第1回 マンション購入に対する意識調査の公表

プレス発表資料 2008年05月23日
アトラクターズ・ラボ株式会社(現:スタイルアクト株式会社)

目次

  1. 要旨
  2. 調査概要
  3. 調査結果
    1. 現在の物件の購入価格への意識
    2. あきらめた物件数・再度検討する価格下落率
    3. 絶対購入しないマンションの条件
    4. 1年後の住宅価格の変化
要旨
  • 現在の物件の購入価格は、「高い」と回答する割合が半数を超え52%
  • 「絶対に購入しない物件の条件」1位は「駅から15分以上かかる、もしくはバス便」が72%
調査概要

不動産マーケティングのアトラクターズ・ラボ株式会社(現:スタイルアクト株式会社・東京都中央区・代表取締役:沖有人)は、マンション購入検討者の意識調査を行ったので公表する。供給者側の分譲価格・初月契約率・在庫数については公表されているものがあるので、弊社は購入者側の価格に対する意識・価格弾力性・商品選択の優先順位を中心に、今後四半期ごとに定期的に調査を行い、消費者心理を時系列比較する予定である。自社インターネットサイト「住まいサーフィン」モニターに登録された会員に対し、 直近3ヶ月間に新築マンションの販売センターに行った経験がある方のみを対象として、マンション購入に対するアンケートを実施した。

実施時期
2008/04/21~2008/04/28
調査対象者
住まいサーフィンの会員
有効回答数
378
調査結果

今回の調査では、現在の物件の購入価格に対する意識は、「高い」と回答する割合が半数を超え(52%)、「安い」との評価(7%)を大幅に上回っている。また、全体の75%が「いままで価格が高すぎてあきらめた物件がある」と回答。あきらめた物件数は購入希望物件数を超え、価格が物件購入の強い阻害要因であることが明らかとなった。

価格面でいったんはあきらめざるを得なかった物件を、再度検討してもいいという希望価格帯は、下落率10%で回答者の17%、下落率15%で回答者の41%が、「購入を再検討する」と回答し、価格調整が一定の需要を喚起することが明らかになった。また、今後の不動産価格の予測を行ってもらったところ、 「下がる」との回答が45%であり、 今後の販売価格調整が売れ行きに変化を与えることを推察させる内容となった。

最近売れ行きが著しく悪い物件があるため、「絶対に購入しない物件の条件」を聞いた結果、1位は「駅から15分以上かかる、もしくはバス便」が72%、2位に「生活環境の悪さ」66%となり、売れ行き不振物件の物件属性と酷似している。また、3位には「面積が狭い」59%が入り、分譲価格調整を面積を狭めることで今後対応しようとしているデベロッパー側には厳しい条件となっている。

現在の物件の購入価格への意識

現在の物件の購入価格への意識
現在の物件の購入価格に関しては、「高い」と意識している方が過半数となっており、「安い」を大幅に上回っている。
また、「購入を諦めるほど高い」が13%存在しており、現在の価格水準は需要を減らすに足るもので、現在の価格水準では供給戸数の調整が必要な状況にあると考えている。

あきらめた物件数・再度検討する価格下落率

あきらめた物件数・再度検討する価格下落率
購入したい物件数は「1件」が40%と最も多く、平均1.4件。
価格が高くてあきらめた物件が「ない(0件)」と回答したのは全体の1/4に過ぎず、残りの3/4は価格が理由であきらめた経験がある。あきらめた平均物件数は1.9件で、購入したい物件数を上回っている。
いったんはあきらめた物件を再度検討する価格下落率としては、5%では購入意欲がほとんど沸かず(1.1%)、10%まで下がれば全体の17.2%、15%まで下がれば全体の41.1%が「購入を再検討する」と回答し、10-15%程度の下落幅が購入者の「値頃感」を刺激する可能性が高いと想定している。

絶対購入しないマンションの条件

 絶対購入しないマンションの条件
回答者が、検討対象外とする、「絶対購入しない条件」を列挙してもらった。
それによると、「駅から15分以上もしくはバス便」の割合が高く、70%強となっている。次いで、「工場や大きな道路に接するなど生活環境が悪い」も70%弱となった。「面積が狭い」「スーパーや学校などが遠く、利便性が悪い」も60%弱であり、現在の売れ行き不振物件の属性と酷似している。

1年後の住宅価格の変化

1年後の住宅価格の変化
今から1年後、住宅価格がどのように変化するかを推測した結果が上記のグラフである。
「上がる」が1/4程度であるのに対し、半数弱が「下がる」と予測しており、「下がる」割合の方が20%程高い。
横這いが最も多いことから平均してしまうと、-1.9%に落ち着いた結果となるが、上がることを期待する方が多ければ駆け込み需要が発生するのに対して、下がることを期待する方が多ければ購入の先送りを促すこととなり、売れ行きに対してはマイナス要因として働いていると想定される。
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