神奈川県横浜市旭区の特徴を知る
神奈川県「横浜市旭区」の特徴 ― ニッポンの自治体 ―
住民高齢化が進む、京浜工業地帯のベッドタウンとして開発が進んだエリア
横浜市旭区は、神奈川県横浜市の西部に位置し、東は保土ケ谷区、南は戸塚区、泉区、西は瀬谷区、北は緑区に接する。横浜市中心部から約7km、東京都心から約31kmに位置する。東京都心からほぼ同距離にある都市として、千葉市、柏市、春日部市、所沢市、多摩市、国立市、町田市などがあるが、旭区を含め、これらの都市は、高度成長期に人口が急増した都市群で、ほぼ東京都心への通勤圏として最遠部に位置している。旭区役所から横浜駅まで電車を利用して約20分、東京駅までは約50分の距離だ。
横浜市・旭区のマンション
2018年、神奈川県・横浜市旭区で販売された新築マンションは80戸。新築マンション相場価格は4522万円~6113万円。同区内の中古マンション相場価格は2240万円~4550万円。
2019年1月現在、横浜市旭区の人口は、24万7731人。総世帯数は11万4788世帯だ。旭区総面積は32.78平方キロメートル。横浜18区のなかで3番目の面積を持った行政区だ。
横浜市のなかで比較的大きな区は、人口の高齢化が進む
人口総数は市内5位だが、65歳以上の高齢者人口が横浜市のなかで最も多く市内第1位、高齢化率も第2位と年々高くなっており、今後さらに高齢化が進行すると予測される。また、全世帯のうち単独世帯が約3割で横浜市第1位、夫婦のみの世帯が約2割となっており、今後も増加が見込まれる。
旭区は、18区の中でも比較的大きな区だ。起伏に富んだ地形が大きな特徴で、中央部を帷子川が流れ、北部にはズーラシアを含む「横浜動物の森公園」、南部に「こども自然公園」という大規模公園がある、水と緑に恵まれたエリアだ。
保土ヶ谷バイパス沿いおよび同区西部は、広範囲に横浜市風致地区条例に基づき市街化調整地域が設定されており、生産緑地、公園、山林等で構成されている。同区内には川井矢指風致地区・今井大池名瀬風致地区・三保新治風致地区の3つの風致地区があり、横浜市内では緑被率の高い地域である。
横浜市に合併後、急速に発展したエリア
横浜市旭区は、1871年(明治4年)の廃藩置県で神奈川県都筑郡となり、1889年(明治22年)の市町村制による西谷村、都岡村、二俣川村を経て、1939年(昭和14年)に横浜市に合併、保土ケ谷区に編入された。
大正時代の資料によると、都岡村680戸、二俣川村650戸、あわせて4500人ほどが養蚕などの農業を行なっていたとされる。
1926年(大正15年)に厚木・二俣川間に神中鉄道(現在の相模鉄道)が開業、1933年(昭和8年)に横浜までの全線が開通した。
戦後、横浜市中心部や京浜工業地帯のベッドタウンとして開発が進み、大規模な団地開発、宅地化などで人口が急増した。
1969年(昭和44年)、保土ケ谷区から分区して、人口13万9812人(3万7082世帯)の旭区が誕生した。
区名の決定と、それ以降……
保土ケ谷区から分区する際に、広報誌を通じて区名を一般公募。当初、一定地域の住民による集団応募がなされ、「鶴ヶ峰」に集中したが、他地区からそれに反対する集団応募が「西保土ケ谷」「港西」として出され、上位3つは地域の対抗意識的現象で、さらに「鶴ヶ峰」の「峰」は文字が統一しにくく、各種登録などで混乱を来たす恐れがあると判断。また、「西保土ケ谷」「港西」は、西区、保土ケ谷区、港北区などとの近藤などの紛らわしさがあり、「富士見」「旭」「緑」が候補となった。市長・助役・関係局区長で構成する区名審査委員会の協議により、これらのうちで字画数が一番少なく、字体も簡潔明瞭な「旭区」に決定したとされる。
相模鉄道二俣川駅の北側には運転免許試験場、がんセンター、公文書館など神奈川県の施設が集まり、二俣川駅と鶴ヶ峰駅の間の県道厚木街道沿いに旭区役所、旭警察署、横浜旭郵便局などが設置され、区行政の中心となっている。
現在、二俣川駅南口の再開発や都心へ直結する東部の整備などが進められており、2019年には区制50周年を迎える。
公開日:2019.12.26著:吉田 恒道