大阪府堺市南区の特徴を知る
大阪府「堺市南区」の特徴 ― ニッポンの自治体 ―
近年、高齢化が進むも、市域随一の計画的に開発された住宅都市
大阪府堺市南区は、2006年の堺市政令指定都市移行にともない誕生した行政区だ。同市南端に位置し、西は和泉市、東は大阪狭山市、東南は河内長野市に接する。
北部を走る泉北高速鉄道泉ヶ丘駅から光明池駅にかけて大阪府を代表する泉北ニュータウンがあり、そのニュータウンを中心とした計画的市街地とその周辺の農地、集落地、丘陵地で構成される区域だ。
大阪府・堺市南区のマンション
2018年に大阪府・堺市南区で販売した新築マンションは43戸。中古マンション相場価格は1470万円~2730万円である。
堺市南区の人口は、2019年1月現在、14万4113人で、総世帯数は6万5524世帯。同区は2009年8月までは堺市7区のなかで、もっとも人口が多い行政区だった。が、現在では、北区、堺区に次ぐ3番目。最近はニュータウンの老朽化、住人の高齢化、人口減少が進んでいる。ただ、区域面積はもっとも大きな面積40.39平方キロメートルである。南部には農業や貴重な自然環境が残されている。
区域は泉北ニュータウンを中心とした計画的に開発された居住環境
石津川、和田川の浸食によってできた谷は、それぞれ、上神谷(にわだに)、和田谷(にぎただに)と呼ばれ、古くからの集落が形成されている。丘陵部は中腹から先端にかけて泉北ニュータウンとなっており、前述のふたつの谷によって泉ヶ丘、栂、光明池の3地区に分かれている。
明治時代には上神谷村、鶴田村、北上神村、美木多村などに分かれていたが、昭和期に入ると合併によって町が成立。昭和30年代に堺市に編入した。この地域は長きにわたって手付かずの自然が残っていたが、1965年に大阪府の泉北丘陵住宅地区開発事業によって泉北ニュータウンが建設されると、地域の様子が一変した。1967年から入居が始まり、6年間で3万人を超える人口急増となった。
解説50年を迎えた泉北ニュータウンの課題
2017年12月に「街びらき50周年」を迎えた泉北ニュータウンには、快適な居住環境が広がり、泉北高速鉄道泉ヶ丘駅周辺には、多くの商業施設や公共施設が集積し、にぎわいに満ちた街並みを形成している。
同区では、50周年を記念したイベントを実施し、地域住民や区内の学校・団体が交流する場をつくり、泉北ニュータウン50年の歩みを振り返る機会を創出している。
南区には伝統のある須恵器の窯跡も多く残っており、桜井神社拝殿や無形民俗文化財などの貴重な歴史文化資産を受け継ぐ街でもある。
なかでも国宝に指定されている桜井神社拝殿は、建築様式や建築技法から鎌倉時代中期に建てられたとされている。国内に現存する拝殿建築のなかで最も古いもののひとつだとされている。
公開日:2020.01.06著:吉田 恒道