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住まいサーフィン編集部

「マンション」と「一戸建て」維持費を比較!高いのはどっち?年間費用もシミュレーションで比較!

2022年10月31日

更新日最終更新日:

家を購入すると、マンション・一戸建てどちらの場合も維持費がかかります。
しかし、マンションの方が維持費が高いイメージがあり、老後も支払えるのか不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、マンション・一戸建てそれぞれに発生する維持費の内訳をご説明します。
また、マンションにかかる維持費を築年別にシミュレーションした結果もご紹介します。

この記事を書いた人

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マンション・一戸建ての維持費はどちらが高いのか?

まず気になるのが、マンション・一戸建ての維持費はどちらがより高いのかという点。
一般的には、マンションの方が維持費が高い傾向があります。

1年間の維持費の差

費用内訳 マンション 一戸建て
税金 15万円 15万円
保険料 1万円 1万円
管理費 18万円 なし
修繕積立金 12万円 なし
駐車場代 12万円 なし
合計 58万円 16万円

※自動車を所有する場合を想定、金額は目安となります
※一戸建ての場合、自主メンテナンスが必要

このように、1年間で比較するとマンションの維持費の方が一戸建てと比較し、3倍強高くなります。
維持費にここまでの差が出る最大の要因はマンションの管理費にあります。

ただし、マンションは管理費を支払った分、マンションならではの管理サービスが提供されるメリットがあります。
ゲストラウンジやフィットネス施設の利用や、各階ゴミ置き場やコンシェルジュなどサービスの内容はマンションによって様々。
充実した管理サービスが受けられるのが、マンションに住む最大の利点ともいえます。

また、自動車を所有しない場合は駐車場代は不要になります。
マンションは駅近くに建てられることも多く、利便性の高さが魅力ともいえます。
マンションを選ぶ場合は車を所有しないという選択をとっても良いかもしれません。

次の項からは、マンションにかかる維持費の内訳をさらに詳しく確認していきます。

マンション・一戸建てに共通する維持費

まずは、マンション・一戸建てに共通する維持費の内訳から見ていきましょう。

税金(固定資産税・都市計画税)

固定資産税・都市計画税とは、所有する不動産の所在地である自治体に納める地方税です。
年に一度、納税通知書が自宅に届き、一括または分割で支払います。
所有する土地・家屋の価値により納税額は異なりますが、10~30万円程度となる場合が多いです。

固定資産税について、下記のコラムもご参照ください。

マンション購入後の固定資産税はいくら?計算方法について詳しく解説!

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保険料(火災保険・地震保険)

万が一の火災や自然災害に備え、住宅ローン利用者は保険加入が必須となっています。
長期契約の方がお得に設定されており、契約期間は最大5年となっています。
火災保険料は建物構造やエリア、保障内容により異なりますが、数千円~数万円/年です。

保険料については、下記のコラムもご参照ください。

マンション購入時の火災保険の選び方は?火災保険の基礎知識も解説!

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火災保険の基礎知識やマンション購入時に必要な補償について解説します。

内装リフォーム費用

住宅設備の買い替えや内装のリフォームにかかる費用を備えておく必要があります。
例えば、給湯器の耐用年数は10~15年となっており、定期的に取り換える必要があります。

一戸建てだけでなくマンションの場合も、専有部の修繕にかかる費用は自己負担となります。
毎月支払う管理費の他に備えておく必要がありますので、要注意です。

マンションにだけかかる維持費

つづいては、マンション居住者にのみ発生する費用を見ていきましょう。

管理費

管理費とは、建物管理維持のために毎月支払う費用です。
管理人の人件費や、エレベーターの保守点検、電気代などに使われます。
費用は物件により異なりますが、共有施設の充実しているマンションはその分管理費も高くなる傾向があります。

マンション管理費の月々の平均相場(70㎡換算)は下記のようになっています。

都道府県 管理費
東京都 22,120円
神奈川県 15,698円
埼玉県 13,616円
千葉県 13,492円
大阪府 12,223円
兵庫県 11,088円
京都府 13,119円
滋賀県 10,093円

(2018年以降に竣工したマンションが集計対象・住まいサーフィン調べ)

修繕積立金

修繕積立金とは、外壁や屋上など建物設備の大規模修繕を目的とした費用です。
管理費と一緒に毎月支払い、大規模修繕に備えて管理組合で積み立てられます。

マンションの修繕積立金の平均月額相場(70㎡)は下記のようになっています。

都道府県 築1年 築5年 築10年
東京都 7,065円 8,326円 12,459円
神奈川県 6,617円 8,486円 11,750円
埼玉県 7,061円 7,576円 10,937円
千葉県 6,106円 7,329円 10,701円
大阪府 5,389円 6,405円 9,434円
兵庫県 5,220円 6,615円 10,045円
京都府 5,505円 6,626円 7,806円
滋賀県 5,057円 6,147円 8,245円

(2010年以降に竣工したマンションが集計対象・住まいサーフィン調べ)

修繕積立金は新築時は安く設定され、築年を経過するごとに値上げされる傾向があります。
そのため、中古マンションの方が修繕積立金が高いことが多いです。

また、10~15年に一度行われる大規模修繕の際、一時徴収が発生する場合もあります。

駐車場・駐輪場の利用料

マンション内の駐車場・駐輪場を利用したい場合、利用料が発生します。
駐車場の種類により利用料は異なりますが、維持費がかからない平置き駐車場は安いことが多いです。
機械式駐車場、立体駐車場(タワーパーキング)はメンテナンス費用が高く、駐車場利用料もその分高くなります。

利用料目安として、駐輪場は1千円程度、駐車場は数千~数万円程度となっています。

一戸建てにだけかかる維持費

一戸建ては、毎月固定で発生する維持費用はありません。
ただし、自宅を綺麗に保ち続けていくためには自主管理が必要となります。

外観のリフォーム費用

長く住み続けるために、一軒家の場合も10~15年おきに壁や屋根のメンテナンスを行うことが推奨されています。
費用はリフォームの内容により差が大きいですが、塗り替えのみであれば数十万~100万円程度で収まる場合もあります。

修繕のタイミングや内容をご自身で決められ、家計管理がしやすい点は一戸建てのメリットと言えます。
それに対し、ご自身で建物の維持管理を行うのが面倒な方は、マンションがおすすめです。

マンションにかかる維持費をシミュレーション

最後に、マンションにかかる維持費を築年別にシミュレーションしてみました。

条件:東京都で70㎡の新築マンションを購入

費用項目 築5年 築10年 築20年
管理費 264,000円 264,000円 264,000円
修繕積立金 84,000円 144,000円 170,000円
固定資産税 250,000円 305,000円 251,000円
火災保険料 4,000円 4,000円 4,000円
年合計 602,000円 717,000円 689,000円

※管理費・修繕積立金は東京都の平均データ(住まいサーフィン調べ)を使用
※固定資産税評価額は、土地3,000万円、家屋1,500万円で概算
※火災保険料は損保ジャパンのシミュレーター参照

固定資産税は新築時から5年は減税措置があり、6年目以降は値上がりしますので要注意です。
ですが、築年数が経過するにつれて建物価値は減価され、固定資産税額はまた減少していきます。

また、都内の管理費・修繕積立金の月々の支払金額の目安は、3万円前後となります。


築年数が長くなってくると、マンションにいつまで住めるのか気になる方もいるでしょう。
下記のコラムでは、マンションの寿命について詳しく解説しています。

マンションの寿命はどれくらい?どんなことが寿命に関係するかについても解説!

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マンションの耐用年数や寿命に関係する要素について、詳しく解説していきます。/p>

維持費で見るマンションを選ぶポイント

余裕を持ったマネープランを

マンションの管理費・修繕積立金は築年が経過することに値上げされていく傾向があります。
想定していなかった値上げにより、維持費が高すぎる、月々の支払いがきついといった後悔も聞かれます。

マンション購入時は、値上げを前提とし、余裕をもったマネープランを立てることをおすすめします。

維持費が据え置きのマンションも

新築マンションの中には、修繕積立金が購入時から30年間据え置きの物件も存在します。
値上げが心配な方は、このような物件を選ぶのもおすすめです。

参考:野村不動産「オハナ

また、大規模マンションの方が1戸あたりの維持費負担が小さくなる傾向があります。
外壁工事などにかかる費用は、マンション規模で大きく変わらないためです。

維持費をなるべく安く済ませたい方は、大規模マンションがおすすめです。
ただし、大規模であってもプールなどの共有設備が充実している場合は、その分管理費用は大きくなります。
また、タワーマンションは板状マンションと比較し、修繕にかかる費用も大きくなりますので、こちらも要注意です。

老後を見据えて選ぶ

マンションの管理費・修繕積立金は、マンションに住み続ける限り支払いが発生します。
退職前に住宅ローンを払い終えたとしても、仕事を辞めた後も管理費・修繕積立金の支払いは続きます。
時には管理費等が値上がりすることや、大規模修繕のために一時金が徴収されることもあるかもしれません。

老後に管理費が支払えないリスクを回避するためにも、年金額を把握した上で生活費を予め試算しておきましょう。

まとめ

この記事では、マンションの維持費について詳しくご紹介しました。
一戸建てと比較し、維持費が高くなるマンションですが、その分便利に暮らせるメリットもあります。

今回ご紹介した平均額やシミュレーションを参考に、ご自身のニーズや予算に合わせた住まい選びを行うことをおすすめします。

マンション・一戸建てのどちらを購入するかお悩みの方は、下記の記事もおすすめです!

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