神奈川県伊勢原市の特徴を知る
神奈川県「伊勢原市」の特徴 ― ニッポンの自治体 ―
シンボル“大山”を擁するかつての農村は、医療施設に恵まれた住宅都市
神奈川県伊勢原市は、神奈川県のほぼ中央に位置する。南部を平塚市、西部を秦野市、北東部を厚木市と接し、東西に東名高速道路、国道246号、小田急電鉄が走る。東京からは東名高速道路クルマ利用で40分、電車なら小田急電車を利用して新宿から60分、距離にして東京から50km、横浜から45kmの位置にあり、首都圏の近郊都市として発展した。
神奈川県・伊勢原市のマンション
2018年、神奈川県・伊勢原市で販売された新築マンションは6戸。中古マンション相場価格は1680万円~3010万円だった。
伊勢原市、2019年1月現在の人口は、10万777人。総世帯数は4万5451世帯である。1971年に人口4万5103人で市制施行した。
伊勢原市のシンボル、標高1252mの「大山」
同市総面積は55.56平方キロメートルで、そのうち山林原野が約1/3を占め、その恵まれた自然環境と温暖な気候が特徴だ。県内はもとより広く関東一円の人々の憩いの地である丹沢大山国定公園の一角に位置するシンボル、標高1252mの「大山」を擁し、1年を通して四季折々の風景が愉しめる。
「かながわ景勝50選」に選ばれている、大山山頂からの眺望は有名で、晴れた日には、東京スカイツリーや新宿の高層ビル群、房総半島まで一望できる。こうした眺望が評価され、 ミシュランがフランスで発売した旅行ガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン改訂第4版」に「大山」がひとつ星、「大山阿夫利神社からの眺望」が2つ星として紹介された。
東部には平野部が広がり、鈴川、善波川、日向川、歌川といった河川が流れる。
1960年代前半までは純農村地帯だったが、1960年代後半から宅地開発が進み、現在では東京近郊の住宅都市としての側面が強い。一方、稲作、酪農、果樹園など農業は県下でも、いまだに盛んに行なわれる地域だ。
神奈川県下でもっとも医師や看護師、薬剤師の人数や病床数が多い街
伊勢原市内には大きな病院や診療所が多い。人口10万人当たりの医師や看護師、薬剤師の人数や病床数が、神奈川県内19市で一番多い。いざというときに安心に暮らせる医療環境が整っている街でもある。
医療環境に恵まれている伊勢原だが、医療の発達していない時代、病気平癒の仏様でもある薬師如来を本尊とする日向薬師には多くの信者が集まり、源頼朝や北条政子、春日局なども度々参詣に訪れたと伝わる。現在、県内トップクラスの医療資産は、この頃から脈々と受け継がれているのかもしれない。
近隣の平塚市、厚木市、海老名市などに商業施設が充実しているため、市内の商業施設は、中規模の生活密着型店舗が中心となっており、東京50km圏の近郊都市の典型で、駅周辺に商業施設が充実している。
市内に所在する鉄道駅は、伊勢原と愛甲石田のふたつしかない。こうした現状から、近隣移動は自動車が中心の典型的なクルマ社会の街。厚木市や平塚市へのアクセスは比較的よい。海老名市や茅ヶ崎市など相模川左岸や、秦野市へは間に川や山などがある地理的制約で使えるルートが少なく、しばしば渋滞するため、アクセスが良いとはいえない。
市内を走る主要道路に触れておこう。主要地方道の多くは江戸時代に整備された大山を中心に放射状に大山街の伸びる道から生まれた。国道246号は江戸と結ぶ街道(青山通り大山街道)、県道22号は平塚につながる街道(柏尾通り大山街道)、剣道44号は江ノ島へ向かう街道(田村通り大山街道)が元になっている。
市内にある高速道路のインターチェンジは、小田原厚木道路・伊勢原インターチェンジである。
公開日:2020.01.06著:吉田 恒道