田中和彦が斬る!関西マンション事情不定期

[第135号]京都中心部でマンション供給が復活、「御所エリア」人気は健在

2021年01月14日

田中 和彦 ( たなか かずひこ )

各エリアで反響の多いマンションがわかる「住まいサーフィン」内のコンテンツ「今、旬なマンションランキング」。「お気に入り登録数」のランキングTOP3は全て京都中心部の物件であった(※)。この「お気に入り登録数」人気3物件、「イーグルコート御所西」「シャリエ御所南柳馬場二条」「ジオ京都御所北」といずれも物件名に「御所」が含まれている。京都における「御所界隈物件」の人気の高さがうかがわれる。

「御所」というのは京都御所のこと。JR「京都」駅の北方向約4kmにある、北は今出川通、南は丸太町通、東は寺町通、西は烏丸通に囲まれた広大な公園だ。……と書くと「いやいや、それは京都御苑であって……」とお叱りを受けそうだが、はい、おっしゃる通り。「広大な公園」は京都御苑で、京都御所は京都御苑の中にある旧皇居。正確には旧皇居が京都御所で、その外側にある公園部分が京都御所である。しかし、正しくはそうであっても「京都御所」と「京都御苑」は、京都市民もしっかりと使い分けてはいない。広大な公園を単に「御所」と呼ばれることが多い。地元で京都御苑を「御所」と呼んでも、ちゃんと通じる。ということで以降も「京都御苑」を御所と書きます、あしからず。

御所から南に2km程行けば京都市内随一の繁華街である四条烏丸~四条河原町。買い物や飲食等の利便性が高い。単に利便なだけではなく京都の老舗や名店が徒歩圏に多くある。それなのにとても閑静な住宅地。碁盤の目の整然とした街並みで京町家も見られ、京都らしさにあふれている。鴨川にもほど近い。

そんな人気の高いエリアなのに、この数年は新規供給がほとんどなかった。理由はホテル事業者の土地需要が旺盛で、大きな土地から数戸規模のアパート用地まで事業用地は、ほぼほぼ宿泊施設用地として取引された。マンションデベロッパーが所有していたマンション用地もあったが、ホテル事業者に転売されたり、自社のホテル事業に供されたりし、分譲マンションにはならなかった。

ところが供給過多からホテル用地の需要は激減し、昨年のコロナ禍ではとうとう新規でホテル用地を取得しようとする事業者はほぼいない状態となった。そこでまた分譲マンションが供給され始めた、というわけだ。

ちなみに御所の東西南北、どこが人気が高いのか?

筆者の好みも入っているかもしれないことをご了承頂きたいのだが、実感値としては御所南がいちばん人気が高い。京都らしい碁盤の目で広がりのある街並みなのは御所南と御所西なのだが、御所南は学校区の人気が高い分、御所西よりも人気がある。御所東は鴨川にも近くロケーションは良いが、街並みは御所西・御所南よりも雑然としている。御所北は、同志社大学の敷地が鎮座し、その周辺は京都中心部には珍しく街区が入り組んでいる。高級感では御所南や御所西に劣る。

コロナ禍で、全国的にも郊外での暮らしが見直されるようになった。京都市内も、ホテル用地需要がほぼ停止した今、御所界隈の「郊外居住」に注目が集まっている。

※ 2021/01/13 01:27 現在

 

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田中和彦 
株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。