東京都町田市の特徴を知る
東京都「町田市」の特徴 ― ニッポンの自治体 ―
1960年代以降、神奈川との関係性が強いベッドタウンとして発達した商都
東京都町田市は、島嶼部を除く多摩川以南で東京都最南端にあり、都内では八王子に次ぐ人口の自治体だ。1960年代以降、東京のベッドタウンとして発達した。が、依然として農地は多いエリアだ。
細長い市域全体が神奈川県側に大きく突出しており、東京都内の隣接自治体である多摩市や八王子市とは同じ南多摩地域でありながら里山丘陵で隔てられている。神奈川県横浜市、川崎市、相模原市と3つの政令指定都市に接する自治体であるため、神奈川県域との交流が盛んだ。交通インフラや経済的な面では神奈川県の一部となっている場所もある。
東京都・町田市のマンション
2018年、東京都・町田市で販売された新築マンションは249戸。同市で昨年販売した新築マンション相場価格は5043万円~5666万円。同市内の中古マンション相場価格は1960万円~5740万円だった。
東京町田市の2019年1月現在の人口は、42万8685人。そのうち外国人は6228人。総世帯数は19万5643世帯だ。町田市の総面積は71.80平方キロメートル。
1958年2月1日に市制施行となり、東京都で9番目に誕生した都市だ。市制施行当時、全世帯の4分の1が農家だった。古くから横浜に向かう街道は「絹の道」とも呼ばれ、交通の要衝、商都として発展してきた。
市内には、玉川学園大学や桜美林大学など多くの大学があり、中心商業地は「若者の街」という側面もある。
町田駅周辺は百貨店や専門店、大規模商業施設が建ち並ぶ一大商業地
町田市の中心産業は商業だ。小田急電鉄「町田駅」周辺は、一大商業地として発展。百貨店や専門店、大規模ショッピングセンターが建ち並ぶ繁華街を形成、商業都市として発展を続ける。このエリアが商都となったのは、江戸時代後期に原町田地区が「絹の道」と呼ばれる産業交通路の拠点となり、「二の市」「六の市」が立ち、栄えたことが原点となっている。
現在でも国道16号、同246号線や鎌倉街道など道路網が充実し、東西方向・南北方向との交通の便もよい。神奈川県北部も含んだ多摩地域南部(南多摩地域)の商業の中心地となっている。南多摩地域・相模原市・横浜市北部・川崎市西部・座間市・大和市などを含む商圏人口200万人とも言われる相武経済圏の中心的な役割を果たしている。
同市郊外には、バブル期以降に転入してきた私立大学や高校が多く、町田駅周辺の繁華街は、学生を中心とした“若者の街”に変わってきた。
一方、商業地区ゆえ町田駅周辺の徒歩圏には、マンションを含めてほとんど住宅はない。
市域郊外に民間マンションを含めた大規模集合住宅群が点在する
市郊外には、1960年代以降に開発されたURもみじ台団地や、都営金森住宅地区をはじめとした多数の都営住宅、民間のマンション群などの中大規模集合住宅が市内各所に点在する。
小田急線でひと駅新宿寄りの「玉川学園駅」周辺は、幼稚園から大学までの一貫教育が自慢の「玉川学園」を中心に、市内随一の高級住宅地が広がる。
東京都都心まで、電車利用で50分程度。市の中心駅である町田駅から新宿へは小田急小田原線の快速急行利用で30分ほど。市域中東部を東西に小田急線が貫通し、南部を東急田園都市線が東西に通る。南西部と西部をJR横浜線が南北に、北西部を京王相模原線が市域外縁部を東西に通っている
都心や横浜への良好な鉄道アクセスラインは市域外縁部に集中しており、市域の中央部には鉄道空白地帯が多い。そのためバスが主要な交通手段として発達している。とくに山崎団地や藤の台団地から町田駅方面へは昼間でも頻繁に運行がなされており鉄道の空白を埋める役割を果たしている。
市内の主要幹線道路は幅員が狭く、路線バスも十分な運行本数が確保されていないところもあり、慢性的な交通渋滞が発生。鉄道沿線ならば都心部への鉄道交通や市内のバス路線網が発達しているものの、同じ多摩地域の近隣都市へ移動する手段は無い。多摩都市モノレールの市内までの延伸などの構想がある。
公開日:2019.12.26著:吉田 恒道