神奈川県相模原市中央区の特徴を知る
神奈川県「相模原市中央区」の特徴 ― ニッポンの自治体 ―
かつての軍都は、米軍基地跡地の再開発に賭ける新しい政令指定都市の中核区
相模原市中央区は、2010年(平成22年)4月1日、相模原市の政令指定都市移行に伴って区制が施行されて誕生した。区の名称は公募によって決定した。
中央区は、市役所、税務署、裁判所など市や国、県の行政機関が立地する行政の中心となる地域で、同区の総面積は36.87平方キロメートル、同市の11.2%を占める。相模原市域の他の行政区と比較すると、とくに都市化が進んだ地域といえる。
神奈川県・相模原市中央区のマンション
2018年、神奈川県・相模原市中央区で販売された新築マンションは595戸、新築マンション相場価格は2971万円~3703万円。同区内の中古マンション相場価格は1750万円~3710万円である。
2019年1月現在、相模原市中央区の人口は、27万1234人。総世帯数は12万5772世帯だ。40歳代を中心とする団塊ジュニア世代が多く、市内の他の行政区と比べて子ども世代(0歳~14歳)の割合が最も高いエリアだ。
中央区には、小山地区、清新地区、横山地区、中央地区、星が丘地区、光が丘地区、大野北地区、田名地区、上溝地区の9地区で構成され、中央区全体の街づくりは区役所が担っているが、各地区の街づくりは「街づくりセンター」を拠点として進められている。
戦後、JR相模原駅周辺の都市基盤整備で発展した街
JR相模原駅周辺は、戦前から戦後にかけて実施された相模原都市建設区画整理事業による都市基盤整備によって商業、業務、行政機能の集積、広がりのある住宅地が形成されるなど、相模原市の中心市街地として発展してきた。
また、鉄道や国道の沿線では、その交通利便性を生かして多くの工業が集積し、本市の内陸工業都市としての発展を支えてきた。同市の代表的な工業団地である田名工業団地やテクノパイル田名工業団地などで産業集積が進み、宮下地区や小山地区にも工業地域が形成された。
一方、相模川をはじめとして境川、八瀬川、道保川などの水辺や、段丘崖のまとまりある緑地や多様な自然に恵まれた地域でもある。
なかでも、南部を流れる相模川流域は、釣りやキャンプなどのレジャーの場としてにぎわい、四季を通じて多くの人々の集う場となっている。また、相模川に生息する魚等を展示する水郷田名地区の相模川ふれあい科学館は、相模川に親しむことのできる施設として、多くの市民に利用されている。
同区の北東側の八王子・横浜方面を結ぶJR横浜線、国道16号、区の中央部の厚木方面を結ぶJR相模線、国道129号、愛川方面を結ぶ県道相模原愛川、町田方面を結ぶ県道相模原大蔵町が、それぞれ区の交通の骨格だ。
将来的には小田急多摩線の延伸が計画されており、東京都心へのアクセスが一層向上すると期待されている。
米軍基地跡地の再開発が市の将来を決める
市内に3つある米軍基地のうち、相模総合補給廠(196.7ヘクタール)が区の北側、横浜線相模原駅・矢部駅間沿線の市街地に位置しており、計画的な街づくりを進めていくうえで大きな障害となっている。これが、都市計画や市民生活にさまざまな影響を及ぼしている。が、2006年(平成18年)の米軍再編による地元の負担軽減として、JR横浜線相模原駅の北側約17ヘクタールが、2014年(平成26年)9月30日に日本に返還された。加えて、約35ヘクタールのエリアが2015年(平成27年)12月2日から共同使用開始なった。基地跡地の有効利用が相模原市の発展にとって重要なカギとなりそうだ。
中央区内の中央地区は、相模原駅の南東に約3.13平方キロメートルにわたって広がるエリア。市役所本庁、税務署、裁判所、相模原警察署、郵便局などの官公庁が立地し、相模原市の中心市街地となっている。また、JAXA相模原キャンパスや博物館などの教育・研究機関や文化施設が立地するキャンプ淵野辺跡地などもある。
中央地区は戦前からの軍都計画に基づき大規模な土地区画整理事業が行なわれ、道路網が整備され、相模原駅や矢部駅など鉄道駅にも近いことから、マンションなどの集合住宅が多い地域でもある。
公開日:2019.12.26著:吉田 恒道