「沖レク」マンション購入一問一答
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3. 資産性で考えるエリアの選び方

この章では「資産性」を軸に、マンション選びで失敗しないためのエリアの選び方を説明する。
「資産性」で考えマンションを選ぶとは、すなわち値上がりするマンション価格を選ぶことである。値上がりするエリアには法則があるため、それを知ることで得するマンション選びが可能になる。

Q1.
「マンション価格が
値上がりしやすいエリアは」

A. 利回りが低いエリア

利回りは、高ければ高いほどよいのではないか?と思われるかもしれないが、自宅に適したマンションで言えば「利回りが低いエリア」といえる。
なぜ利回りが低いエリアが値上がりしやすいのか。その理由について説明していきたい。

自宅に適したエリアの考え方

収益還元法で決まる現在、自宅といえども賃貸に出した場合の賃料は高い方がよい。だが、利回りが良いからと言って、自宅に適した物件とは限らない。

賃貸で入居する場合、一時の仮住まいという意識があるため、地名より便利な方がよいという割り切りが働く。

一方、持ち家を購入する場合は、住む地域がその人の社会的なステイタスに影響するという感覚が強く働くため、地域環境や地域イメージへのこだわりが強くなる。

その為、収益物件として高い利回りを求めるのならアクセスが良好な割に地ぐらいの低い地域ということになるが、自宅による資産形成で考えると地ぐらいの影響を強く受けるため、立地がとても重要になる。

自宅による資産形成で考える、値上がりするエリアとは

2013年に過去のデータから資産インフレについての調査を公表したデータ

2013年に過去のデータから資産インフレについての調査を公表したデータである。

金融緩和でインフレが起こるとき、消費者物価のインフレに先行して資産インフレが発生する。
この資産インフレは経済の中心地から始まり、時間とともに周辺に拡大していく。日本の場合は、東京都心で不動産価格が上がり始める。

そのタイミングでキャピタルゲインを求める投資家や相続税対策など、資金流入が見込めるという理由でマンションを購入する層が存在する。

キャピタルゲインを得ることができると考えれば、マンション価格が高くても買いに行く人はたくさんいる。

その結果、資産性が高くて、値上がりしそうなところほど利回りが低くなるという現象が起こる。これは、世界的にも同様である。

利回りと不動産価格の関係 【2018年】

このように、賃料が高いほどよいというのは事実だが、自宅による資産形成が目的となる場合は、賃料よりも地価が問題になるので「利回りの高さよりも人気の高さ」という特性が勝るのである。

Q2.
「長期的にマンション価格が
下がらないエリアの特徴は」

A. 世帯数が増加するエリア

日本の人口は減少の一途をたどっており、世帯数も減っていくことになる。それにより、すでに全国で1割以上の住宅が余っており、今後は住宅に買い手がつかない状況となり得ると考える。
そんな中でも「世帯数が増加するエリア」は存在し、そのエリアにおいては価格が下がりづらいといえる。そのエリアについて説明していきたい。

世帯構成の変化

まずはじめに、なぜ人口ではなく世帯数なのか。その理由は簡単で、住宅の需給バランスを考えたときに、マンションの需要は人口一人ひとりではなく、世帯数で考えることになるからだ。

現在、人口の減少とともに世帯構成人数の減少も進行しており、三世代同居から核家族へという形で進行してきている。今後は、世帯分離が一段と進み、一人暮らし世帯が増加していくとみられ、すでに東京では平均世帯人員が2人を切っている。

若者が地方から都会へ出ていき、一人暮らしを始めることはこれまでと同様であるが、今後は離婚や死別などにより一人暮らしを始めるケースがさらに増えていくと考えられる。

日本の人の流れ

そもそも人はどこに集まるのだろうか。

日本の人の流れの大きな傾向は2つあり、「郊外から都市へ」と「地方から東京へ」である。
東京を中心とする一都三県には、年間およそ10万人ずつ人口が増加しており、移住するきっかけは、主に入学と就職、結婚である。

日本の大学進学率は年々高くなっており、大学卒業者は、就職して東京へ向かう人の割合が増えている。大企業の本社が集中し、就職口の最も多い場所が東京であるからだ。
そのため、今後さらに人の流れは「地方から東京へ」と向かい、東京一極集中が加速していくと考えられる。

また、新卒での就職が多く、ほとんどの人が単身で東京に移住してくるため、広い住まいは必要なく、職住近接を求めている。それゆえ、東京23区を希望する人が増えており、実際に年間10万人の東京流入人口の6割は、23区に移住している。

さらに、子育てを終え、足腰の衰えを自覚するようになった高齢者が生活に便利な都市部のマンションに移動を始めているのである。また、先ほど述べたように離婚や死別などで一人暮らしを始めるケースも増加することを考えると、より利便性のよい都心への流入が増えることも容易に想像がつく。

世帯数が増加するエリアとは

行政区別 世帯数増加のピーク期

この表は、世帯数の増加のピーク期がいつになるかを表しており、2040年まで増える行政区は、港区・中央区・江東区・千代田区・品川区・台東区・文京区の7区であり、一番の有望エリアである。

これまで、首都圏の不動産価格は大きく下落することはなかったが人口減少時代に入り、首都圏でも都心と準都心で地価の動向は大きく分かれていく。
職住近接などのアクセスの良さ、必要なものがすぐに手に入る利便性、足腰の衰えを補う駅近の立地などを考慮すると、都心に近いエリアに集中すると考えられる。

また、人の流れは鉄道が作るとも言われ、土地の価値を大きく変えるのも鉄道である。
現在、新駅の計画は東京駅から品川駅の間や渋谷など限られた地域で行われている。今後の注目は、2027年に開通予定のリニア新幹線だろう。それにより、さらに人口が流れ、同地域では地価やマンション価格が上がりやすくなり、「下がりにくい」と考えられる。

今後は人口の減少とともに路線が縮小する可能性もあり、その場合は、鉄道が廃線となった地域の地価は一気に下落することも考えられる。

このように考えてみても、東京都心の一人勝ちは目に見えている。

これから自宅を購入する場合には、将来的な資産価値の向上を考え、物件周辺地域で予想される環境変化に合わせて購入する物件を選ぶことが重要といえよう。

Q3.
「大規模再開発エリア内の
マンションは値上がりするか」

A. 値上がりしやすい

大規模再開発の魅力は、「街並みがきれいで利便性が高い」「ランドマークとなる建物があり、ステータスが高い」などが挙げられる。
大規模再開発エリア内のマンションは「値上がりしやすい」と答えたが、なぜそう言えるのか。過去の事例を利用して説明していきたい。

大規模再開発とは

再開発と名のつくものはたくさんあるが、「大規模」であることがポイントである。

そもそも大規模再開発とはどういうものを言うのか。

大規模再開発は、都心の好立地かつ敷地面積が広く、駅との密接な関係があり、オフィス・店舗・住宅の複合開発になっており、高層の建物と緑豊かな空地を組み合わせているケースが多い。
近未来都市が忽然と現れる感じに近く、近隣と一線を画している。

大規模再開発エリアは、街全体を作り変えているため、周辺と絶対的価値が違い、必ず、「地域一番」のマンションになる。

大規模再開発内マンションの付加価値と値上がり率

大規模再開発内マンションの付加価値

大規模再開発内のマンションは、街全体がデザインされており、利便性も高く、ランドマーク性もあるので、周辺と比較すると約3割の付加価値が付けられて、販売されている。

一見すると、高くて敬遠してしまいがちではあるが、その後の値上がり幅をみると、買っておいて損はないといえる。

再開発内マンション価格の値上がり率

表は、過去の再開発内マンション価格の値上がり率を分析したものである。

この中の分譲マンションは、同時期に同じ最寄り駅のマンション価格の平均より約3割で売られているが、その後の値上がり幅をみると平均で5割も値上がっているのだ。

街が開かれると、居住価値が上がり、唯一無二の価値が作られる。住んでいるマンションとその敷地だけでなく、街全体が都市計画された美しさや機能性でデザインされているからだ。
利便性も考慮されており、住む人にとって快適な生活環境となることは確実だ。

新築の場合は、街が出来上がる前に、いわゆる青田売りをしているので、実際の価値を体感する前のお試し価格のようなものになっている。そのため、実際に出来上がった街全体をみると値上がりするのも納得といえる。

こうなると、新築時に少し高いと思っていても買っておいて損はないといえるのではないだろうか。

値上がりする大規模再開発マンションにも条件が3つあるので紹介しておく。
「駅直結など好立地であること」「規模が大きいこと」「複合施設があること」である。

ただし、大規模再開発にはひとつ難点がある。出来上がるまでに時間がかかり、いつできあがるのか読みにくいことだ。
すでに見込みが立っているものを中心にアンテナを立て、早めに対応策を決めることが重要であるといえる。

大規模再開発内マンションの付加価値と値上がり率

また、大規模再開発のエリアは、開発に時間がかかるため、相続税対策で購入を検討する場合などは、難しいこともある。

そんな時は、大規模再開発エリア周辺のマンションを購入するのも一つの手である。
近隣に再開発がある場合は、その周辺も便乗値上げが見込めるため、資産価値が落ちにくくなり、狙い目といえる。大規模再開発に隣接するタワーマンションは、新築時の価格の約2倍になる場合もあるのだ。

ただし、そのときは、比較されるものの方が値段が上がりやすくなるため、大規模再開発内でどのようなマンションが建てられるのかという情報を調べてから、同等なマンション(タワーマンションであればタワーマンション)を購入することをおすすめする。

Q4.
「選んではいけないエリアは」

A. 災害リスクの高いエリア

近年、大きな災害を引き起こす天災が多く発生しているが、自宅購入の最大のリスクは、災害であるといえる。
もし災害が起こったときに、資産価値の下がらないエリアを選んでいただきたいと考える。そのため、ここで「災害リスク」について説明しておく。

災害リスクの考え方

東日本大震災が発生したときは、液状化で大きな被害を受けた新浦安は、資産価値を下げることとなった。さらに、交通が止まり、帰宅難民や通勤難民を経験した人は多いだろう。

また、2019年10月に起きた台風第19号は、記録的な大雨となり、河川氾濫などで東日本に甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しい。

だが、人の噂も75日と言うように、災害リスクも人々の記憶とともに薄れていく。

首都圏直下型地震は、30年以内に70%の確率で起こると言われている。
一番大事なことは、地震が起こった場合でも自分の環境を担保しておくことである。起きた場合に、どのようなことが生じるのかということを想像しなければならない。

想定される災害のリスクについて、首都圏で考えた場合には大きく3つある。

  • ① 地震被害、地震による液状化
  • ② 河川の氾濫
  • ③ 通勤難民、帰宅難民

海が埋め立てられた場所や昔河川だった場所は、脆弱な地盤による倒壊や液状化のリスクを考慮する必要が出てくる。

東京都では、地盤を山地、大地、低地に色分けして分類し、市域危険度を数値化し、提供している。

都内では、台地にあって、標高の高い場所は一般的に不動産価格が高く設定されている。これは、標高が高い土地の方が低地に比べて地盤が固く、川の氾濫や津波、液状化のリスクが少ないことが歴史的に証明されており、それが不動産価格に反映されていると考えられる。
自宅購入の際には、災害リスクについてしっかりと考える必要があると言える。

震災による不動産価格への影響

仙台市の賃料単価の推移

東日本大震災前と震災後の仙台市の賃料単価の推移をみると、約2割の賃料が上がっている。通常は、ほとんど動かない賃料が震災を機に高騰した理由は、需給の変化にある。

津波や倒壊の被害で住める物件が減少し、賃貸住宅の供給も激減した。需給が供給を上回ったことが、賃料の上昇を生んだのである。

賃料が2割上がったということは、収益還元法で決まる物件の売買価格もその分だけ上がったことを意味する。震災で倒壊を免れた物件は、資産価値が高まることがわかる。

仮に首都圏直下型地震が起こった場合にも、東日本大震災と同様なことが起こる可能性がある。震災後にも住めるマンションは資産価値が高まり、そうでない物件は資産価値が下がる。
そのため、被害の少なかった地域やマンションの価格が高騰することが予想される。

リスクの低い地域や耐震性能の高いマンションを選ぶことは、自分の身を守ることだけでなく、資産を守ることにもなる。

また、最大約6メートル想定されている水位を考慮し、マンションは3階以上を選ぶことをおすすめしたい。

現在ではリスクはほぼ視覚化されているため、自宅購入を検討する場合には、災害リスクを考慮し、選択することが必要である。

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