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住まいサーフィン編集部

【2024年最新】住宅エコリフォーム推進事業とは?補助金がもらえる条件をご紹介

2024年03月06日

更新日最終更新日:

「住宅エコリフォーム推進事業」を活用すると、リフォームで補助金がもらえる可能性があります。
自宅の改修を検討しているのであれば、お得な制度をフル活用したいですよね。

本記事では、住宅エコリフォーム推進事業の制度概要、具体的にどのような工事が対象となるのか、また申請手順について解説します。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

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1.住宅エコリフォーム推進事業の概要

まずは、住宅エコリフォーム推進事業について、制度概要を確認していきましょう。

住宅エコリフォーム推進事業とは

国土交通省の公式サイトには、「カーボンニュートラル※1の実現に向け、住宅ストックの省エネ化を推進するため、住宅をZEH※2レベルの高い省エネ性能へ改修する取組に対して、期限を区切って国が直接支援を行う。」と記載されています。

つまり、住宅エコリフォーム推進事業とは、リフォームの際に省エネ効果の高い設備を導入することで、国から補助金を受け取れる制度となっています。

※1 カーボンニュートラルとは?

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにした状態を意味しています。
ガスを排出せざるをえなかった分については、吸収または除去することで、ゼロを目指すものです。

日本政府は2050年までにカーボンニュートラルを実現することを目指しています。

※2 ZEH住宅とは?

ZEHとは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称となっています。

ZEHとは、住宅の高断熱化をベースとし、高効率設備による省エネを組み合わせることで、住宅内のエネルギー消費量を削減した住まいです。
さらに、太陽光発電といった再生可能エネルギーを導入することで、年間を通じエネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指しています。

つまりZEH住宅は、カーボンニュートラルを目指した住宅というわけです。

ZEH住宅として認定されるためには、4つの基準に適合させる必要があります。

No. 基準 対策
1 強化外皮基準※を満たす
※地域別に定められた断熱性能基準
住宅の高断熱化
窓・扉の交換、内窓の設置、外壁や床下の断熱工事など)
2

基準一次エネルギー消費量を20%以上削減

高効率設備の導入
冷暖房設備、照明設備、給湯設備など)
3 再生可能エネルギーの導入 太陽光発電、太陽熱発電
ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)の導入
4 1~3の導入により、基準一次エネルギー消費量から100%削減
(エネルギー消費収支をゼロ以下にする)

さらに、ZEHを導入するメリットは環境への配慮だけではありません。
断熱効果を上げることで、居住者にとってもたくさんの嬉しい効果があります。

ZEH化のメリット

  • ● 快適な室内温度が保たれるため、健康に暮らせる
  • ● 省エネ設備の導入により光熱費が安くなる
  • ● 耐震性が強化され安全・安心な暮らしが送れる

日本の住宅は、他の先進国と比較し断熱効果が低く、室内が非常に寒いことが以前より問題視されています。
冬場、浴室やトイレが寒いと感じている方も多いのではないでしょうか。

政府主導により、「地球にやさしく、居住者が快適に暮らすための改修」への支援が進められているというわけです。

住宅エコリフォーム推進事業の対象となる工事

さて、住宅エコリフォーム推進事業で補助金の支給対象となる工事には下記のようなものがあります。

省エネ診断

既存の住宅について、第三者機関による調査を依頼した際に補助金が給付されます。
家族構成やライフスタイルをヒアリングし、現在の光熱費の使用状況、CO2排出量が適正か診断されます。

省エネ設計

省エネ設計とは、既存住宅の省エネ改修を行うために必要な調査・設計・計画を指します。
改修設計の内容について第三者機関に評価をお願いする場合、その依頼費用も補助金の対象となります。

省エネ改修

住宅エコリフォーム推進事業では、全体改修・建て替え・部分改修のいずれも補助金の対象となります。

全体改修・建て替えは、建物全体をZEH水準にすることが必須条件として求められます。

部分改修は複数の開口部についてZEH水準を満たす改修を行うことが必須条件となります。
そして、開口部改修と併せて実施される他工事も補助の対象となります。

具体的には、以下のような工事が補助金対象となります。

  • ● 開口部の断熱改修(ガラス・玄関ドアの交換、内窓の設置
  • ● 躯体の断熱改修(外壁、屋根、天井、床
  • 省エネ効果の高い住宅設備の導入

省エネ効果の高い住宅設備

省エネ効果の高い住宅設備の導入も補助金対象となります。
対象商品の例として下記のようなものがあります。

  • ● 太陽熱利用システム
  • ● 電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器(ハイブリッド給湯機)
  • ● ヒートポンプ給湯機(エコキュート)
  • ● 潜熱回収型石油給湯機(エコフィール)
  • ● 潜熱回収型ガス給湯器(エコジョーズ)
  • ● 浴室シャワー水栓
  • ● 高断熱浴槽
  • ● 燃料電池システム(エネファーム)
  • ● 蓄電池
  • ● LED照明

なお、補助対象となる建材・設備は、住宅省エネ2023キャンペーン(こどもエコすまい支援事業、先進的窓リノベ事業、給湯省エネ事業)に登録されているものに限られます。

住宅エコリフォーム推進事業の補助金額

住宅エコリフォーム推進事業の補助額は次の通りです。

省エネ診断 【補助率】民間実施:国1/3 公共実施:国1/2
(金額上限は定められていない)
省エネ設計・省エネ改修 1戸あたり最大35万円(補助対象費用の40%まで)

ちなみに、2022年度(令和4年度)の補助率は戸建て住宅で11.5%、マンションは1/6でした。
2023年度の補助率は40%ですから、2022年度と比較し補助金額が大きく拡大しています。

また、年度ごとに事業全体の予算が決められており、2023年度(令和5年度)の予算額は280億円でした。
2023年度はあまりに好評となり、5月末の受付開始から1か月強で予算上限に達し、受付終了となりました。

(出典)リフォーム産業新聞

2023年度予算がすぐに終了してしまったため、国土交通省は2024年度(令和6年度)の予算要求を拡充しています。
2024年度の詳細はまだ発表されていませんが、事業は継続される見込みです。

住宅エコリフォーム推進事業の補助金を申請したい方は、開始時期に合わせて申請できるよう準備を進めておく必要があります。
リフォーム会社への相談を早めに済ませておくのも良いでしょう。

2.住宅エコリフォーム推進事業でいくら補助金がもらえるのか?

住宅エコリフォーム推進事業を活用すると、実際にどの程度補助金がもらえるのでしょうか。
下記は、住宅エコリフォーム推進事業のアウトラインに掲載されているモデル工事費です。

部位 ガラス交換 内窓設置・外窓交換 ドア交換
面積 1枚あたりの
モデル工事費
面積 1枚あたりの
モデル工事費
面積 1枚あたりの
モデル工事費
1.4㎡以上 96,000円 2.8㎡以上 248,000円 開戸:1.8㎡以上
引戸:3.0㎡以上
360,000円
0.8㎡以上
1.4㎡未満
72,000円 1.6㎡以上
2.8㎡未満
192,000円
0.1㎡以上
0.8㎡未満
24,000円 0.2㎡以上
1.6㎡未満
160,000円 開戸:1.0㎡以上1.8㎡未満
引戸:1.0㎡以上3.0㎡未満
320,000円

補助金額シミュレーション

モデル工事費をもとに、大窓2枚に内窓を設置・玄関ドアを交換する場合に申請できる補助金額をシミュレーションしてみます。

(1)内窓設置(大)

モデル工事費248,000円×2枚×40%=補助額198,400円

(2)ドア交換(大)

モデル工事費360,000円×40%=補助額144,000円

(1)と(2)の合計

198,400円+144,000円=補助額の合計342,400円

一戸あたり最大35万円まで補助してもらえるため、大変お得にリフォームができます。

住宅エコリフォーム推進事業は、部分改修工事を行う場合には複数の開口部の改修が必須です。
窓の断熱改修を行いたい方、窓リフォームと合わせて住宅設備を交換したい方におすすめの補助金となっています。

3.住宅エコリフォーム推進事業の手続きの流れ

ここからは、住宅エコリフォーム推進事業について、実際の手続きの流れを確認していきましょう。

事業者登録

住宅エコリフォーム推進事業による補助金申請は、利用者個人ではなく施工業者から手続きを行います。
そのため、まずは補助金申請前にデジタル庁の電子申請システム「jGrants」から事業者登録を行ってもらう必要があります。

ご参考までに、2023年度の登録・申請スケジュールは下記のようになっていました。

時期 手続き等
令和5年 4月28日 事業者登録受付開始
5月26日 申請受付開始
6月23日 完了実績報告受付開始
12月15日 事業者登録受付期限
令和6年 1月19日 交付申請の申請期限
2月29日 完了実績報告の申請期限

※完了実績報告の申請は、上記提出期限にかかわらず、補助事業に係る工事等の完了後1ヶ月以内に提出する必要があります。

補助金交付

補助金の交付も、登録事業者が「jGrants」からオンライン申請を行います。
なお、住宅エコリフォーム推進事業は工事前の申請が可能となっています。

工事にプロジェクト名を付け、必要書類を揃えて申請します。
必要書類は、工事の内容に応じて変わります。

具体的には部分改修・全体改修・建替え・省エネ診断と4つの区分に分かれています。
ご自身の改修内容に合わせて書類を準備しましょう。

No. 申請書類 部分改修 全体改修 建替え 省エネ診断のみ
1 補助対象事業費内訳書
根拠 工事請負契約書
設計等の業務契約書の写し(建替えの場合は解体工事を含む)
見積書及び見積明細書
2 共同事業実施規約、もしくは買取再販に係る誓約書
3 建築基準法に基づく「確認済証」の写し
又は建築工事届(確認申請が不要な地域の場合)
     
4 従前建物の不動産登記における建物の登記事項証明書      
5 当該建物の不動産登記における建物の登記事項証明書  
6 立地条件確認書及び建築士免許証の写し      
7 本事業の建物性能要件を満たしていることを証明する
各種第三者機関の証明書等(BELS評価書等)
   
8 エコ住宅設備のカタログ(型番登録のないLED照明)等      
9 対象の工事内容が分かる図面等  
10 【部分改修で旧耐震基準建物の場合】
補助事業証明書もしくは耐震工事を予定している旨を証する書類
     
11 【全体改修、建替えの場合】
建物の構造が基準に適合している旨を証する書類及び建築士免許証の写し
   
12 支援室が確認に必要と判断するもの

各書式は住宅エコリフォーム推進事業のホームページより取得できます。

住宅エコリフォーム推進事業は他の補助金と併用できるのか?

原則として、住宅エコリフォーム推進事業と補助対象が重複する他の制度との併用はできません
住宅分野における代表的な補助制度との併用の取扱いについては次の通りです。

【併用可】

  • ● 住宅ローン減税等の税制優遇
  • ● 被災者生活再建支援制度

【工事請負契約が別である場合は併用可】

  • ● 外構部の木質化対策支援事業
  • ● 住宅・建築物安全ストック形成事業
  • ● ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化による住宅における低炭素化促進事業
  • ● 次世代省エネ建材支援事業
  • ● 既存住宅の断熱リフォーム支援事業
  • ● 介護保険制度・市街地再開発事業への補助
  • ● サステナブル建築物等先導事業
  • ● 災害救助法に基づく住宅の応急修理制度

【工事請負契約が別、かつ工期が別である場合は併用可】

  • ● 長期優良住宅化リフォーム推進事業
  • ● 地域型住宅グリーン化事業
  • ● こどもみらい住宅支援事業(補助金)
  • ● 住宅・建築物省エネ改修推進事業(交付金)

※工期の一部が重なる場合、併用はできません。

4.まとめ

本記事では、住宅エコリフォーム推進事業の制度概要についてご説明しました。
補助金制度は様々なものがあり、制度を理解することでお得にリフォームが出来ます。

損をしないよう、国の補助金制度はしっかりと確認しておきましょう。

世界的にも省エネやカーボンニュートラルが重視されていますが、日本の住宅市場においても今後重要になるのが省エネ性能の高い住宅です。
国や自治体もさまざまな補助金制度でその推進をバックアップしています。

省エネ住宅の重要度は理解できたし、今なら補助金ももらえる。いざ行動しよう!とした皆さんは、以下のように思われたのではないでしょうか?

  • 補助金の仕組みが複雑すぎて、何をどうしたら良いか分からない
  • ● 補助金はもらいたいが、仕組みを理解するために学ぶ時間が取れない
  • ● 業者に騙されたニュースを聞いたことがあり、少し怖い
  • ● 実際にどの業者を選べば良いのか分からない

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