兵庫県神戸市西区の特徴を知る
兵庫県「神戸市西区」の特徴 ― ニッポンの自治体 ―
神戸市でもっとも新しい行政区は、自然豊かな住宅学園都市で近郊農業都市
神戸市の西端に位置し、明石、三木の2市と加古郡稲美町に隣接する。総面積は138.01平方キロメートル。神戸市域の25%を占め、北区に次ぐ大きな面積の行政区である。
西区は自然環境に恵まれた緑豊かなエリアで、稲作のほか、神戸・大阪の都心近郊の農業地域としての特色を活かした園芸・畜産などの農業が盛んに行なわれ、観光農園や直売所が数多く存在する。神戸9区のなかで農業従事者がもっとも多く、耕地面積も最大となっている。
兵庫県・神戸市西区のマンション
2018年に兵庫県・神戸市西区で販売された中古マンション相場価格は1330万円~3500万円である。
神戸市のなかでもっとも新しい行政区は住宅都市として発展
西区は、1982年(昭和57年)8月1日に、伊川谷町、櫨谷町、玉津町、平野町、押部谷町、神出町、岩岡町の7町をもって、垂水区から分区し誕生した、神戸9区中でもっとも新しい行政区だ。
分区当時の人口は、神戸市9区の中でもっとも少ない約9万4000人あまりだったが、西神ニュータウン・学園都市・西神南ニュータウンなどにおける大規模マンション建設や玉津町、伊川谷町、岩岡町における区画整理事業などによって、2019年1月現在、人口は24万3733人で、総世帯数は10万6048世帯となった。現在、同区の人口は神戸市全9区でもっとも多い。
同区域はニュータウン開発などにより、山林・原野の割合が減り全体の面積の約3割弱が宅地化だが、農地である田・畑が約4割を占め、伊川・櫨谷川・明石川沿いと神出・岩岡を中心に広がっている。また、山林・原野は区北部を中心に約3割弱の面積となっている。
西区は、このように6割以上の土地が緑であり、雄岡山・雌岡山や明石川水系に代表される自然と緑豊かな景観の街だといえる。
一方で先端産業の集積が進み、かつ学園都市としても機能する街
また、太山寺・如意寺・神出神社などの神社仏閣、吉田遺跡・王塚古墳・木津磨崖石仏などの史跡、加えて「鬼やらい」「獅子舞」「布団太鼓」などの伝統芸能が数多く伝承されている。一方、1970年(昭和55年)以降に進められた西神インダストリアルパーク(西神工業団地)、神戸テクノ・ロジスティックパーク(神戸複合産業団地)などの開発で先端産業の集積も進んでいる。
区の南東部にある学園都市は、1985年(昭和60年)6月、ユニバーシアード神戸大会が開かれた年に街開きした。当時は選手村となり、イベント広場として使われたユニバードームや、モニュメントが記念として残っている。その翌年の1986年(昭和61年)から、兵庫県立大学や神戸市外国語大学など5大学1高専がこの地に次々と移転・開学し、「学園都市」の名にふさわしい住宅団地となった。
また、1987年(昭和62年)3月には神戸市営地下鉄西神山手線が全線開通し、神戸都心へのアクセスが便利になった。1998年(平成10年)4月、明石海峡大橋と区内を走る神戸淡路鳴門自動車道・山陽自動車道・第二神明道路北線などが開通し、地域経済の活性化や交通渋滞の解消など市民生活の向上に大きく貢献した。
公開日:2020.01.06著:吉田 恒道