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住まいサーフィン編集部

マンション購入時に必要な火災保険の選び方は?補償内容も解説!

2023年12月11日

更新日最終更新日:

分譲マンションを購入したら、多くの人が火災保険へ加入することになります。
火災保険といっても、プランも様々です。保険料も会社やプランによって大きく異なるので、どれに入れば良いか悩む方も多いのではないでしょうか。

本記事では、火災保険の基礎知識やマンション購入時に必要な補償について解説していきます。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

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1. マンションを購入するとき、火災保険加入は義務?

まずは、火災保険がなぜ必要なのかご説明します。
火災保険とは、火災や自然災害などによって建物・家財に被害があった際、その損害を補償する保険です。

火災保険への加入は義務ではありません。

しかし、住宅ローンを組んでマンションを購入する場合は、火災保険への加入が必須になることが多いです。
住宅ローンの返済期間は長いので、その期間中に火災など不測の事態が発生する可能性があるからです。
火災などによって損害を受けた場合、金融機関(債権者)は、担保である住宅を失ったり担保価値が下がったりするおそれがあります。
お金を借りている債務者にとっても、多額の修繕費用がかかったり住宅を失ったりするリスクがあるため、火災保険に加入した方が安心です。

他の家から火が燃え移っても損害賠償請求できない!?

例えばマンションの別の住人宅から出火して、自分の家財に損害があった場合。
出火原因にもよりますが、出火元の住人には損害賠償請求ができないことがあります。

それは失火責任法で次のように定められているからです。

「民法第709条の規定は、失火の場合には、適用しない。ただし、失火者に重大な過失があったときは、この限りでない。」

通常の不法行為であれば、民法第709条により「故意又は過失」があれば損害賠償責任を負うことになります。
しかし、日本には木造家屋が多かった背景から失火責任法が制定され、それが現在も残っています。
これにより「重大な過失」がある場合にのみ損害賠償責任を負い、軽過失による場合は負わなくて良いとされました。
過去に「重大な過失」と認められたものとしては、寝たばこの不始末や暖房機器使用時の不注意などがあります。

出火元の住人に損害賠償請求できない場合でも、自分で火災保険に加入していれば損害は補償されます。

専有部分と共有部分で火災保険加入者は違う?

分譲マンションには、自分が所有している専有部分と、それ以外の共有部分があります。
実はこの区分は少し複雑で、共有部分は、エントランス・廊下・階段・エレベーターなど名前から想像されるもの以外に、窓やバルコニーも含まれます。

分譲マンションの専有部分と共有部分

火災保険の加入者は、専有部分は居住者、共有部分はマンション管理組合となります。

2.マンションに必要な火災保険の補償とは?

つづいて、火災保険には具体的にどのような補償があるのか見てみましょう。

マンションでの生活中、他の住人の不注意によって被害を受けたり、逆に自分が他の住人へ被害を与えてしまったりすることがあります。
それは火災に限ったことではなく、マンションという構造だからこそ起こりやすい事故も。
マンション購入者にはどのような補償内容があれば安心なのでしょうか。

火災保険の補償内容

一般的な火災保険では「火災」「落雷」「破裂」「爆発」によって生じた損害が補償されます。

そこにプラスして、様々なものをオプションで追加できます。

風災・雹水・雪災 台風や雹、大雪による被害
水災 洪水による床下浸水、土砂崩れ
水漏れ 漏水など
盗難 空き巣による盗難被害
破損等 不測かつ突発的な、外部からの物体の飛来や衝突

マンション購入者におすすめの補償と選び方

マンションでよくある損害として、上の階からの漏水によって自分の建物や家財に被害を受けるケースがあります。
上の階の住人に過失があれば損害請求を求めることができますが、自分の火災保険から「水漏れ」の補償を受けることも可能です。

また、低層階に住んでいる場合、集中豪雨による床下浸水などの水災や台風で物が飛んでくる風災の被害が予想されます。

オプションを追加すると保険料は高くなるので、多ければ良いというものではありません。
どのオプションを付けるのか、ハザードマップを確認するなど自身でよく検討することをおすすめします。

個人賠償責任保険

個人賠償責任という、第三者に損害を与えてしまうことへ備える特約保険もあります。
自分や家族の不注意で第三者へ損害が発生した場合、この特約によって損害を補償します。
ただし、必ずしも火災保険のオプションで追加する必要はなく、他の保険に付帯しているものを使用する方法もあります。
火災保険に加入する前に、一度ご自身や家族が加入している保険について見直すと良いでしょう。

破損・汚損等補償

破損・汚損等補償とは、偶然起きた事故によって建物や家財を壊してしまったときに保険金を支払ってもらえる特約のことです。
例えば下記のようなものは対象になることがあります。

  • ● 子供が家の中で遊んでいたら、窓ガラスが割れてしまった
  • ● 模様替えをしていたらテレビを落として破損してしまった
  • ● 引っ越しの準備をしていたら壁に穴が開いてしまった

不測かつ突発的な事故であれば対象になります。特にお子さんがいるご家庭におすすめのオプションです。

地震保険はどうする?加入率は高い?

ほとんどの火災保険では、地震保険を特約で追加できます。
地震や津波が原因の場合は、通常の火災保険単体では免責事項のため、補償の対象に入らないことがほとんどです。
また、地震保険は単体では加入できず、必ず火災保険に付帯することになります。

マンションの場合は高層階であるほど揺れが大きくなりますので、大きな地震でなくても家財に被害が生じる可能性があります。
日本は地震が多いので、この特約を付けている人が多いようです。
損害保険料率算出機構統計集(2022年版)によると、2022年度の地震保険付帯率は69.4%でした。
※火災保険加入件数のうち、地震保険を付帯している件数

マンションによっては免震構造で保険料が安くなることもあるので、加入時には条件を満たしているか確認した方が良いでしょう。

3.火災保険料の相場はどれくらい?

ここまで火災保険の補償内容について見てきましたが、加入するときに1番気になるのはその金額。

火災保険は、生命保険のようにプランごとに保険金額が決まっているものではありません。
所在地や建物の評価額などによって計算されるので、同じ補償内容でも保険料は人それぞれ異なります。

今回は火災保険料を左右する、「建物の構造」「所在地」「建物の評価額」について解説します。

建物の構造

建物はその構造によって燃えにくさや壊れにくさが違います。

火災保険における建物は次の3構造に区別され、マンションが該当するМ構造は一番保険料が安いです。

  • ● М構造(代表例:コンクリート造のマンション)
  • ● T構造(代表例:鉄骨造りの一戸建て)
  • ● H構造(代表例:木造の一戸建て)

所在地

都道府県によって自然災害による損害の発生率は異なるので、
台風や豪雪などの自然災害が多いエリアの場合は保険料も高く設定されます。

建物の評価額

一般的には、建物の評価額が高いほど保険料も高くなります。
建物評価額とは、新築マンションの場合は土地や諸経費を除いた「建物」の価額です。消費税から逆算して算出することもできます。
中古マンションの場合は建築年や購入時の建築価額によって算出されます。

また、評価額の算出基準には「再調達価額」と「時価額」があります。

「再調達価額」は火災などで建物や家財が損害を受けたときに、それらを再築・再取得するのに必要な金額です。
一方、「時価額」は老朽化を加味した現状相当の金額です。

十分な補償を受けるためには、「再調達価額」で算出した方が安心です。

自分の火災保険料の目安を知るには?

火災保険の会社によっては、サイトで火災保険料がおおよそいくらになるかシミュレーションができます。
今回は、ソニー損保のウェブサイトで試算してみました。

試算したケース

  • ・東京都の新築分譲マンション/3LDK(専有面積70㎡)/免震建築物
  • ・2024年1月1日から補償開始/契約期間5年
  • ・4人家族(大人2人、子供2人)/世帯主は37歳
  • ・建物の保険金額(補償額)1,100万円/家財の保険金額(補償額)1,200万円
  • ・オプション(すべて建物と家財):地震保険、風災・雹災・雪災、水漏れ
  • ・自己負担額なし

シミュレーションの結果、火災保険料の概算は年間で20,189円と出ました。なお、もし破損・汚損等補償特約を付けると年間5000円ほど高くなるようです。

オプションの有無によってどれくらい金額が変わるのかも分かるので、
火災保険の補償内容に悩んでいる方や相場が気になる方も、まずは一度試算してみてはいかがでしょうか。

少しでも保険料を安くするには?

損害を受けたときの「自己負担額」を設定することで、保険料を抑えることができます。
自己負担額が高いほど保険料も安くなりますが、損害があったときの火災保険金が少なくなってしまうので注意しましょう。

また、契約期間が長いほど保険料総額は安くなります。
契約期間が短いと保険料改定の影響も受けやすくなってしまいます。
自然災害の増加で火災保険料の値上げが続いているようなので、なるべく長い契約期間にした方が良いかもしれません。

将来的にマンションを売却することになっても、残った契約期間分の保険料は手続きをすることで返金されます。

4.加入する火災保険の保険会社はどうやって決める?

最後に、火災保険の会社を決めるためのポイントを見ていきましょう。

火災保険を取り扱う保険会社は多くあり、会社によって補償内容や保険金額は異なります。
マンション購入時に不動産会社や銀行からおすすめされることがあるかもしれませんが、どの保険会社にするかはしっかり調べた上で決定しましょう。

①複数の会社で見積もり

今はインターネットで簡単に見積もりを依頼することができます。
一括見積もりを取り扱っている会社もあるので、保険料や補償内容などを比較してみましょう。
保険会社によっては、インターネットで申し込むことで割引されるケースもあります。

②金額だけでなく、補償内容も確認

保険金額が安いという理由だけで決めてしまうと、実際に損害を受けてしまったときに十分な補償が支払われない場合があります。
自分の購入するマンションにはどのようなリスクが予想されるのか、事前にハザードマップも確認するようにしましょう。

また、会社によってはパッケージプランを取り扱っていますが、自分にいらない補償がついていることも。
希望する補償内容によっては、パッケージプランよりも自分で選ぶタイプの方が保険料が安くなる場合があります。

火災保険はいつまでに入れば良い?

分譲マンションを購入する場合、いつまでに火災保険を決めれば良いのでしょうか。

加入申し込みしてから契約開始までにかかる時間は、保険会社によって異なります。
火災保険の補償開始日(契約の始期)は、マンションの引き渡し日になります。

余裕をもって、引き渡しの2週間前までには申し込み手続きをした方が良さそうです。
どの保険会社にするかじっくり検討したい場合は、引き渡し日が決まったらすぐに各社へ見積もりを依頼しましょう。

5.まとめ

今回の記事では、マンション購入時に火災保険へ加入する理由や、必要な補償などをご紹介しました。

火災保険は火災だけでなく、住まいでの損害に備えるための保険です。
マンションと一戸建ては、想定される損害が異なります。
ご自身が購入するマンションにはどのような火災保険が必要か、十分に検討することが大切です。

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