東京都小金井市の特徴を知る
東京都「小金井市」の特徴 ― ニッポンの自治体 ―
JR中央線高架化を終えて再開発が進む、豊富な水と大規模公園のある学園都市
東京・小金井市は、東京都のほぼ中央、武蔵野台地の南西部にあり、都心から約25km西方に位置する。同市の東は武蔵野市、三鷹市、西は国分寺市、南は調布市、府中市、北は小平市、西東京市に接しており、鉄道は市の中央部をJR中央線が東西に走り、幹線道路は小金井街道が南北に縦貫し、北部では五日市街道が東西に通っている。総面積は11.30平方キロメートルだ。
東京都・小金井市のマンション
2018年、東京都・小金井市で販売された新築マンションは131戸。同市で販売した新築マンション相場価格は5168万円~5812万円だった。同市内の中古マンション相場価格は3150万円~6720万円。
2019年1月現在、東京・小金井市の人口は、小金井市の発表によると12万1443人。総世帯数は6万367世帯だ。
かつて、JR武蔵小金井駅東側の小金井街道踏切は、1時間に50分以上閉まっていることもあった「開かずの踏切」として有名だったが、2009年まで実施されたJR中央線の高架事業が終わったことで解消された。今後、武蔵小金井駅周辺の再開発が急速に進むとみられる。
玉川上水が完成した江戸時代以降、急速に集落が発達
このエリアでは、江戸時代に玉川上水が完成して以降、新田開発が活発となり、急速に集落が発達した。明治維新後、廃藩置県によって同地域は神奈川県に属し、1889年(明治22年)の町村制の施行により、小金井村、貫井村、貫井新田、小金井新田、梶野新田、関野新田、十ヶ新田に、下染屋、押立、人見、本多新田、是政、上石原の飛地を加え、現在の市域とほぼ同じ小金井村を発足させた。1937年(昭和12年)2月、町制を施行した。小金井の地名は、「黄金に値する豊富な水が出る」ことから、黄金井(こがねい)が小金井になったと言われる。市制施行については後述する。
みどり溢れる学園都市「こがねい」
戦後、住宅都市化として発達し、人口が4万人超となった1958年(昭和33年)10月1日に市制を施行した。同市は国立学芸大学およびその付属幼稚園から中学校、中央大学付属中学校・高等学校などが集まった学園都市で、研究施設が数多く設置される。
同市公立学校の児童生徒の学力は、比較的レベルが高いとされている。毎年実施されている小中学校における東京都学力テスト第1回で、同市立中学校が1位となったこともある。
また、市内には都立小金井公園、都立野川公園、都立武蔵野公園などの大きな公園があり、小金井公園内には「江戸東京たてもの園」があり、そこには歴史的文化価値の高い建物が保存されている。小金井公園には、約1800本におよぶ桜があり、都内有数の花見の名所となっている。また、野川公園は、豊かな水と緑に恵まれた野趣に富む公園で、清流の復活で、市の鳥「カワセミ」も飛来する緑溢れる公園となっている。
小金井市では、2011年(平成23年)3月に、小金井市緑の基本計画を改訂し、 市民、事業者、そして小金井市が「みどり」に関する将来目標を掲げ、「私たちのみどり、育てるみどり、活かすみどり」を基本理念として、10年間に取り組みを明らかにしている。小金井市は緑の多い住宅都市、文教都市としての性格が強い街だ。
同市内には1992年からアニメーション制作会社「スタジオジブリ」が梶野町に本社を置き、宮崎駿氏は小金井市の名誉市民。
なかなか決着しない「小金井ゴミ問題」
小金井市は東京自治体としていち早く“家庭ゴミ収集の有料化”を実施したことでも知られ、2005年8月から実施された。現在では周辺自治体にも有料化は波及し、武蔵野市、西東京市、府中市、三鷹市が追随した。小金井市では、1957年に設立したゴミ処理工場が老朽化のため2007年に閉鎖されて以降、現在まで自治体としてゴミ処理工場が無い。新工場を建設しようとした市だが、住民の反対で用地取得すら一向に進んでおらず、市長の辞任劇まで起きた“小金井ゴミ問題”は、いまだに解決していない。
公開日:2019.12.26著:吉田 恒道