編集部厳選!マンション知識最前線!? 不定期
住まいサーフィン編集部

[第135号]自分を見つめるFPゲーム:建築士が語る住まいづくり特集

2016年12月31日

住まいを手に入れる時は、夢いっぱい!あれもこれもといろいろ迷います。挙句の果てに疲れてしまい、ベストな選択ができなくなってしまうケースがあります。マンション選びでも同じです。間取り、価格、地域、駅からの距離、環境…など、いろいろな要素がある中、どのようにしたらベストな選択ができるでしょうか。自分の本音を知るために、アメリカで開発されたファイナンシャルプランニングの手法をご紹介します。

住まいの取得に成功するために、書くことによって自分の考えをまとめるのは大切なことです。

実際に書いてみると、また別の自分、本音の自分が浮かび上がってくるものです。

書くことで考えがまとまる自分探しのゲーム

書くことで覚えるとは、勉強の手法でよく言われることです。住まいの取得に成功するために、書くことによって自分の考えをまとめるのは大切なことです。数千万円も投資するのですから、そのくらいは当然で、書くことは自分自身を見つめることにもなります。書かなくても自分のことはわかっているという方もいるかもしれませんが、実際に書いてみると、また別の自分、本音の自分が浮かび上がってくるものです。

アメリカでビックビジネスに成功した人の半数以上は、目標や夢を紙に書いて、いつも部屋の壁に貼ってあったそうです。書くことは簡単なようですが、実際にやってみると、なかなか書けそうで書けないものです。それでも壁に貼って日々眺めていると(ただし今回のゲームは、家族に見られないことが大切)、一言二言と次第に書いていけるものです。ファイナンシャルプランニングで最も重要なことは、「何がしたいか」なのです。それも本音でどうしたいかが大切です。そのために開発された自分自身を見つめる手法を、住まいの取得に成功するためにトライしてみませんか?

用意するもの

  • A3の白い紙
  • 筆記用具(カラーもあれば、なお良い)

以上、たったこれだけです!

ゲームの方法

  • 1. 下記のサンプルを見ないで、下記の注意事項のみを見て、30分の間にA3の用紙に思いつくままに購入したいマンションの条件やそこでの暮らしの夢などを書き出してください。
  • 2. どれだけ埋まったでしょうか。全面ほぼ埋まっていたなら、あなたは既にマンション購入のスタートラインに立っていると思います。埋まっていても埋まらなくても、とりあえず壁に貼りましょう。夫婦の場合は、完成するまでは、互いに相手の目につかないところにしまって、たびたび取り出して眺めてください。
  • 3. 新しく思いついたら、その都度書き込んでください。前に書いたものに対して気が変わったら、二重線を入れて消去してください。特に大切と思うものがあれば、色で囲んだり、アンダーラインを引いたりしてみてください。書ききれなくなっても、小さな字などに工夫して、1枚の中に入れてください。
  • 4. 最初は数行しか書けなくても、何度も取り出して眺めているうちに、次第に書きたいことがあふれてくると思います。深く考えずに思いつくまま、とにかく文字にすることが大切です。
  • 5. 1週間、1か月と時間がたつと、次第に自分でも納得するものだけが書かれている状態になると思います。次第に本音、それも実現可能な本音になっていくはずです。最初とどう違ってきたでしょうか。違いがわかれば、マンション購入の成功のラインに乗ったようなものです。
  • 6. 自分自身で、「これで良し!」というものができたら、夫婦で突き合わせてみてください。ほぼ同じだったでしょうか。かなり違っているのではないでしょうか。そこに意外な発見があるかもしれません。
  • 7. 次に夫婦の考えをすり合わせて、今度は夫婦で1枚の紙に書き込んでいきます。二世帯の場合は、この過程をさらにもう一度繰り返して、二世帯の本音を浮かび上がらせていけば良いのです。

注意すること

  • 1. 自分の心に正直に
  • 2. 現実はあまり考えない
  • 3. できるかできないかは考えない
  • 4. 順不同で全て書き出す
  • 5. 2枚にしない。1枚にまとめる
  • 6. 誰にも相談しないで、自分で作成
  • 7. 夫婦は互いに相談せずに、完全なものができるまでは別々に作成する。
  • 8. 壁に貼って、毎日眺める
  • 9. 気が変わったら、その都度修整する
    ただし消しゴム等で消さず、二重線で消去し、履歴を残す

サンプル

※まずはサンプルを見ないで書き出してみてください。
夢を書き出す(マンション購入編)
FPゲームのサンプル
©佐藤章子
    この手法は、もともとライフプランニングのために開発されましたが、マンション購入や住まいの建築だけでなく、その他いろいろな場面に応用できます。単に本音を見極めるだけでなく、書き込んでいく過程もいろいろ考えさせられるところが多いはずです。

Author:佐藤 章子 先生 (一級建築士・CFP・一級FP技能士)


写真提供:佐藤章子

一級建築士として、大手ゼネコンや住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事し、2001年に独立。2002年に『住まいと暮らしのコンサルタント事務所』ハウステージを設立。
「健全な住まいづくりは、健全な生涯設計に宿る…」をモットーに、ファイナンシャルプランニングと建築のハード面の双方から、住まい作りや暮らしを総合的にアドバイスしています。