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多くの方が住宅購入時に利用する「住宅ローン」。
住宅ローンの金利は毎月増減してるので、お得に借り入れするには相場を理解しておくことが大切です。
各金融機関ごとに住宅ローンの金利は異なりますが、変動金利については低金利が続いている状況といえます。
では、各住宅ローンタイプでの金利相場はどの程度なのでしょうか?
本記事では、2023年3月の最新の金利相場について解説をし、タイプ別に金利を比較します。
また、おすすめの住宅ローンについても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
1.2023年3月の住宅ローンの金利相場
2023年3月、固定金利については金融機関によって対応が分かれました。
10年固定金利について、先月より0.1~0.7%台引き上げた金融機関が多いですが、先月と変わらないところや0.01~0.07%引き下げたところもあります。
変動金利については、ほとんどの金融機関で横ばいでした。
固定金利は上昇しているものの、変動金利については多くの金融機関で低水準の金利で推移しています。
日銀は昨年12月20日に、従来0.25%前後で推移するようコントロールしてきた長期金利の変動許容幅を、0.5%に拡大することを発表しました。
現在の長期金利は0.5%で横ばいが続いていますが、2023年2月には一時的に0.505%となり、変動幅の上限を超えたこともありました。
固定金利は今後も上昇することが予想されます。
なぜ固定金利なのかというと、固定金利は長期金利を基準に決まるからです。
一方、変動金利は短期プライムレートが基準となっています。
今回の決定に関して言えば、変動金利に直接の影響はありません。
しかし、今後の日銀の政策次第では、変動金利についても上がる可能性はあります。
2.住宅ローンの金利タイプ
住宅ローンの金利は3つのタイプがあります。
- ● 変動金利型
- ● 固定金利型
- ● 固定期間選択型
住宅ローンのタイプごとに毎月の金利が異なるので、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で金利も含めて比較することが大切です。
それぞれの住宅ローンの特徴を確認していきましょう。
変動金利型
変動金利は3つの金利タイプの中で最も金利が低いです。
現在、新規で住宅ローンを借入する人の約7割が変動金利を選択しています。
一般的に、変動金利には2つのルールがあります。
1つ目は「5年ルール」と呼ばれるもので、金利が上がってしまっても5年間は返済額が変わらないという内容です。
2つ目は「125%ルール」で、金利が上昇しても前月の返済額の125%以上にはならないという内容です。
例えば、月10万円支払っていたところ、翌月から大幅に金利が上昇したとします。
本来は13万円支払わなければならないとしても、125%ルールが適用されて12.5万円の返済になるというルールです。
ただし、この2つのルールには落とし穴があります。
それは金利上昇分の未払い利息は最終返済時に請求されるという点です。
2つのルールによって返済額が抑えられたとしても、実際に利息を支払わなくていいという訳ではありません。
最後に高額の返済を請求される可能性もあるため、注意が必要です。
なお、金融機関によっては、変動金利でも上記2つのルールが適用されないことがあります。
事前に確認をしましょう。
また、変動金利はいつでも固定金利に変更できます。
ただし、変動金利よりも固定金利の方が先に上昇することが多いため、切り替えの見定めが難しい点はデメリットです。
固定金利型
固定金利は金利が一定の金利タイプです。
良く知られているのは、住宅ローンを組んだ全期間の金利が固定されている「フラット35」でしょう。
金利が借入から完済まで一定なので、安心感があることが最大のメリットです。
しかし、変動金利や固定期間選択型と比べると金利が高い点や、すべての金融機関で扱っているわけではないというデメリットがあります。
固定期間選択型
固定期間選択型とは、最初の一定期間だけ固定金利が適用されるタイプです。
期間終了時に再度固定金利を選ぶか、変動金利に変更するかを選択することができます。
選べる期間は5・10・20年など様々です。
期間終了時に最初と同じ期間を選んでも良いですし、別の期間を選ぶこともできます。
一定期間の金利の安定性が確保できる点や、変動金利に切り替えができる点がメリットです。
ただし、期間終了時に金利を選ばなければならないのを手間に感じる方にはおすすめしません。
3.新規借入時の金利相場
2023年3月に新規で住宅ローンを借入する場合の、金利の相場を確認していきましょう。
なお、店舗とインターネットどちらからも手続きができて、かつ適用金利が異なる場合、本記事ではインターネット手続きの金利を記載しています。
一般的には、インターネットからの手続きの方が金利が安いことが多いです。
フラット35
まずはフラット35を見てみましょう。
商品名 | 金利 |
---|---|
フラット35 | 1.96% |
フラット35は、金融機関によって金利や団信の内容は異なります。
また、2022年10月から住宅性能や管理・維持保全などによって金利が引き下げられる「ポイント制」となりました。
変動金利
続いて、変動金利です。
金融機関 | 金利 |
---|---|
三井住友銀行 | 0.475% |
みずほ銀行 | 0.375% |
三菱UFJ銀行 | 0.475% |
auじぶん銀行 | 0.389% |
PayPay銀行 | 0.349% |
住信SBIネット銀行 | 0.440% |
ソニー銀行 | 0.397% |
イオン銀行 | 0.380% |
楽天銀行 | 0.550% |
新生銀行 | 0.420% |
メガバンクとネット銀行の変動金利では、0.4%前後の金利が相場になっています。
地方銀行ではもう少し相場は上がりますが、団信の保障が手厚いケースも多いです。
10年固定金利
次に、10年固定金利を見てみましょう。
金融機関 | 金利 |
---|---|
三井住友銀行 | 1.190% |
みずほ銀行 | 1.450% |
三菱UFJ銀行 | 1.080% |
auじぶん銀行 | 1.185% |
PayPay銀行 | 1.210% |
住信SBIネット銀行 | 1.660% |
ソニー銀行 | 1.488% |
イオン銀行 | 1.440% |
楽天銀行 | 1.714% |
新生銀行 | 1.050% |
10年の固定金利は金融機関によって大きく差が出ますが、1.0~1.4%台が相場でしょう。
4.借り換え時の金利相場
2023年3月に借り換えで住宅ローンを借入する場合の、金利の相場を確認していきましょう。
借り換えについても、店舗とインターネットどちらからも手続きができて、かつ適用金利が異なる場合、インターネット手続きの金利を記載しています。
フラット35
まずはフラット35を確認してみましょう。
商品名 | 金利 |
---|---|
フラット35 | 1.96% |
新規借り入れと同じ金利となっています。
変動金利
続いて、変動金利です。
金融機関 | 金利 |
---|---|
三井住友銀行 | 0.475% |
みずほ銀行 | 0.375% |
三菱UFJ銀行 | 0.475% |
auじぶん銀行 | 0.389% |
PayPay銀行 | 0.349% |
住信SBIネット銀行 | 0.428% |
ソニー銀行 | 0.447% |
イオン銀行 | 0.430% |
楽天銀行 | 0.550% |
新生銀行 | 0.420% |
住信SBIネット銀行は、新規より借り換えの方が金利が低く設定されています。
全体の相場は新規と同じく0.4%前後が相場でしょう。
10年固定金利
次に、10年固定金利はどうなっているか見てみましょう。
金融機関 | 金利 |
---|---|
三井住友銀行 | 1.840% |
みずほ銀行 | 1.450% |
三菱UFJ銀行 | 1.080% |
auじぶん銀行 | 1.185% |
PayPay銀行 | 1.210% |
住信SBIネット銀行 | 1.660% |
ソニー銀行 | 1.538% |
イオン銀行 | 1.440% |
楽天銀行 | 1.714% |
新生銀行 | 1.100% |
三井住友銀行や新生銀行では新規の借り入れよりも、借り換えの方が金利が高いです。
10年固定の場合、全体の相場は1.0~1.4%台でしょう。
5.住宅ローンの利息計算方法
ここでは、住宅ローンの利息の計算方法をお伝えします。
元利均等返済の場合
月々返済額=借入金額×(利率/12)×(1+利率/12)返済回数/(1+利率/12)返済回数-1
元金均等返済の場合
月々返済額=(借入金額÷返済回数)+(借入残高×利率×日数/365)
金融機関が発表している金利を元に上記の式で計算すれば、住宅ローンの返済額を算出することができます。
ただし、複雑な計算になるため、自力で算出するのはおすすめしません。
各金融機関が公開しているシミュレーションを使うことで、簡単に算出できますので利用しましょう。
6.おすすめの住宅ローン3選
今、最もおすすめの3つの金融機関の住宅ローンを紹介します。
どれもお得な住宅ローンになっているので、ぜひチェックしてみてください。
おすすめの住宅ローン①auじぶん銀行
1つ目はauじぶん銀行です。
auじぶん銀行はKDDIと三菱UFJ銀行が共同で設立して作った、店舗を持たないネット銀行です。
特徴を3つ紹介します。
- ①変動金利が低い
- ②auモバイル・電気を利用すると特典がある
- ③金利上乗せなしでガン50%保障の団信が受けられる
具体的な金利を確認していきましょう。
タイプ | 金利 | プラン |
---|---|---|
変動金利 | 0.389% | 全期間引き下げプラン |
固定金利(10年間) | 1.185% | 当初引き下げプラン |
固定金利(35年間) | 2.120% | 当初引き下げプラン |
※2023年3月現在
※審査結果によって異なる場合あり
さらに、auのサービスを利用すると、最大で金利がマイナス0.1%されます。
内訳はauモバイルの利用者が金利0.07%マイナス、au電気の利用者が金利0.03%マイナスです。
上記特典が適用された金利は以下の通りです。
タイプ | 金利 | プラン |
---|---|---|
変動金利 | 0.289% | 全期間引き下げプラン |
固定金利(10年間) | 1.085% | 当初引き下げプラン |
固定金利(35年間) | 2.020% | 当初引き下げプラン |
※2023年3月現在
※審査結果によって異なる場合あり
変動金利と10年固定金利は業界の中でも上位の低金利です。
仮に3,500万円を35年間で借りたときの月々の返済額を確認します。
金利タイプ | 金利 | 月々の返済額 |
---|---|---|
変動金利 | 0.289% | 87,629円 |
固定金利(10年間) | 1.085% | 100,193円 |
固定金利(35年間) | 2.020% | 116,302円 |
続いて、団体信用生命保険についてです。
一般的な団信の他にも、さまざまな保障の中から自分に合ったものを選ぶことができます。
団信 | 金利上乗せ | 保障内容 |
---|---|---|
ガン50%保障団信 | 金利上乗せなし | ガンと診断されたら 残高相当額の50%を保障 |
ガン100%保障団信 | 金利に年0.1%上乗せ | ガンと診断されたら 残高相当額を保障 |
11疾病保障団信 | 金利に年0.2%上乗せ | 11種の疾病になり条件を 満たせば残高相当額を保障 一時金の給付もあり |
ワイド団信 | 金利に年0.3%上乗せ | 一般的な団信に 加入できない方のために 引受範囲を拡大した団信 |
ガン50%保障団信は金利上乗せなしなので、低金利のままガンの保障をつけたい方におすすめです。
おすすめの住宅ローン②みずほ銀行
2つ目におすすめしたいのがみずほ銀行です。
みずほ銀行はメガバンクで全国に支店がありますが、ネットでの相談も受け付けています。
特徴を3つ紹介します。
- ①全期間固定金利の金利が低い
- ②支払い額を調整できるプランが選べる
- ③8大疾病団信は金利上乗せではないので途中解約も可能
インターネット手続きをした場合の、具体的な金利を見てみましょう。
タイプ | 金利 | プラン |
---|---|---|
変動金利 | 0.375% | ローン取扱手数料型 |
固定金利(10年間) | 1.450% | ローン取扱手数料型 |
全期間固定金利(31~35年間) | 1.690% | ローン取扱手数料型 |
※2023年3月現在
※審査結果によって異なる場合あり
他の金融機関と比べて全期間固定金利が低金利なので、全期間固定金利を希望する方にはおすすめです。
3,500万円を35年間で借りたと仮定して、月々の返済額を確認します。
金利タイプ | 金利 | 月々の返済額 |
---|---|---|
変動金利 | 0.375% | 88,935円 |
固定金利(10年間) | 1.450% | 106,309円 |
全期間固定金利(31~35年間) | 1.690% | 110,452円 |
みずほ銀行では、上記のように金利を抑えた月々の支払いを下げるプランの他に、初期費用を抑えるプランも選択可能です。
初期費用を抑えたい方は、金利上乗せ型を選んで毎月の返済の中に保証料を組み込むことができます。
金利が高くなるので月々の負担は増えますが、初期費用を用意できない方にはおすすめです。
また、上の表のような低金利を採用したければ、保証料の代わりに手数料を初期費用として支払うこともできます。
ライフスタイルによって返済プランを選びましょう。
続いて、一般団信以外の団信の保障内容を確認していきましょう。
団信 | 金利上乗せ | 保障内容 |
---|---|---|
ガン団信 | 金利に年0.1%上乗せ | 所定のガンと診断されたら 残高相当額を保障 |
8大疾病補償(4種類) | 保険料はローン残高や年齢 などによって毎月変動 |
疾病になり条件を 満たせば残高相当額を保障 |
ワイド団信 | 金利に年0.3%上乗せ | 一般的な団信に 加入できない方のために 引受範囲を拡大した団信 |
特徴は「8大疾病補償」のプランは、金利上乗せによる支払いではないという点です。
通常の保険と同じように毎月ローン返済口座から引き落とされ、途中で解約することもできます。
また、「8大疾病補償」は4種類あり、自分に合った保障内容を選ぶことができます。
おすすめの住宅ローン③PayPay銀行
3つ目のおすすめはPayPay銀行です。
PayPay銀行は2021年4月5日にジャパンネット銀行から社名変更をした金融機関です。
PayPay銀行の特徴を3つ紹介します。
- ①金利が低い
- ②提出書類はスマホで写真をアップロードするだけ
- ③ガンに対する保障が手厚い
まず金利についてです。
タイプ | 金利 | プラン |
---|---|---|
変動金利 | 0.349% | 全期間引き下げプラン |
固定金利(10年間) | 1.210% | 当初引き下げプラン |
固定金利(35年間) | 2.280% | 当初引き下げプラン |
※2023年3月現在
※審査結果によって異なる場合あり
PayPay銀行の金利は、他サービスを利用するなどの適用条件がありません。
もちろん審査結果によって金利が異なることもありますが、条件を満たしていれば多くの方は低金利の住宅ローンを組むことができるでしょう。
3,500万円を35年間で借入したときの月々の返済額を確認します。
金利タイプ | 金利 | 月々の返済額 |
---|---|---|
変動金利 | 0.349% | 88,539円 |
固定金利(10年間) | 1.210% | 102,262円 |
固定金利(35年間) | 2.280% | 121,034円 |
また、PayPay銀行では提出書類をweb上にアップするだけで、手続きが完了するという点もメリットです。
一般的なネット銀行では申し込みはネット上でできても、一部の書類は郵送しなければならないケースもあります。
家にいながらローンの審査・申し込みができるので、忙しい人でも利用しやすい金融機関でしょう。
続いて、一般的な団体信用生命保険以外の保障を確認します。
団信 | 金利上乗せ | 保障内容 |
---|---|---|
一般団信プラス (ガン先進付) |
金利上乗せなし | ガンと診断されたら 100万円の給付金あり ガン先進医療を受けると 治療費を給付 |
ガン50%保障団信 | 金利上乗せなし | ガンと診断されたら 残高相当額の50%を保障 |
ガン100%保障団信 | 金利に年0.1%上乗せ | ガンと診断されたら 残高相当額を保障 |
11疾病保障団信 | 金利に年0.3%上乗せ | 11種の疾病になり条件を 満たせば残高相当額を保障 一時金の給付特約つき |
ワイド団信 | 金利に年0.3%上乗せ | 一般的な団信に 加入できない方のために 引受範囲を拡大した団信 |
ガン50%保障だけでなく、給付金が貰える補償も金利上乗せなしでついてきます。
ガン100%保障団信を選んでも金利は0.1%の上乗せなので、低金利のまま保障を手厚くできる点がメリットです。
7.まとめ
2023年3月は、一部金融機関で固定金利の引き上げがありました。
また、全期間固定金利のフラット35は前月比0.08%上昇となっています。
現在は、10年固定金利では1.0~1.4%台、変動金利では0.4%台が相場と言えるでしょう。
昨年12月21日には、長期金利の変動許容幅拡大が決定しました。
固定金利が今後どれだけ上がっていくかは分かりません。
住宅ローンを固定金利で借りることを考えている方は、早めに借り入れると安心でしょう。
なお、金利は引渡し後の融資実行日のものが適用されるのが一般的です。
特に新築を購入される場合は、現在の金利とは異なることも考えられますので、ご注意ください。
変動金利についても、将来的には金利が上昇するリスクがあります。
万が一の事態に備えるためにも、資産価値が高い物件を購入するのがおすすめです。
資産価値というと、一部のお金持ちだけに該当する儲け話のように感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、資産価値を重視して住まいを選ぶことで、ご自宅が「将来の安心」「万が一の備え」となります。
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