シティタワー新宿(東京都新宿区)
「シティタワー新宿」の建設地は、新宿駅まで直線距離で約1.2㎞。東京都庁をはじめとする超高層ビル群と新宿中央公園など緑あふれる西新宿エリアに建設される超高層マンションだ。
事業主の住友不動産は、これまでも新宿駅周辺でタワーマンションを分譲したことがある。しかし、「シティタワー新宿」の名称を使ったことはなかった。今回、満を持してその名称を使ったのは、新宿エリアを代表するマンションになる、という自信があるためか。
そう思いたくなるほど、力の入ったプロジェクトである。
たとえば、地上35階建て全428戸の建物には免震構造が採用され、地下駐車場が付く。
西新宿エリアは、日本国内でも有数の「地盤が強固な場所」。土丹層という強固な地層が表面を覆っているため、昭和時代から超高層ビルの建設が始まった、という歴史がある。
その土丹層に杭打ちをせず(杭が打てないほど固い)に建物を建設。中間に免震構造を配置して、極めて地震に強い建物となる計画だ。
そして、建設費が上がっている現在、なかなか採用できない地下駐車場も備える。
建物の2階までにはクリニックやコンビニなどが入り、隣接するオフィスビルの1階にはスーパーマーケットがオープンする。すぐ隣にあるスーパーマーケットで買い物できるのは、「シティタワー新宿」に住む大きな利点となるだろう。
広さ5000㎡もの広場、公園の空間が誕生し、公園に面したカフェがつくられる計画もある。便利であるだけでなく、住み心地もよいマンションになるはずだ。
建物の魅力はまだまだある。
「シティタワー新宿」の西側は比較的低層の建物が多く、将来も変わらぬ眺望のよさが保たれると考えられる。南向きと西向きでは、共に富士山を眺めることができる住戸が多くなる立地である。
花崗岩の列柱が印象的なグランドエントランスから建物内に入ると、白い大理石を贅沢にあしらった二層吹き抜けのエントランスがあり、オープンラウンジやキッズスペース、パーティルーム、シアタールーム、フィットネスルームなど共用施設が充実。夜間も警備スタッフが常駐する24時間有人管理で、ホテルのようなサービスが提供されるコンシェルジュサービスも付く。
玄関キーをバッグやポケットに入れているだけで共用部のオートロックが解除されるハンズフリー方式を採用。ホテルのような内廊下となり、その内廊下の幅が約2mになる。私が知る限り、マンションの内廊下は幅1.5mのケースが多いので、ゆとりある内廊下が実現することになる。
各住戸は居住性重視で設計される。
まず、間取りはバルコニー側の柱を極力住戸外に出すアウトフレーム構法により、室内に邪魔な柱の食い込みが少ない。LDと洋室の天井高は、2m55㎝から2m75㎝を確保。一般的なマンションの天井高は2m40㎝から2m45㎝なので、室内の開放感が大きくなる仕様だ。
角住戸では、バルコニーなしで、窓からの視界がひときわワイドに広がる「ダイナミック・パノラマウィンドウ」が一部採用。バルコニーは奥行約1m80㎝と超高層マンションとしては、ゆったりしているのも特徴だ。
キッチンにはディスポーザーと食器洗い乾燥機が標準設置され、浴室にはミストサウナも付く(一部住戸除く)。
細かな工夫では、LDと洋室の間に設置される可動式間仕切り扉で、サッシュ側に余計な袖壁が付かないこと、その間仕切り扉が、サッシュ側でも反対側でも開け閉めできることにも注目したい。
キッチンに同時吸排型レンジフードを採用するため、サッシュからの風切り音が軽減され、玄関ドアを開けるときに妙に重いと感じることがない……そんなプロ好みの特徴もある。
建設地は、新宿区西新宿5丁目で、東京メトロ丸ノ内線西新宿駅から徒歩8分。JRの新宿駅から徒歩17分となり、新宿駅から歩くこともできる。
もっと新宿駅に近ければよいのに、と思う人もいるだろう。しかし、新宿駅周辺は商業系の場所となり、建物と建物の間隔が狭くなりがち。マンションのまわりにどんな施設が建つか分からない、という不安もある。
その点、「シティタワー新宿」が建設される場所は住宅系の用途地域を含み、環境のよさが守られる。
商業系と住宅系の場所が分かれるのが十二社(じゅうにそう)通りで、「シティタワー新宿」の建設地はその十二社通りに面している。まさに、理想的な立地の超高層大規模マンションと評価される。