとおり、都心勤めでも通勤電車に乗る時間は短いし、大型公園や水辺が身近。買い物施設が近い大規模マンションであるからだ。

 そして、都心近くのマンションが好ましいといっても、あまりに高い価格水準ではないことも大切。「シティハウス平井」の場合、6000万円台の3LDKが購入可能となる。
 納得感ある価格設定は、JR総武線沿線にあって「平井駅」は目立たない存在であることが大きい。前述したとおり、総武線沿線では亀戸駅、錦糸町駅、新小岩駅、小岩駅など商業ゾーンが発達し、再開発による超高層マンションが登場しているところが多い。活気がある分、マンション価格が上昇している。
 それと比べると、平井駅のまわりは、大規模な再開発計画がない。
 他の駅と比べると地味な印象はあるものの、街に落ち着きがある。たとえば、他の駅には5つ以上あるパチンコ店も平井駅周辺には少ない。
 一方で、スーパーマーケットの数は多く、地元に根付いた商店街もある。お酒が飲める店が少ないのだが、家族で住むなら、こういう場所のほうがよいと思えてしまう。

 「シティハウス平井」は6棟の建物で構成され、南向きが中心の全319戸。大規模のスケールメリットを生かし、2層吹き抜けのエントランスやテレワークスペースなどの共用施設が充実。マンション内に認可保育施設が設けられている。

 そして、注目したいのは敷地内駐車スペースの工夫だ。
 駐車場はすべて平置き式となる。機械式駐車装置を備えれば、駐車場設置率を上げることも可能だが、そうすると維持費がかさむ。結果として、毎月の管理費と修繕積立金が高くなる可能性がある。
 それは好ましくないと、維持費がかからない平置き式を選んでおり、これは、住み始めてからの管理費・修繕積立金が低く抑えられる、という特徴を生み出す。

 マンション暮らしには快適な部分が多い。たとえば、ディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)が付いていたり、24時間ゴミ出しOKになっている、といった便利さだ。
 便利なのはよいが、毎月の管理費・修繕積立金が高くなるのは困る。その点、「シティハウス平井」は、必要な便利さを確保しながら、管理費・修繕積立金を抑えるタイプのマンションである。
 近年、分譲マンションでは管理費・修繕積立金の高さが問題になるケースが増えている。特に、超高層マンションではエレベーターの負担が大きく、管理費が高くなりがち。そのなか、事業主の住友不動産は、「ランニングコスト低減マンション」をつくることを、得意とする。
 「シティハウス平井」は、「ランニングコスト低減マンション」の最新事例でもある。
 同マンションは、立地、価格、共用部、ランニングコストなど、注目点の多い大規模マンションに仕上がっている。

住宅ジャーナリスト櫻井幸雄の経歴

櫻井幸雄の顔写真

1954年生まれ。1984年から週刊住宅情報の記者となり、99年に「誠実な家を買え」を大村書店から出版。
以後、「マンション管理基本の基本」(宝島社新書)、「妻と夫のマンション学」(週刊住宅新聞社)、「儲かるリフォーム」(小学館)などを出版。
最新刊は「知らなきゃ損する!21世紀マンションの新常識」(講談社刊)。
テレビ朝日「スーパーモーニング」の人気コーナー「不公平公務員宿舎シリーズ」で住宅鑑定人としてレギュラー出演するほか、「毎日新聞」で、住宅コラムを連載中。「週刊ダイヤモンド」「週刊文春」でも定期的に住宅記事を執筆している。

オフィシャルサイト
http://www.sakurai-yukio.com