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住まいサーフィン編集部

変動金利型のおすすめの住宅ローンと最新動向を徹底解説!

2022年11月01日

更新日最終更新日:

変動金利型の住宅ローンは、固定金利と比較すると金利が低いので毎月の返済額を抑えることができます。
住宅金融支援機構の調査によると、約7割以上が「変動金利」を選択しているようです。

とはいえ変動金利型の住宅ローンは、毎年利率の見直しが行われ、当初予定しているよりも返済額が増えるリスクも内包します。
ではどのような人に変動金利型の住宅ローンが適しているのでしょうか。

この記事では、固定金利との違いから、変動金利の動向や今後の見通し、どのような人に適しているかを解説します。
おすすめしたい変動金利型の住宅ローンも紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

この記事を書いた人

住まいサーフィン編集部

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1.変動金利とは?

変動金利とは、金利の変動によって返済額が変わる金利タイプです。

金利は半年に1回のペースで見直されます。
頻繁に金利が変動しそうで不安に感じる方もいると思いますが、実は変動金利には一般的に次の2つのルールがあります。

  • ● 5年ルール:5年間は返済額が変わらない
  • ● 125%ルール:前回の125%以上を超える返済額にはならない

半年に1回金利が見直されていても、実際に返済額が変動するのは5年に1度です。
また、125%ルールにより返済額が急激に増加することがないため、返済に対するリスクが下がります。

ただし、5年の間に増加したり125%を超えたりした分の金利は、最終返済時に清算されます。
返済中はルールによってリスクヘッジできていても、最終返済時に大きなリスクを背負う可能性があります。
日頃から金利の変動をチェックして、金利増加分に合わせて貯蓄をしておくことがおすすめです。

なお、金融機関によっては変動金利でも上記2つのルールがないことがありますので注意しましょう。

金利の低さばかりに目を奪われ、変動金利のリスクをしっかりと理解していない方はたくさんいます。
もちろん金融機関の説明不足が原因という面もあるでしょう。
しかし、借り入れるのは自分自身なので、リスクやデメリットについて勉強することが大切です。

変動金利と固定金利の違い

変動金利と比較される金利タイプに「固定金利」があります。
固定金利は、選択した期間内は金利が一定で返済額が変わりません。
また、固定金利はさらに2つの借入方法に分けることができます。

  • ● 期間選択型:5年や10年など住宅ローンの一部を固定金利にできる
  • ● 全期間型 :住宅ローンを組んだ全期間の金利を一定にできる

期間選択型は最初に選んだ固定期間が終了すると、変動金利に切り替わります。
希望によっては再度固定金利を選択可能です。

変動金利と固定金利の違いは次の通りです。

金利タイプ 金利 金利の見直し 返済のリスク 他の金利プラン
への切替え
金利プラン切替え
のタイミング
変動金利 低い 半年ごと 高い できる 好きなタイミングや金利見直しの
タイミングでできる
固定金利 高い 選択期間終了時
(全期間固定金利は
見直しなし)
低い できる
(全期間固定金利は
できない)
固定期間終了時にできる

変動金利の魅力は、金利が低く返済額が抑えられる点です。
変動金利と全期間固定金利では1%近い金利の差がつくこともあります。

3,000万円の住宅ローンを35年間借り入れしたと仮定して、それぞれの金利タイプの返済額をチェックしてみましょう。

金利タイプ 金利 月々の返済額 35年間の総返済額
変動金利 0.4% 76,557円 約3,215万円
期間選択型固定金利 0.8% 81,918円 約3,440万円
全期間型固定金利 1.4% 90,392円 約3,796万円

金利が1%異なると月々約1.4万円、35年間で約581万円の差です。
同じ借入額なのに、変動金利で借り入れした方が大きく得をすることがわかります。

返済中の金利上昇のリスクは変動金利の方が高いですが、先ほど紹介した2つのルールでリスクが軽減されています。
ただし、固定金利の方が返済リスクが少ないです。
特に全期間固定金利は、ずっと返済額が変わらないため、将来のライフプランが立てやすいでしょう。

また、変動金利は比較的自由なタイミングで固定金利へ変更できる点もメリットです。
ただし、変動金利よりも固定金利の方が早く金利が上がるため、切り替えのタイミングを悩む方も少なくありません。

逆に、固定金利は期間終了時に金利プランを選択し直します。
どのプランを選ぶか悩む必要はありますが、切り替えのタイミングを悩む必要はありません。
全期間固定金利は切り替えられないため、そもそも考える必要もないですからね。
変動金利を選択する方は、金利や経済の情報に常にアンテナを立てておくことが大切です。

低金利の変動金利型住宅ローンを組むメリット

変動金利のデメリットは、返済リスクがあるとお伝えしました。
対して、変動金利の最大の魅力である低金利にはどんなメリットが生まれるのでしょうか。

低金利の住宅ローンを組むことによるメリットは次の3つです。

  • ● 返済額が抑えられる
  • ● 審査が通りやすくなる
  • ● 借入金額を増やすことができる

1番分かりやすいメリットは返済額が安くなることですよね。
同じ借入額でも、金利が低ければ返済額は下がります。
月々の差は数千円でも、35年間に換算すると数百万円の差になるため、金利が低い住宅ローンを選ぶことは大切です。

2つ目のメリットは、審査が通りやすくなる点です。
住宅ローンの借入額を決めるときに、返済負担率という数値が審査基準として使われます。
返済負担率とは年収に占める返済額の割合です。

例えば、返済負担率25%以下しか貸し出さない金融機関があるとします。
年収600万円の人は、最大で年間150万円のローンを組めることが分かります。
月々に均すと12.5万円です。

金利による審査結果の差を見てみましょう。
借入希望額は4,600万円とします。

  金利 借入可能額
A銀行 0.5% 4,810万円
B銀行 0.8% 4,570万円

A銀行では希望していた4,600万円の審査が通りますが、B銀行では残念ながら希望額までは借入できません。
金利が低い方が、自分が希望する金額を借り入れしやすいことが分かりました。

3つ目のメリットは借入額を増やすことができる点です。
月々の同じ支払額でも、金利が低ければ多くの金額を借りることができます。
例えば、月々の支払いを10万円にしたい方のケースを見てみましょう。

  金利 借入額
A銀行 0.5% 3,850万円
B銀行 0.8% 3,660万円

どちらも月々99,940円の支払ですが、借入額に190万円もの差が出ました。
坪30万円の建物なら3坪ほど大きくしたり、キッチンやお風呂をグレードアップしたりできます。
外構費用として確保しても良いですね。

金利が低い住宅ローンを選んで借入額を上げることで、建物や土地にお金をかけることができます。
マイホームに対して要望が多く予算が足りない方は、住宅ローンの金利を見直してみるといいでしょう。

2.変動金利型住宅ローンの種類

変動金利の住宅ローンの商品は、大きく分けて2つの種類に分けられます。

  • ● 通期引下げプラン:全期間引き下げ幅が決まっている
  • ● 当初引下げプラン:当初の期間だけ引き下げ幅が大きい

どちらのプランも、基準金利から一定の割合を引き下げてくれる仕組みです。
例えば、基準金利3%の住宅ローンの引き下げ幅が2%だった場合、適用金利は1%になります。

2種類のプランがあると紹介しましたが、変動金利では「通期引き下げプラン」適用の商品がほとんどです。
まれに当初引き下げプランを選べる金融機関もありますが、選択する方はほとんどいません。
現状は通期引き下げプランでも引き下げ幅が大きいため、お得に借り入れができますからね。

期間選択型の固定金利は、上記の2つのプランを選ぶことができるケースが多いです。
当初引き下げプランの方が表面的なお得感は大きいですが、長期的に見ると損をするケースも少なくありません。
当初引き下げプランを選ぶときは、期間終了後の引き下げ幅を必ずチェックしましょう。

3.最新の変動金利の相場・動向

最新の変動金利の相場や動向について解説します。

変動金利の最新動向

現在、変動金利は低水準のまま、変動がほぼない横ばいな状態が続いています。
各金融機関とも、引き下げ幅を大きくすることで低金利化を図り、顧客を獲得しようとしているためです。

住宅ローンの借り手側にとっては、非常に良い状態が続いていると言えます。
0.3~0.4%台で借入できる住宅ローンもあり、固定金利と比較するとかなり低い金利で借り入れすることが可能です。

変動金利と関係のある短期金利も、2009年1月以来まったく変動していません。
各金融機関とも、引き下げ幅による微妙な金利の変動はありますが、2021年から引き続き安定した低金利が継続しています。

対して、固定金利は変動金利と比べて金利の増減が多く、2022年~2023年は上昇傾向にあります。
また、2022年12月20日には、長期金利の変動許容幅を0.5%に拡大することを日銀は発表しました。
固定金利は長期金利が基準となるため、今後も上昇は続くと予想されます。
変動金利には直接影響はありませんが、将来的には変動金利も上がる可能性はあります。

これから新規で借り入れする方は、これまでの金利の動きや今後の動向を見ながら、変動金利か固定金利を選択してください。

今後の見通し

変動金利に関しては、今後すぐに金利が大幅に増加することはないと考えられます。
しかし、日銀は長期金利の変動許容幅を拡大して、事実上大規模緩和の修正に入りました。
先行きは不透明ですが、変動金利も上昇していくかもしれません。
現在の変動金利は下げ止まりとも言われています。
「上がることはあっても、下がることはない」ということです。

また、金利が上昇すると後々物件価格は下がる傾向があるため、もし金利が上昇する事態になったらタイミングを待つという選択肢もあるでしょう。
常に情勢や金利をチェックしながら、マイホーム計画を進めてくださいね。

変動金利の相場

変動金利の現在の相場については、毎月更新している以下の記事で解説しています。

主要な金融機関の金利が一目で比較できるので、是非ご覧ください。

住宅ローンの金利相場をタイプ別に徹底比較!お得に借り入れするために!

2023/03/01

最新の金利相場について解説をし、タイプ別に金利を比較します。

4.住宅ローン選びのポイント

住宅ローンを選ぶ際のポイントを紹介します。

金利が安いか

変動金利は金利が低いと言っても、金融機関や住宅ローンの商品内容によって大きく差があります。
0.3%台で借入できる住宅ローンもあれば、0.8%台の住宅ローンも。
3,000万円を35年間で借り入れしたときの返済額の差は次の通りです。

  金利 月々の返済額 35年間の総返済額
A銀行 0.3% 75,253円 約3,160万円
B銀行 0.8% 81,918円 約3,440万円

月々6,000円以上、35年で約280万円の差がつきます。
変動金利を選んで同じ返済リスクを背負うなら、できるだけ低い金利を選ぶべきです。
複数の金融機関の変動金利同士を比較して、お得に借り入れができる住宅ローンを選んでくださいね。

保険・保障がついているか

金利の低さだけではなく、保険や保障の内容も必ずチェックすることをおすすめします。
住宅ローンは団体信用生命保険という、死亡や高度障害に対する保障がついた保険に加入することが一般的です。

金融機関によって内容や保険料はそれぞれ異なるため、疾病の内容や保険の適応条件などを詳しくチェックすることが大切です。
例えば、保険適用内の疾病になったときに、保障の内容は次のような違いがあります。

  • ● 3ヶ月働けない状態が続いたらローン残高がゼロになる
  • ● 1年間働けない状態が続いたらローン残高がゼロになる

他にも、がんと診断された時にローン残高がゼロになる以外に、給付金や先進治療の保障も受けられる手厚い保険もあります。

保険が充実している住宅ローンに加入しておけば、万が一の事態が起きても安心です。
家族の生活を守れるように、必要な内容の保険に加入しておきましょう。

5.変動金利型のおすすめの住宅ローン

変動金利型のおすすめの住宅ローンを紹介します。
金利の低さと保険の内容を加味して、おすすめできる金融機関を選んでいます。

なお、店舗とインターネットどちらからも手続きができて、かつ適用金利が異なる場合、本記事ではインターネット手続きの金利を記載しています。
一般的には、インターネットからの手続きの方が金利が安いことが多いです。

「みずほ銀行」ローン取扱手数料型

最初にご紹介するのは、「みずほ銀行」のローン取扱手数料型です。

変動金利 0.375%~
団信 ● 8大疾病補償プラスがんサポートプラン(独自の保険料算出方法)
● がん団信(金利+0.1%)
手数料 借入金額×2.2%
保証料 0円

2023年3月現在

みずほ銀行のポイントを紹介します。

  • ● メガバンクでありながら、業界上位の低金利を実現
  • ● ネット申込でも不明点はメッセージ機能や電話で相談が可能

みずほ銀行のネット専用の住宅ローンは、業界の中でトップレベルの金利の低さと言えるでしょう。
ただし、上記表の金利を適用したいなら、手数料を前払いかつ一括で支払う必要があります。
数十万円という手数料が初めにかかるため、初期費用を抑えたい方には不向きです。

また、ネットから申し込む場合でも、メッセージ機能や電話で相談をすることができます。
専任の担当者がつくので、手続きに不安がある人でも安心です。

みずほ銀行には有料の団信が2種類用意されています。
8大疾病は借り入れする人によって保険料が異なる点が特徴的です。
返済額や年齢によって保険料が決まるため、少ない金額や若い年齢で住宅ローンを組む方におすすめします。

「PayPay銀行」全期間引き下げプラン

次にご紹介するのは「PayPay銀行」です。

変動金利 0.349%~
団信 ● 一般団信プラス・がん先進付(金利上乗せなし)
● がん50%保障団信(金利上乗せなし)
● がん100%保障団信(金利0.1%上乗せ)
● 11疾病保障団信(金利0.3%上乗せ)
● ワイド団信(金利0.3%上乗せ)
手数料 借入金額×2.2%
保証料 0円

2023年3月現在

PayPay銀行のポイントは次の2点です。

  • ● 業界最高ランクの低金利
  • ● 保険の種類や内容が充実

PayPay銀行は業界トップレベルの低金利を誇る金融機関です。
ただし、個人事業主や自身・家族が経営する会社に勤めている人は、原則借り入れができないため注意しましょう。

保障内容は手厚い点が魅力的です。
金利上乗せなしで、ガンと診断されたらローン残高が50%になり、100万円の給付金と先進医療の治療費を保障してくれます。
ガン100%保障団信も0.1%上乗せで加入できるのは魅力的です。
一般団信以外にも保険内容を充実させたい方に、おすすめの住宅ローンになります。

「SBIマネープラザ(住信SBIネット銀行)」通期引下げプラン

最後にご紹介するのは、「SBIマネープラザ(住信SBIネット銀行)」の通期引下げプランです。

変動金利 0.375%~
団信 40歳未満
● 全疾病保障、3大疾病50%保障(金利上乗せなし)
● 3大疾病100%保障(金利0.2%上乗せ)
40歳以上
● 全疾病保障(金利上乗せなし)
● 3大疾病50%保障(金利0.25%上乗せ)
● 3大疾病100%保障(金利0.4%上乗せ)
手数料 借入金額×2.2%
保証料 0円

2023年3月現在

SBIマネープラザのポイントは次の2点です。

  • ● 0.3%台の低金利で住宅ローンが組める
  • ● 40歳未満の団信内容が充実している

SBIマネープラザは住信SBIネット銀行の代理業者です。
他の2社と同じく0.3%台の低金利で借り入れができます。

他の金融機関との違いは、金利上乗せなしの団信の内容が充実している点です。
40歳未満で借り入れをすれば、全疾病に加えて3大疾病に対する保障がついてきます。

金利を上げずに団信を充実させたい人におすすめです。
月々の返済やローン残高の保障には、条件がありますので詳しく確認してください。

6.まとめ

変動金利は金利の低さが最大の魅力です。
低金利の住宅ローンは返済額を少なくしたり、借入額を上げられたりと多くのメリットがあります。

一方で、変動金利は返済のリスクがある点がデメリットです。
リスクを軽減する変動金利独自のルールもありますが、固定金利と比較すると返済リスクが高いことに代わりはありません。
デメリットをしっかり理解した上で、金利プランを選ぶことが大切です。

ただ金利が低いことは大きなメリットです。
変動金利を選択すると決めたら、なるべく金利が低く、保険が充実した住宅ローンを探してみてください。

現在は低水準の変動金利も、今後は上昇する可能性があります。
金融機関の金利や国の経済情報をチェックしながら、ベストな住宅ローンを選びましょう。

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