田中和彦が斬る!関西マンション事情不定期

[第93号]上町台ってどこ? 〜上町台が人気の高い3つの理由

2019年03月13日

田中 和彦 ( たなか かずひこ )

*「上町台」ってどこ?
住まいサーフィンの人気ページの一つ「今、旬な物件ランキング」。大阪市内の「100戸未満」を見て「あれ?データベースにミスがあるぞ?!」と思う箇所があった。しばらくして、私の方が間違っていることに気付いた。「プレサンスロジェ上町台」(谷町六丁目駅5分)と「プレサンスロジェ上本町」(大阪上本町駅徒歩5分)が並んで掲載されていて、同じ物件がダブっているように見えたのだ。

ところで「上町台」とは何か?「プレサンスロジェ上本町」は最寄駅が近鉄線のターミナル駅である「大阪上本町」駅なのでマンション名に「上本町」が冠されているのはわかる。しかし「プレサンスロジェ上町台」は最寄駅が「谷町六丁目」駅。駅名にも町名にも「上町台」という名称はない。それなのに「上町台」という名称がつけられている。同じ「谷町六丁目」駅最寄となる「グランドメゾン上町台ザ・タワー」もそうだ。

WEBで検索すればわかるがJR大阪環状線の「森ノ宮」駅から「桃谷」駅の西側、地下鉄谷町線迄のあいだあたりのエリアには「上町台」が含まれた分譲マンションが大変多い。これには理由がある。


*上町台の3つの魅力
もちろん「上町台」ということで特定の場所が想起され、それが「上質な住宅地」の代名詞になっていて販売上プラスであるからなのだが、それは結果の話。「上質な住宅地」となった理由がちゃんと存在する。具体的なポイントは大きくあげて以下の3点だ。

・強固な地盤
大阪市内はつい最近(といっても縄文時代の話!)まで海の下だったエリアが広くある特に市内西部は大半が海だった。当時から陸地であったのは、現在のJR「京橋」駅からJR「天王寺」駅方面にかけての部分で、ちょうど半島のように陸地が海に突き出ていた。そこが現在「上町台地」といわれるエリアで、「元海」だった周辺部と比較して地盤が強固だ。

・歴史ある街並み
昔から陸地であったので、その歴史も古い。たとえば上町台地にある四天王寺。今から1400年以上も前に聖徳太子に建立された「日本最古の官寺」といわれている。大阪城も地盤が強固で周囲が湿地であったことからこの地に築造されたと推測される。

・優れた教育環境
古来から住宅地として人気の高いエリアだったこともあってか、周辺には進学校が多い。大阪星光学院、四天王寺中学の大阪府下TOPクラスの進学校以外にも大阪女学院中学、明星中学、清風中学、上の宮中学、プール学院中学、大教大付属天王寺中学等、著名な学校が上町台地に偏在している。


*住宅地として大阪府下屈指のエリア
以上のように上町台地は住宅地として大変ポテンシャルが高い。結果として住宅地としての評価が高い。「平成30年地価公示価格高順位表(大阪府域)」(http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/attach/hodo-30350_4.pdf)によると、大阪府下の住宅地上位10ポイントの内7ポイントが上町台地界隈に存在する。今、タワーマンション中心に分譲マンションの売れ行きが好調な梅田、難波といったあたりは商業地であり、住宅地であれば上町台地界隈がダントツの高評価だ。

地盤が強く、歴史があり、教育環境が優れている。そのうえJR大阪環状線、近鉄奈良線/大阪線、大阪メトロが利用でき移動が便利とあれば住みにくいわけがない。しかし「梅田」「難波」「天王寺」などと比べ、上町台地にある「四天王寺前夕陽ヶ丘」駅や「谷町六丁目」駅は知名度が低い。よって、ターミナル駅である「大阪上本町」や建造物として有名な「四天王寺前夕陽ヶ丘」が最寄りとなるマンション以外は、住宅を探している層にとっては訴求力の高い「上町台」というワードを使うといわけだ。

しかし「プレサンスロジェ上町台」「プレサンスロジェ上本町」。場所も近いし、名前も告示。友人などを自宅に招く時、住所もきちんと伝えておかないと間違って別の物件に行ってしまうのではないか、と余計な心配をしてしまう。


参考URL:
https://www.sumai-surfin.com/product/ranking/re_rank_season.php
〈30日間/大阪市内/マイページ登録数〉

 

--------------
田中和彦 
株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。