兵庫県伊丹市の特徴を知る
兵庫県「伊丹市」の特徴 ― ニッポンの自治体 ―
大阪・神戸の衛星都市として位置づけられるベッドタウン
兵庫県伊丹市は兵庫県南東部にあり、周囲は兵庫県尼崎・西宮・宝塚・川西各市や大阪府の豊中・池田両市と接している。地形は全体に平坦で、東部に猪名川、西部に武庫川というふたつの大きな川が市内を流れる。
兵庫県・伊丹市のマンション
2018年に兵庫県・伊丹市で販売された新築マンションは114戸。伊丹市で販売した新築マンションの相場価格は3377万円~4108万円だった。中古マンション相場価格は1680万円~4200万円である。
2019年1月現在、伊丹市の人口は20万3261人で、総世帯数は9万568世帯である。大阪市からは約10kmと近く、大阪・神戸の衛星都市として位置づけられている。JR福知山線で大阪から約30分、阪急電鉄神戸線で梅田(大阪)から20分、三宮(神戸)から30分の位置にある。
関西3空港として伊丹空港のある街
伊丹市は大阪国際空港(伊丹空港)がある街としても知られる。
その伊丹空港は、国内有数の基幹空港であり、関西3空港(大阪国際・関西国際・神戸)のひとつ。北海道から沖縄まで全国の就航都市まで約2時間以内で到着できる。東京国際空港(羽田空港)へは30分ごとに便がある。
1939年に大阪第二飛行場として開設。戦後の米軍による接収を経て、1958年に返還され、翌年大阪国際空港に名称変更し、国際空港として発展。ソウル・釜山・台北・高雄・北京・上海・香港・バンコク・シンガポール・サイパン・グァム・ホノルル・ケアンズ・シドニーなどの海外都市へ国際定期便が就航していたが、1994年の関西国際空港開港に伴い、国際線は関西国際空港に移管された。現在は、国内線が全国各地を結んでいる。
戦国武将・荒木村重ゆかりの地は、日本の「清酒発祥の地」でもある
1940年(昭和15年)11月、伊丹町と稲野村が合併し伊丹市として市制施行した。1947年(昭和22年)3月、神津村を編入・合併。1955年(昭和30年)4月に宝塚市の一部(旧長尾村の一部)編入・合併して現在の市域となる。東西7.0km、南北6.5km、総面積は25.09平方キロメートルだ。
伊丹は戦国武将・荒木村重ゆかりの有岡城跡だけでなく「清酒発祥の地」でもある。清酒は戦国武将・山中鹿之介の末裔ともいわれた山中幸元(新六)がこの地で清酒づくりをはじめたと伝えられる。
江戸時代、伊丹市は天領地として、江戸時代中期に伊丹郷町の10カ村が近衛家(現在近衛家の紋章が市章となっている)の領地(天領)となり、近衛家の積極的な保護のもとで清酒づくりが盛んになった。伊丹で造られた酒は「近衛殿御家領摂州川辺郡伊丹郷」のブランドとして高級酒の名声を博し、その産業の振興に力を入れたため酒造業が発達した。酒造業で財を成した豪商・鴻池家ゆかりの地でもある。今も市内の鴻池地区にある鴻池屋敷跡には、稲荷碑がある。
「摂津の国のかくれ里」伊丹は、俳句の街
このような街では、古くから俳句をたしなむ酒造家の旦那衆を中心に文人墨客が集まり、伊丹は「摂津の国のかくれ里」としてすぐれた俳諧文化が育った。
酒造家たちを中心に文芸が流行。「太くたくましい伊丹風俳諧」が起こる。その拠点だった俳諧塾「也雲軒(やうんけん)」には、西山宗因や井原西鶴など諸国の俳人、文人たちが集うこととなる。そうした環境に育った上島鬼貫(うえしまおにつら)は、より文学性の高い俳諧を求めて独自の俳風をつくりあげ、松尾芭蕉と並び称される俳人となったとされる。
現在、日本の三大俳諧コレクションのひとつと言われる同市内の柿衛文庫には俳人・鬼貫、芭蕉などのすぐれた作品が数多く見られる。ちなみに三大俳諧コレクションの残るふたつは、東京大学図書館「酒竹・竹冷文庫」と天理大学図書館「綿屋文庫」である。
公開日:2020.01.06著:吉田 恒道